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48.魔法って便利!

 おかしい……なんでだ?

 なんでただ肉焼いただけなのにこんなに焦げた?

 まあいいや。多分食えるわ。

 ウェルダン? とかそんなんだ。

 生焼けよかマシだ。


 そう考え俺はみんなを呼び戻す。

 あ、ちなみにフライパンは肉を焼き終えてからすぐに地面に投げつけた。 

 熱っついんだよあれ。



「おーできたでござるか!

拙者もうお腹ペコペコでござるよ!」


「楽しみだよ。なんだかんだ言って旅の途中で保存食以外が食べられるなんて滅多にないからね」


「そうなんですか?

楽しみです!」


「あの……僕も食べていいんですか?」


「いいよいいよ! さあ! 刮目せよ!

ステーキじゃぁ!」



 そう言って4人の目の前にステーキ……もとい焼けた肉を差し出すとさっきまでの楽しそうだった雰囲気がガラリと一変した。ま……まあ見た目は多少ね?



「……なんだいこれ?

嫌がらせかい?」


「まさかこれじゃないですよね?

違いますよね?」


「酷い言われようだがこれだ

食べてみるといい。多分美味しい」


「……まずフォウル君がどうだい?

君さっきお腹すいたって言ってたよね?」


「うぇっ!? い……いやいや、レディファーストでござるよ。リリア殿が先に食べるといいでござる」


「こ……ここは年長者であるフォウルさんが最初がいいんじゃないですかね!」



 うんうん、仲良きことは美しきかな。

 なんていい奴らなんだ。みんな譲り合いの精神を持ってる。



「そ……そうだ! やっぱり子供であるグレン殿が一番最初がいいのではござらんか!?」


「ぼ……僕ですか!?」


「ちょっとフォウル君それは……」


「わかりました……いただきます!」



 そう言いグレンがフォークで刺した肉を口元へ寄せていく。フォークがグレンの口に近づいていくごとにサリアとリリアが強くフォウルを睨みつけていく。なんとなく俺も睨んでおく。



「わ、わかったでござるよ!

拙者が! 拙者が食べるでござるよ!」



 空気に負けたフォウルがグレンのフォークを奪い肉を口に入れ、咀嚼する。一噛み、ニ噛みと噛むごとにフォウルの顔が真顔になってゆく。……そんなに?



「ショウタ殿、ニ度と料理をしないでほしいでござる。」



 そんなに?



「うわー確かにこれは酷いね

外はコゲコゲ、中生焼け。おまけに塩かけすぎ。」


「ま……まじで?」


「まじで。とりあえずこの肉は全部翔太が食べるといい。僕が新しく作り直すから」


「ま……まじで?」


「まじで」



 俺に焼けた肉……もとい生ゴミを押し付けてサリアがフライパンを拾う。

 え? これ1人で? え?



「うっわ……熱っつ……

これ最高火力のままで加熱したのか……しかもこれ油ひいてないの? フライパンズタズタになってるじゃないか……《ウォーターボール》」



 サリアが水を作り出し折った木の枝でフライパンをゴシゴシと洗いこびりついた焦げを落としている。

 ……魔法ってそう言う風に使うもんなの?



「よし、こんなもんかな。

次に……《ウィンドカッター》」



 水が消えたかと思うと肉の塊から1cmほどの厚さの肉が4切れ切り落とされる。……絶対こう言う風に使うもんじゃないと思うんだけど。



「……肉に切れ目を入れて、塩をまぶして……よし! 《フレイム》」



 サリアが火に向かい手をかざしたかと思うと焔々と燃え盛っていた炎が小さく収束し、ちょうど日本のガスコンロほどの大きさまで収まっ……



「ってそんなんできんの!?」


「うぇっ!? な……なんだい急に……」



 熱したフライパンに肉の脂の部分を溶かさんと投入する瞬間にに話しかけた為か、サリアはひどく驚いた風に反応する。



「それだよそれ! ガスコンロみたいに火を小さくしたりするやつ!」


「え……ああ、火属性の基礎魔法だよ。

すでにある火の強さを制御する魔法さ、火属性に適性があれば誰でも使えるよ」


「ほぁぁ……すげぇ……」


「というかサリアさん水と風の魔法も使ってましたよね……一体いくつ適性があるんですか?」


「よく聞いてくれたね!

僕は基礎属性の火、水、風、地の4つに適性のあるスーパーエリートなのさ!」


「そ……そんなに適性があったのならなんで剣闘士なんかに……王城の近衛兵にでもなれたんじゃないんですか?」


「……実を言うとなったことがあるんだよ。王国近衛兵。すぐ辞めたけどね」


「なんで辞めたんだ?」



 するとサリアは焼いていた肉をひっくり返し、



「めんどくさかったんだよ。

訓練でいい成績を出せば『女の癖に』

手を抜いて悪い成績を出せば『なんであんな女が近衛兵に』ってね。もともと僕はそこまで情熱がある人じゃないから辞めるのに何の抵抗もなかった。親にはすごく怒られて勘当までされたけどね。それから今までなんとなくで生きてきたって感じかな。ほら、焼けたよ」



 そう言いサリアが程よく焼き色のついた肉汁滴る肉を俺以外のフォウル達に差し出す。

 ……本当に俺の分ないのね。



「さあ、冷めないうちに食べてよ。

さっきのよりかは美味しいはずだから」


「おおお!! これは美味しそうでござるよ!」


「うわぁ……美味しそう……」



 フォウル達は笑顔で肉を頬張っている。食べ方一つでも大きく違いが現れるもんだな。フォウルとグレンは木製のフォークだけを使ってかぶりつくように食べ、サリアはナイフとフォークを使って食べている……が、なんと言うか普通だ。特におかしくもないが綺麗でもない。

 だがリリアは違った。サリアと同じようにナイフとフォークしか使っていないはずなのにどこか品のあるような……美しい所作で肉を口に運んで行く。



「ショウタ殿も早く食べてしまったほうがいいでござるよ。冷めたら美味しくないでござるからな」


「うるせぇ、温かくても冷たくても変わらずまずいわボケェ」


「自業自得だよ。

今度からはせめて肉の焼き方くらいは覚えるんだね。」



 くっ……何も言い返せない……

 悲しさと共に俺は焦げ肉を飲み込む。なんか……しょっぱい……



 それから1時間ほどかけて食事を終えた俺は現在絶賛体調不良だ。吐きそう。あからさまにしんどそうな俺を見てサリアが声をかけてくる。



「しんどいならテントで休んでたらどうだい? 起きたら見張りをしてもらうことになるけど」


「そうする……」



 テントの中で横になって休んでいると一日歩き続けた疲れもあってか眠気が俺を襲い……




 


実際あんな魔法があればどんなに便利か……

サリアが使ってたやつだけでもいいんで使えるようになりたいもんです

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