68.予期せぬ再会
あびゃぁぁぁぁぉぉぉぉコメントもらったんずぅぅぅぅぅぅぅ
後ろの皆が追いつくと、皆で木の枝を集めることになった。いつも通りやかましいタドムヤドムと離れて枯れ木を集めていた俺は、ふと今まで会ってきた皆のことを考える。リリア達は真宵の森から逃げ切れただろうか、おっさんは探し人を見つけられただろうか、クラスメイト達は、坂本は……ゆきは、無事だろうか。
「……結局ここに考えついちまうなぁ」
集めてきたた木の枝を少しずつ火にくべてゆく。薪を与えられた火はパチパチと乾いた音を立てながら天へと立ち上る。
そういえばゆきのことを好きになったのはいつからだっただろう。夜の闇の中、煌々と燃える炎を見ているとふと昔を振り返りたくなってしまう。
ゆきに惚れたのは忘れもしない小学生の頃だった。その頃は妹が事故で亡くなって、両親も後を追うように亡くなった。
幸せな家庭が一気に壊れ、引き取ってくれる親戚もいなかった俺はクラスメイトのゆきのいた孤児院に引き取られることになった。そんな境遇からか友達もいなくて、毎日ふさぎこんでいた俺の隣にはいつもゆきがいてくれた。夜中に悪夢で目が覚めた時も、家族を思い出して泣いていた時も、ずっと隣にいてくれた。
俺の気持ちを察して、自分も泣きそうになっていたっけな。人が悲しんでいたら自分のことのように悲しんで、人が喜んでいたら自分のことのように喜んでくれる。そんな純粋なゆきだから、俺は好きになったんだ。
ゆきに会ってから少しずつだけど、俺は元気を取り戻していった。疎遠になっていた坂本も、俺の境遇を理解してまた友達になってくれた。人の一生で、この二人ほどの友人に会うことができる人が何人いるだろうか。本気でそう思う。
……恥ずかしいから本人達の前では絶対に言わないけど。
「ゆきに……会いたいな」
そう呟くと急に近くの草陰からゴソゴソと音がした。近くにいた冒険者もそれに気がついたようで静かにアイコンタクトを取り、魔法で迎撃する準備に取り掛かる。
「……あれ? 翔太じゃん。」
しかし草陰から現れたのは見慣れた人物だった。異世界に来るまで毎日のように会っていた親友……坂本弘樹だ。
「坂本!? お前なんでここに……」
「お前こそ……なんでここに?」
「何だショウタ君、知り合いかい?」
「あ、はい。知り合いってか……まあそんな感じです。」
一緒にいた冒険者の人が不思議そうな顔をして問いかける。確かに知り合いといえば知り合いなんだが…………
親友と言いそうになったが恥ずかしいのでやめた。
「俺はお前達を助けに……ってかお前魔王に捕まったはずじゃ!?」
「あー……逃げてきた。」
坂本は少し気まずそうに頬をかく。
「逃げ……ってゆきは!? ゆき達はどうなったんだ!?」
「ああ……やっぱり気になるよな。悪い、逃げられたのは俺だけだ。でもゆきちゃんはまだ生きてる……はずだ」
鬼気迫る表情で問い詰める翔太から少し距離をとって坂本が答える。その表情には僅かな罪悪感が浮かんでいる。
「ってことはあいつは……」
「魔王城だ。捕えられた勇者達は全員魔王城に監禁されている。ゆきちゃんも例外じゃない。」
「よかっ……た……」
急に膝の力が抜けてその場に崩れ落ちる。本当の意味でゆきの無事が確認されて、坂本も生きていた。あとは本当に魔王城に乗り込むだけだ。
「……しばらく見ない間に随分と顔つきが変わったな、翔太。」
ふと、俺の顔を見て坂本が嬉しそうに呟いた。
「……そうか?」
「わかりやすい顔しやがって……ゆきちゃん助けに行くんだろ?」
「……そんなにわかりやすい?」
「ラビッツに負けていじけてた時よりはな」
「うっ……あれはもう忘れてくれると助かる。
もう二度とあんなことはしないからさ。」
「……そうか。あーあ、しゃーねぇなぁ。俺も手伝ってやるよ。大切な翔太のためだからな」
坂本が座り込んでいる俺に手を差し出す。その目はまるで悪戯をする時のように輝いていた。
「お前ならそう言ってくれるって信じてたよ。
坂本」
俺はその手を取って立ち上がった。
というわけで坂本君との再会です。




