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叶えない恋  作者: kzm
8/9

(4)

僕のオススメスポットに着く頃にはすっかり日付が変わっていた。

「もう1時だね。亮仕事後なのに大丈夫?」

「うん!むしろ元気になった!めちゃ落ちてたから…愛さんのおかげだよ。」

「よかった。普段絶対にピンチだなんて言わないからさぁ…冗談っぽく言ってたけど、冗談で言うようなタイプじゃないしね。本当によかった」

「ありがとう」

「うん」

何か嬉しい沈黙…こんな沈黙なら好きだ。

「あっ、愛さん、ここから少し歩きずらいから、気をつけて」

「うん…キャッ!」

そう少し声をあげ愛さんはバランスを崩した。僕は愛さんね半歩前だった。思わず僕に掴まった。偶然の女神は僕に微笑んだ。

僕らはそこから手をとって歩いた。

「亮ごめんね」

「全然!むしろ気をつけて。ゆっくり歩こう?」

「うん、ありがとう」

「そろそろだから」

「そうなん?」

「うん、段々空気が澄んでない?」

「そういえば…あっ!めちゃいい空気!」

「でしょ?」

「うん!気持ちいい」

「よかった」

「あっ、亮見て!あれ!星がキレイ」

「本当だ!ちょっとあのベンチに寝転んでみよ?」

「いいよ」

「あっ、誘導するから目を閉じて?」

「めちゃ怖いし」

「大丈夫!信じて」

「うん…」

そして静かな沈黙と静寂の中2人寝転んだ。

「目を開けていいよ!」

「うん…わぁ!キレイやぁ!」

「でしょ?星と木しか見えないし、木がフレームみたいになってるんだぁ」

「すごいねぇ!」

「これは俺の秘密の楽しみ方」

「なるほど!」

「こうしてると全部自分の世界みたいでさぁ」

「あはは!亮らしいわ」

「ありがとう」

「亮は楽しみを沢山持ってるよね」

「そうかな?」

「うん!あっ、今度昼間海いこう?それにホタルも見に行きたい」

「あはは!いいねぇ!いっちゃおうか」

「うん!亮ありがとう」

「どうせならサークル作らない?」

「サークル?」

「うん、色々なことするんだ」

「いいねぇ」

「じゃ、絆ってのはどう?」

「う〜ん…」

「あっ!いいの思いついた!天体観測は!?」

「それいいっ!うちらで作ろう!」

「だね」

「メンバーは?」

「まずはナリでしょ!あとは麻美ちゃんに…シンなんかは?」

「いいねぇ!」

「じゃ、今日がその一回目だったわけだ」

「だねっ!」

「ノートでも作ろうか?やりたいこととか書けるように」

「うん!さすが亮や」

「ありがとう!ノートも思い出も一緒に作っていこう」

「楽しみや」


こうして僕らの『天体観測』が生まれた。

僕らにとっての新たな一歩。

そういえば何かの歌の歌詞にあった

「何でも無い日を記念日にしよう」

「地図にも無い場所へ君の大切な犬も連れて」と。僕の好きな歌だ。なんとなくそれが流れた。

好きになってはいけないハズなのだが…

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