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69.各々のやり方

書き溜めとかしたい。でもできない。

「おかえり……ん? ショウタくんその子は?」



 ベルナールさんが帰って来た俺に手を振った後、坂本の方を見て不思議そうな顔をする。



「あ、ショウタの友達の坂本っす。あなたは?」


「ああ……僕はベルナール・エテュード、一応魔王討伐隊のリーダーをやらせてもらってる。」



 これって魔王討伐隊ってチーム名だったんだ……



「魔王討伐隊……?」


「うん、その名の通り魔王を討伐するために結成された部隊さ。総勢25名の小規模なものだけどね。」


「ふーん……」



 すると坂本は面白そうに目を細める。まあ男の子なら憧れるだろうな。わからんでもない。



「それ、俺も参加していいですか?」


「本当かい!? ぜひお願いするよ。よろしくね、坂本くん。」


「はい、よろしくっす。」


「じゃあ早速だけど手伝ってもらえるかな?

今から魔人を締め上げて情報を絞り出すんだ。火系魔法が使えるならありがたいけど……」



 いや……すげぇ笑顔で言ってるけど言ってること恐ろしいですよベルナールさん。火系魔法って燃やす気ですかい……



「あー……すんません。俺今日魔物に襲われちゃって魔力がもうないんで、役立てないと思います。」


「そうかい? じゃあ仕方ないね……いつも通りライアットに頼むことにするよ。」



 そう言いベルナールさんはどこからともなく現れたライアットさんを連れて魔人の元へと歩いていった。その数分後、魔人の声とも言えない様な悲鳴が聞こえてきた。





「《フレイムディザスター》!!」



 坂本がそう叫ぶと魔物の群れが一気に炎の竜巻に飲み込まれる。 炎の竜巻は不規則に暴れまわり魔物の群れを飲み込み、一匹残らず全て焼き尽くした。骨すら残らず炎の竜巻が通り過ぎた後は全て更地と化していた。



「複合上位魔法……だと……」



 それを見たギザメルが絶句する。それもそうだろう、自分の息子ほどの歳の子供が100近い魔物を殲滅したのだから。


 適正魔法には基礎魔法、基礎上位魔法、複合魔法、複合上位魔法の種類がある。坂本が使ったのは最高難度と言われる複合上位魔法。基礎上位魔法を2種類以上組み合わせて発動させる魔法で、要求魔力も練度も桁が違う。



「……ふぅ、こんなもんか」



 坂本が息を吐くと、どっと冒険者達から歓声が沸き起こる。



「すげぇ! あんた何者だよ!」


「その歳で複合上位魔法を使いこなすたぁ……驚いたぜ!」


「すっげー! まじ……マジっげー!」


「うぉぉぉぉぉあぁぁぁぁぁ!!!」



 うるせぇ。特に後ろ二人、うるせぇ。



「あ……あはは……まあ普通の人ですよ。」


「あっはははは! 謙遜はいらねぇよ!

こりゃマジでお前さん勇者に……」


「黙れ! 気を緩めず陣形を維持しろ!」



 歓声溢れる中、ギザメルが一喝する。

 その顔は険しく、怒りを感じ取れる。



「まだここは安全圏じゃないんだぞ!

死にたいのか!」



 そうギザメルに怒鳴られると、騒ぐのをやめて皆急ぎ足で配置に戻ってゆく。


 

「すっげぇ怖い人だな。鬼教官って感じ」


「ああ……確かに、そんな感じするな。蛆虫どもとか言っちゃいそう。」



 配置では俺と坂本は近い位置になっていたため、坂本は割と頻繁に話しかけてくる。ちょっと学校の頃を思い出すな。



「ってか坂本お前いつの間にそんなに魔法使えるようになったわけ? 複合上位魔法とか前は使えてなかったと思うんだけど」


「あー……実は他のクラスメイト達も使えるようになってたぞ。それ使っても魔人達には勝てなかったけどな。」


「マジかよ……魔人ってそこまで強かったわけ?」



 ぶっちゃけさっきみたいな魔法使えたら何でも勝てるんじゃないか?



「強かった……んだろうな。実際何もできずにやられたわけだし。」


「何もできず……ってそんなことはないだろ?

30人近い勇者がいたんだから。」



 クラスメイト達(勇者)が全員揃えばそれこそ天災クラスの魔法が発生したはずだ。それで何もできなかったとは言えないだろう。



「魔力があるって言っても所詮素人だからな。ほとんどは魔法を発動する間も無くやられた。一撃でやられず魔法を発動できたのは俺とか瀬川くらいだ。」


「瀬川はともかくお前もか……」



 瀬川のせいで目立たないが坂本も優秀なのだ。ステータスを見た限りでも確か適性が4つあったはずだ。……一つ足りないだけで大きな差となるのがこの世界なのだが。



「ってか昨日ライアットさんが魔人3人倒してたぞ。案外なんとかなるんじゃね?」


「ライアット……って確かガイラスさんがかなり強いって言ってた人だな。そりゃ元勇者パーティのメンバーならやれるんじゃねぇ? 俺も今なら……」


「今なら?」


「……いや、何でもねぇ。忘れてくれ」


「……? おう。」




 それから何十日経っただろうか、特に何事もなくイエーロの街に着いた。魔人は結局何も話さずに自殺してしまったらしく、得られた情報は坂本からの魔王の城への侵入経路くらいだ。

 後方チームも、ギザメル以外は皆仲良くなり、チームワークもできる様になってきた。相変わらず坂本のワンマンチームになっているが、皆各々戦う道を定めている。俺も……戦う道がうっすらとだが見えてきた。


坂本ってエリートだったらしいですね

ワーシラナカッタナー

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