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79.オーバーマジック

なんか最近ちょっとずつ1話あたりの文章が多くなってきてる気がする……

「ポキューズ・フラムベル?」



 思っくそ聞いたことのある名前だ。具体的には1つくらい前の街で。



「そや! あまりに有名出てビビったか!」


「そんなに有名な人なのでござるか?」


「そらもう! あの大陸一と謳われたバーヌス氏の一番弟子で大陸中をさすらう伝説の刀匠! 彼の手にかかればどんな素材でも瞬く間に打ち直してくれるとか!」


「おい! うるせぇぞニッタ! 玄関口でガタガタ抜かすな!」



 ニッタさんが紹介しているとテントから一人の男が出てくる。その姿は以前見たポキューズさんと全く同じで……つーか完全に同一人物だ。



「ええやん。せっかく褒めたったのに。褒めがいのないやつやでホンマ。」


「おめぇのは煽りにしか聞こえねぇんだよ……ってお? 兄ちゃんどっかで見たことが……」



 そう言ってポキューズさんは俺の全身をジロジロと眺める。えっ、この間あったばっかりなのにもう忘れられたの? マジで?


 ジロジロと俺を見ていたが、その視線が俺の腰元に止まる。その目に映っているのはポキューズさんに売ってもらったフェザーソード(折れてる)だ。



「おお! そうだ思い出した! 確かフェザーソードを売ってやった兄ちゃんか!」



 そう言って大きく手を叩く。どうやらフェザーソードは鞘に入れてるから折れてるのはわかってないっぽい。



「なんやショウタ君、ポキューズと知り合いなんか?」


「知り合いってか……」


「俺がこの兄ちゃんに剣を売ってやったのよ! まあガキだけど見所があったんでな!」



 ガハハと大きな笑い声をあげる。いい人なんだけど……なんか存在が暑苦しいな。



「それで? 今日はどうしたよ! まさかフェザーソード折っちまったか? なんてな!」



 一段と大きく笑い声を上げる。いや……あの……エスパーするのやめてもらいたい。すっげぇ言いにくくなるから。



「すごいでござるなポキューズ殿。よくわかったでござる」


「ちょ……フォウ……」


「……あ?」



 うんうんと頷くフォウル。馬鹿かこいつ空気読めよ! ポキューズさんすっげぇ顔になってんぞ! なんだこの顔……怒ってんの!? それとも怒ってないの!? わかんねぇよ!



「あ……あのポキューズさん?」


「折った……? そりゃ本当か?」


「いや……あの……はい。すいませんしたーっ!」



 折れたフェザーソードを前に出して頭を下げる。折ったの俺じゃなくて坂本なんで許してもらえないっすかね……



「…………よくやったっ!」


「……は?」



 次に来るであろう怒声に備えてビクビクしていると、ポキューズさんはいい笑顔でグーサインを作っていた。



「ガーッハッハッ! いいじゃねぇか! ますます気に入ったぁ! 若いうちは剣なんぞ何本もへし折れぇ!」


「……へぇ?」


「剣が折れたということはぁ! 俺の剣がお前についていけなくなったということだ! 俺はあの時のお前じゃ絶対に折れない剣を渡した! でもお前は折った! つまりお前は成長してるってことだ!」


「いやあの……」


「いーや皆まで言うな皆まで言うな! 言葉にすると安っぽくなっちまう!」



 ポキューズさんが豪快に笑いながら肩をバシンバシン叩いてくる。めっちゃ痛い。しかも俺が折ってねぇし。



「そーいうことなら打ち直してやる! 今度こそお前には折れないような剣にしてやる!」



 ポキューズさんが折れたフェザーソードを受け取る。



「おお! よかったでござるなショウタ殿!」


「ほらショウタ君、今やで、あれ見せてびっくりさせたり!」


「あっ、はい。これで剣って……できますか?」



 そう言ってカバンに入れていた坂本の爪を取り出す……ってうわ、鞄に穴あけてんじゃん……



「あん? なんだこりゃ。なんの爪だこれ?」


「ふふん、聞いて驚きやポキューズ! それはなぁ、魔人の爪やで! それもドラゴンの!」


「ふーん」


「驚かんのかい!」


「……ニッタさんはツッコミも全力っすね。」


「当たり前やろ! ツッコミはワシの生きる道や!」



 カッカッカと笑いながら言う。なんだこの人芸人目指してんのか。ってかこの世界に芸人いるのか。



「まードラゴンだかリザードマンだか知らねぇが打ち直してやるよ。ほれ、こっち渡しな。」



 爪を渡すとポキューズさんはそれを指で軽く叩いたり火で炙ったりした。



「ほー……こりゃ凄ぇ。ドラゴンの爪なら何度か弄ったことはあるがこいつは耐久性が桁違いだな。それに火に対して強い耐性を持ってる……」


「そ……そんな凄いもんなんか!」


「まーすげぇな。……つってもかなりの高火力で熱さねぇと変形しないからちょっとここの設備じゃ厳しいな……少なくとも火属性魔法を使える人間が……そうだな」



 ポキューズさんが左手の指を何かを数えるかのように折り曲げて行く。そして左手が握りこぶしの形になるとうん、と頷く。



「5人だな。最低でも5人くらいは欲しい」


「5人……フォウルとあと……ニッタさんは?」


「ワシは無理やな。魔法は地属性にちょっと適性のある程度や。」


「俺も使えるぞ。あともう一人使えるやつがいるが……今はちょっと出かけちまってるな。」


「……拙者に任せるでござるよ」



 フォウルは一歩前へ出て、手を地面にかざす。その手からは魔力が立ちのぼり、坂本との戦闘の時のようにフォウルを包む。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「……魔力は生命の源。魔力を自由自在に操って魔法を織り交ぜれば武術はさらに上の次元へと進化する……《爆拳》」



 技名を叫びライアットは拳を突き出す。するとその拳の延長線上に凄まじいまでの風圧が飛び、結果的に手を触れずに10メートルほど離れた木を揺らした。



「ほぁ〜……すごいでござるな……」


「基本はお前の魔闘流と同じだろう。……というかむしろ俺にはそっちの方がわからない。」


「まあこれは少し特殊でござるからな……

こうでござるか? 《爆拳》!」



 フォウルが正拳突きを繰り出すと爆発するかの様に炎が流れる。しかしその炎は2メートルほどしか飛ばずに霧散し、フォウルの魔力を多く消費した。



「……違う。もっと小さく、それでいてもっと高密度にだ。そうすれば今と同じ魔力でもあの木くらいは貫通できたはずだ。《オーバーウィンド》」



 ライアット魔法を唱えると拳を繰り出さずとも5センチほどの細さの不可視の風の槍が木を貫いた。その魔法は普通のウィンドとは比べ物にならないほど範囲が狭く、鋭かった。



「小さく、高密度に……でござるか……」


「……とりあえず何度も繰り返して覚えろ。

時間がないから武術と一緒にな」


「ちょちょちょ……何で構えてるでござるか? じょ……冗談でござろう?」


「……行くぞ」


「まっ……やめ……ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「小さく……高密度に……《オーバーフレイム》」



 フォウルがそう言うと30㎝ほどの小さな炎が発生する。それは普通のフレイムより小さいが、しかしその炎は普通のフレイムとは比べ物にならないほどの熱量を伴っていた。



「暑っつ!」


「暑いわぁ! なんやこれ!」



 触れずとも、近くにいるだけで汗が噴き出す。思わずニッタさんと俺は炎から遠ざかった。



「こいつぁ……すげぇ。兄ちゃん! これあとどのくらい出せる!?」



 しかしポキューズさんはその場で目を輝かせて炎を見つめる。噴き出す汗など気にもしていない。



「このサイズならあと4個くらいで、1mくらいのものなら1個でござるな。」


「完璧や! 兄ちゃん、手伝ってくれるか!」


「もちろんでござる。」


「よっしゃ! じゃあ早速頼むで!」



 フォウルとポキューズさんが笑顔で握手してテントに入って行く。そしてフォウルが離れると同時に炎は消えた。


 …………なんか俺の知らない間にフォウルがチートじみてきてる……




実際フォウルはチート。

あと声に出さなくても魔法は発動できますがその分難易度が上がります。なので大体の人は声に出して魔法を発動させます。

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