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53.地魔法

「で、立ち上がったはいいけどまた座るっていうな」


「しゃーないでござる。

さすがに作戦会議とMPの回復は必要でござるよ」



 俺たちはかっこつけて二人で立ち上がったはいいものの結局また木の幹を背に座っている。



「そういやあいつに土の棘刺さったんだけどなんで?」


「ああ、あれはゴブリンキングの膨大な魔力の裏付けでござるよ」


「……? どういうことだ?」


「ええとつまりでござるな……

さっきゴブリンキングが使っていた地魔法は地面を魔力にてせり上げる魔法なのでござるが」


「ふんふん」


「その際に競りあげられたその土の棘には魔力が残留するのでござる。

普通は2〜3秒で残留魔力は霧散するのでござるがゴブリンキングの込めた魔力の濃度が高すぎる故1分ほど魔力を保ち続け擬似的な魔剣を作り出したのだと思うでござるよ」


「なるほどな……

ってかおまえもうそこまで無理してござるつけなくてもよくね?」


「う……うるさいでござるよ!

だからその土の棘はもうただの土の棘になっていてゴブリンキングには効かないはずでござる」


「フォウルとかサリアとかが大量に魔力を込めてその擬似的な魔剣を作り出すことはできないのか?」


「無理でござる。

それほどゴブリンキングの魔力は膨大なのでござるよ。サリア殿のはわからないでござるが拙者の魔力では全魔力を込めても30秒くらいが限界でござるよ。ファイヤーウォールもその程度でござる」


「なるほど……じゃあ俺の斬撃に合わせて剣に炎を纏わせるってのはできないのか?」


「できなくはないでござるが……

よくそんなこと考えるでござるな。

普通そんなことやらないでござるよ」


「は? なんで?」


「コントロールが難しい上に消費魔力が激しいのでござる。例えば普通にフレイムランスを作った時に消費するMPを5とすると剣に炎を纏わせるのは1秒で10ほどのMPを要するのでござる。それに魔法を小さく抑えて発動するなんて普通しない故炎が剣に収まらずショウタ殿まで焼いてしまう可能性もあるでござるが……」


「やべーじゃねぇか! それじゃあ俺がゴブリンキングの攻撃を全て防いでその隙をフォウルが魔法で打ち崩すしかないか……」


「まあショウタ殿が自爆覚悟で特攻するつもりなら試してもいいでござるが」



 フォウルが冗談めかして茶化す。



「できればやりたくねぇなぁ……まあもしチャンスがあったらフォウルの判断でやってくれ。なるべく失敗しないよう頼むわ。」


「わかったでござる。」


「でもやっぱり基本はゴブリンキングの攻撃を防御する方向で頼む」


「そうすると問題が……」


「ああ、取り巻きのゴブリン達だな。ゴブリンキング一体の攻撃を防ぐのも厳しいってのに取り巻きのゴブリン達の攻撃まではどう考えても無理だ」



 ゴブリン達の数は軽く見積もっても300は超えていた。あいつらに囲まれたら物量で押し切られる。



「だとしたら……ゴブリンキング一匹のみにしなければならないでござるな。しかし拙者もあれほどのゴブリンは……ファイヤーウォールを使っても保つのは30秒程でしかも魔力がすぐ尽きるでござる。」


「だよなぁ……だとしたらもう方法は……」


「ショウタ殿!」



 急にフォウルが座った状態から右手を軸に蹴りを放った。回転による力と体重のかかったその蹴りは易々と俺の体を吹き飛ばす。痛みは少ないが。



「なっ……なにしやが……」



 言い終わるよりも前に上空から衝撃が走る。地面に穴を開け、亀裂を走らせるその一撃は人間の体などは易々と砕くであろうことを直感で理解させる。

 さらに砕かれた地面が石飛礫となり、周囲に舞い上がる。石飛礫は宙空に浮き上がると、降り注ぐ瞬間、不自然なまでに加速し、赤く輝く流星となり俺たちに襲いかかる。

 フォウルに蹴り飛ばされた俺は流星の範囲からは外れており、ギリギリ当たることはなかった。



「危ねぇ……悪いフォウル! 無事か!?」


「無事でござる! それよりも気をつけるでござるよショウタ殿! あいつはそっちに……」



 降り注いだ流星群が周囲の地面を破壊し、土煙が舞い上がる。1メートル先も見えないほどの濃厚な土煙は、一瞬俺の反応を鈍らせた。



「GYAAAAAAAAAAAA!!」



 土煙が晴れると同時に正面からハンマーを持ったゴブリンキングが視界に飛び込んでくる。1秒先、ハンマーにより己の全身が破壊され弾け飛ぶ未来を幻視する


 そしてその未来は現実のものとなった。迫り来るハンマーを冷静に眺めるが体は反応しない。一瞬とも、永遠とも思えるほどの時間が流れ、やがてハンマーが命中する。不思議と痛みは感じなかった。全身の骨が砕け散るのを痛みもなく感じ取り、自分とも自分でもないとも思える肉塊(からだ)が空を舞う。ああ……これだ。前に一度経験した感覚。自分が自分でなくなり自分が失われる感覚。


 大宮翔太は、また死んだ。

ゴブリンロードさん達はまだ追いついてきていません。

厄介な魔物なんて言われてますが単体での能力はそこまでということですね。ゴブリンキング以外は。

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