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宣言する奴と宣言される奴等

 ギルド長が連れて来たのは近衛の女騎士だった。

 真面目そうな奴で頭硬そうだ。まぁ、ギルド長からは知り合いの娘だから確りと守ってくれと依頼を受けたので命は守ってやる。

 それにポールとジブラルタルも居るので前に出ては戦えない。俺は死なねーけどあの2人は絶対死ぬ。死ぬ自信しかない。


「貴殿のパーティーはそのシスター殿と男だけか?」


 女騎士はポールとジブラルタルを見ると俺に話しかけて来た。


「おう」

「ならば貴殿等は私の周りにいて貰おう。

 ドミトリー卿の助言では目を離すと何をするか分からないとの事だからな」


 女騎士の言葉に他の全員がそれが良いと頷いた。

 周りの連中を睨みつけつつ、別に異論は無いのでオーライと手を挙げる。すると女騎士は意外そうな顔をする。


「なんだ?」

「いや、聞いていた話だと貴殿は傍若無人が人間になったような物だと言われていたのでな」

「誰がそんな事言ってんだ?」


 ぶち殺してやると銃を抜くとポールがそう言うところですよと俺の腕を押さえる。


「俺程に慈悲深く、心優しい奴は中々いねぇぞ?」


 部屋の隅に置かれたドリンクコーナーに向かう。其処では名前は忘れたが見たことある男の冒険者が他の冒険者の女にちょっかいを掛けていた。


「おい、邪魔だボケ。

 ナンパするなら他所でやれ」

「あ?ああ、悪い。

 そうだ、君もこの後食事でもどうだい?」


 キザっぽい仕草で鼻に付く。

 キンタマ撃ってやろうと思い、腰の拳銃に手を伸ばすとポールが俺とキザの間に割って入った。


「ごめんなさい、パーティー同士での食事は日を改めてやりましょう」


 っち、運のいい奴め。

 飲み物を片手に椅子に戻る。それから長々とよくわからん話し合いだ。敵の数とか首領すらよくわからんとか言う杜撰さ。


「もっと情報集めてこいよ、お前ん所のトップは馬鹿なのか」

「ま、マクミランさん!ダメですって!近衛騎士団は国王直属なんですって!」

「馬鹿だなポール。

 近衛騎士団は国王の配下だけど、近衛騎士派遣の印鑑を押すのが国王なだけで実質的な指揮と作戦参謀は近衛騎士団長とその取り巻きがやんだよ。

 だから、近衛騎士団とその参謀が馬鹿って話だ」


 理解したか?と言うと近衛騎士が大きく咳払いをした。


「その情報を集めようにも廃都に入った者達は帰ってこないのだ!

 だから私が派遣されたのだ!」

「つまり、お前は近衛騎士団から派遣された捨て駒ってわけか」


 俺等偵察隊かよ。捨て身の。

 つーことは、割とガチで頑張らにゃ行かんわけじゃん。


「本気出さねーとポールとジブ死ぬやん」

「そ、そんなにヤバいんですか?」


 ポールが顔真っ青でこっちを見る。ジブも震えていた。


「必要以上にビビんな。

 安心しろ、他の全員見捨ててでもお前とジブちゃんは絶対生かして帰してやるって」


 親指を立ててウィンク。

 服とかもこのカジュアルから重装備で行くか。デスマシーンシステムも引っ張ってこよう。DMSだ。ジャガノも一応持ってくるか?

 装備出来る時間あれば良いけど。まぁ、どうにでもなるさ。所詮は威力偵察。ヤバくなりゃ脇目も振らずに命かながら逃げかえれば良い。それが威力偵察。偵察は命さえありゃ大戦果なんだ。

 2人を見ると相変わらずガクブルしている。


「安心しろって!

 そこの女騎士見捨ててでも俺がお前等だけは生かして帰ってやるからよ」

「ば、馬鹿者!

 依頼人を見捨てて自分だけ逃げる奴がいるか!」

「あ?此処にいるだろうが、ボケ。

 この場にいる全員に言っとくけど、このマクミラン様が俺の命を賭けてでも逃すのはポールとジブラルタルだけだからな」


 取り敢えずそれだけ宣言しておこう。

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