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親馬鹿

天文7年10月20日


はい、5ヶ月以上放置しました。いや、書くことあっただろと自分に言いたい。ネット小説でそんなことをしていたらまず読まれないぞ。いや、読まれたくないけど。まずは自分のことから。親が親馬鹿だったことが判明しました。


というのも最近、同じ年頃の遊び相手が必要だろうって話になったようで、いや遅いだろ。親を除いて会うとすれば爺と坊主と世話してくれる女中と警備の兵って。異母兄にもまだ会ったことないんだぞ。コミュ症になったらどうするんだよ。小田さんはコミュ症ですってか。


そんなこんなで遊び相手が決まった。菅谷左衛門大夫政貞というものだ。ちなみに13歳年上。どこが同じ年頃だよっ。ひとまわり違うじゃないか。なんでかそれとなーく聞いてみたらどうやら爺が最近体調がよろしくないらしい。全く気づかなかった。

それで遊び相手兼教育係として、歳も近くなかなか優秀と評判で最近重臣の信太とちょっと仲が悪くなってきて距離を置こうかと言われた左衛門大夫が選ばれたらしい。最後の情報要らなくね。


話してみると普通にいい人だった。爺なんかより断然、左衛門大夫の方がいいな。問題はこの雑談の中で発覚した。どうやら他の子供より賢い扱いを受けているらしいということだ。普通は文字を習ったり孫子とかの勉強をするのはもっとあと。今の年頃なら礼儀とかを学ぶものらしい。


それが礼儀に関してはある程度前世の記憶でどうにかなったのでものの一月ちょっとで終了。試しに文字を書かせたら初めての割にはそこそこできていた。いいことなので親父に報告したらうちの子天才なんじゃね、とか言って教育の前倒しを命じられたとか。子供はな、そういう過度な期待に応えようと無理をしちゃうんだよ。いや、無理したのは爺の方か。だから体調を崩したのかもしれないな。


もはや内容でいえば2つ上の異母兄とやっていることは変わりないらしい。子供のころ頭良くても大人になったら凡人なんてパターンはよくあるだろう。とか言ってもどうしようもない。まあ、左衛門大夫はその話を呆れたように話していたからほかの家臣たちもそんな感じなんだろう。


しかし13歳も年上だったら話すようなことは限られてくる。いや、限られてくるかな。どういう話の流れだったか忘れたけど、いつの間にか最近の情勢の話になった。前の日記で書いた北条と小弓公方のごたごたがついに戦になった。小弓公方がそれに味方する里見義堯・真里谷信応ら軍1万を従えて、国府台城に入った。それに対応するために北条も2万の兵を率いて江戸城に入った。そこまで聞かされて結果を隠してどうなったと思うかと聞かれた。そういうのいいから結果を教えろよと思ったけど、いや思っただけじゃなくて口にもしたけど勉強の一環だといわれた。爺より面倒だな。


とりあえずこの後の歴史を考えたら北条が負けるとは思えなかったので、北条が勝ったと思うと伝えた。さあ結果をと思ったのに、どうしてそう思うのかを聞かれた。小弓公方は足利一門、そう簡単に弓引ける存在ではないはずだと。正直、足利の権威はそこまで効果があるとは思っていないんだけど。そう思ってしまうのは歴史を知っているからかな。とりあえず数で北条が勝っていることと、小弓公方側は寄せ集めに過ぎず、不利になれば逃げだす者が出てくる可能性があることを指摘した。


どうやらその回答で満足したらしく、結果を教えてくれた。結果は北条の勝利。小弓公方は討ち取られ、小弓城等は落とされ、小弓公方に味方した真里谷は降伏し親北条派の当主に代わった。小弓公方に味方したなかで唯一、里見だけはさっさと撤退したおかげでほぼ無傷だった。


これで北条の力がますます強くなるだろうな。左衛門大夫はそれを見越して佐竹との関係強化を図った御屋形様、つまり親父はすごいと言っていた。いや、分かっていたなら北条に近づけよ。絶対に想定を超えているだろ。少なくとも俺が家督を継いだら北条と手を組むな。そして常陸統一、下野あたりまで勢力を伸ばし北条征伐で豊臣に降伏。本領安堵を認めてもらって関ヶ原の戦いで東軍につく。兵站面で協力できたらいいな。そうしたら前線に出ずにすむ。


問題はそこまで俺が生きているのかだよな。いや、そもそも関ヶ原まであと何年だ?それが分からないと計画も立てられないじゃないか。天文何年とか言われても分かるかよって感じだし。西暦はまだですかー。まだに決まっているよな。せめてわかりやすい出来事でも起きればいいんだけどな。信長の上洛とか。桶狭間ぐらいだったらこっちまで噂が回ってくるか分からないし、タイムラグもあるだろうし。インターネットが恋しいな。

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