1-3Breaktime
ノリは目が覚めた。何処か分からない暗い部屋の中に寝かされているようだ。はじめは何も感じなかったがまた嫌な予感がしてくる。
「ま、まさかここが例の時空狭間?」
「安心してください…私はあなたを殺しかけた者ではありません…」
暗い部屋に居るのにこんなに暗い感じの声がすると、流石に背筋が震える。
「私はただの回復屋です…ここは怪我をした時に休めるんです…」
姿は見えるのだが全身に黒い布か何かをまとっているようで、顔も見えない。
「君名前は何ていうの?」
「回復屋です…」
「名前は無いの?」
「ええ…無いです…」
しかし、なんか怖い。
「な、なんか怖いぞ。君。」
「フッ」
嫌だーーーー、何この人、やっぱり怖いよー。話をそらそう。
「な、なんかポケ〇ンセンターみたいだな。」
ポケ〇ンセンターとは、昔のゲームに出てくる回復所である。まあ、こいつは異世界にいるんだから知る由もないだろう。
「そーいえば、この世界のキャラクターは人形とか、ぬいぐるみだけじゃないのか?」
刺される前にクマから聞いた話である。
「この世界は、人とメルヘンキャラが共存してるんです…人は重要キャラでメルヘンキャラは村人A的な感じです…」
村人Aは少し可哀想な感じがするが、まあそんなに重要じゃないのは分かる。
「まあ、まだ傷が痛むでしょ…寝ておきなさい…」
回復屋に言われたとおりにノリは寝ようと思った。
「怖くて寝れないよーーーーーー。」
ブレイクになんかならなかった。