エピローグ その②
クレアと僕が魔王を倒し世界を救った後、どうしたかと言う話を少しだけしよう。
当然ながら僕はアルヒムの村へと帰っていた。やりたい事をやって家に帰るのは至極当然の事である。
そして何故か僕と旅を共にした少女、クレアも――――僕の家に居た。
クレアに話しを聞いた所、どうやら子供の頃は天涯孤独にして教会で何人もの孤児と共に生活していたらしく、王宮兵士になってからは一人で暮らしていたらしい。そしてそこを引き払った今となっては帰る場所など思い当たらないとの事で僕は半ばヤケクソになって、
「一緒に来いよ」
と口にしていた。それをクレアが了承し、現在母親と三人で暮らしている。
実のところ、あまり考えないで物を言ったのでお袋が了承してくれないだろうなぁ、と内心思っていたのだが、
「何? 何何何? 本当にこんなべっぴんさんを家に連れて帰って来たの? あんたも実のところ隅に置けないわねぇ。……え? 別にそういうのとちゃう? ……ふざけんじゃないわよ。愚息のあんたが優秀な遺伝子を世に残せるとすれば、こんな棚から牡丹餅的な超絶ラッキーによる超絶美女との既成事実しか方法無いじゃない。その為ならば私は修羅ともなる覚悟よ。毎日お赤飯焚いてあげるわね」
と少々斜め上の了解をお袋から貰い、三人で暮らせる事となった次第である。
……しかし毎日のように食卓で、「孫の顔が……」などと芝居混じりに呟くのだけは勘弁して欲しいぞ、お袋よ。
また、クレアも僕も新しく仕事を貰った。
『村人A』であった僕だが、一年以上も経てばとっくに新任の『村人』をアルヒムの村長は雇ってしまったらしく、見も知らぬ他人に『ようこそ、アルヒムの村へ!』と言われた時はやや複雑な心境であった。
『村人A』の中でもとびきり最強の『村人A』となって帰ってきた僕には最高級の『村人』としての仕事を任せれても良いと思うのだが……。だって村人スキル『魔の長が持つ秘密』とかでさえ使えちゃう僕なのよ? 即戦力の『村人』として迎えるのが筋じゃないの?
まあ結局は『村人』として以上の価値は何処にも無いので結局役立たずなのだけど。
経験値を何処まで得ても役立たず…………何その人生の縮図。泣けてくる。
それは兎も角として新たな仕事を貰いに村長宅へと訪れた僕とクレアは村長に相当怯えられた。
「今度は何処に吊るすつもりじゃ!?」
…………急な運動でもして足でも吊っとけよジジイ。




