44.貴様! ロリコンかっ!
まだだ……
まだ終わらんよ!
あれから1日ほどで体の怪我が治った。いや、語弊があるな。体の怪我ではなく火傷による傷のみが治ったのだ
ポーションなんかは効かなかったけども火傷などといったものは回復魔法で治ったのだ。どういう違いがあるのかはわからないが状態異常は治るようだ。そのため今残っている怪我は魔人の男に蹴られた時の傷とザハードに蹴られた傷…………蹴られてばっか……
今俺たちはこの街で必要な品を買い揃えている。というのもあの決闘が大ウケしたおかげでお金が入ったのがのが理由だ。無名の、決して強くない冒険者がCランク冒険者に勝つ。観客にとってはそれが刺激的だったらしくおひねりをたくさんもらった。その上ファイトマネーももらい、一気に所持金が金貨50枚にまで増えた。小金持ち気分だ。
そして得た金で買い物をすることになったのだが、サリアの提案で男女別で行うこととなった。男どもがいるとリリアが買えないものがあるだろうとのことだ。サリアさんマジ姉御
そのサリアなのだがどうも本気で俺たちについてくるつもりのようだ。
まあ別についてきて困るものでもないけど。俺たちの目的が魔王を倒すことだと話しても別にそれでもいいとまったく動じず同行するとの一点張りだった。俺は基本やる気さえあれば別に来るもの拒まずな姿勢なのだが……
「さすがにあれはなぁ……」
「ん? どうしたでござるかショウタ殿?」
手裏剣を両手に持ち、キラキラした目で見ていたフォウルが俺の言葉に反応しこちらを向く。買うつもりか。おまえそれ買うつもりか。
「いや……さすがにあの子は同行させるには幼すぎるよなって話だよ」
「ああ……確かに。
さすがにあの子ではまだ戦えないと思うでござるよ」
「でもこんなに熱心にストーキングされたらなぁ……」
「そうでござるなぁ……」
さっきの少年は今日1日ずっと俺の後をつけている。バレてないと思っているのだろうが結構わかりやすい。
だって俺達と歩幅違うから結構足音するし後ろ振り返ったら体隠しきれてないしさらには何もないところで一回こけていた。漫画かとツッコミたくなるくらいだ。連れて行けないよなぁ……
「ショウタ殿! これなんてどうでござるか!?」
「あーそうだね」
……フォウルが手裏剣を10枚ほど紐でつないだものを見せて来る。……気楽そうでいいね君は。
せっかくだから値札をよく見てみるといい。金貨5枚だ。超お買い得だな。
とりあえず俺は食料品と地図、そして剣を購入した。
そう……剣! ついに剣を買ったのだ。木剣ではないちゃんと刃の付いた鉄製の剣だ。鍛造ではなく鋳造の量産された剣らしいが、それでも金貨2枚取られた。ちなみに鍛造だと金貨20枚ほど持って行かれるらしい。
ぼったくりやん。
色々購入したが、次の町までは結構な距離がある。だから道中の食料品だけで物理的にも金銭的にもキャパシティオーバーである。手裏剣なんてもってのほかだ。
次に行く町は途中を深い森で阻まれている。大回りで迂回すれば避けられるらしいが、できるだけ早く行きたいという俺とサリアの意見により森を突っ切ることとした。……意見が合うね。これが精神年齢だってか? やかましわ。
今回は結構な長距離移動となるため、森までは馬車を借りることとなった。王都の時は金がなくて無理だったが、今はそこそこあるためなんとかなるのだ。金の力はすげぇなぁ……
必要なものを揃えるとリリア達と合流する。ちなみにフォウルだが手裏剣を一枚だけ買っていた。エセ忍者め……
「必要なものは買えたかい?」
「食料と地図は買った。
あとフォウルがオモチャを買ってたな」
「オモチャじゃないでござるよ!
っていうか無駄遣いという点ではショウタ殿も同じではござらんか!」
「俺? 俺は無駄遣いなんかしてねぇよ」
「ショウタ殿の買った食料でござるよ! なんでござるかこれ! 肉に塩に包丁にフライパンって…… 保存がきかんでござろう!?」
「バカヤロウ! 干し肉とかパンとか不味いんだよ!! ちゃんとした肉が食いたいんだよ!」
そう、保存食はおいしくないのだ。
この世界の保存食は黒パンと干し肉、あと干し野菜にドライフルーツといったところだ。この辺をそのままかじったり水でふやかして食べたりするのだが、あんまり美味しくない。ドライフルーツは不味くはないが、腹は膨れない上に少し高いためあまり使われない。
一応保存食も買ってはあるが最初の方は肉を食いたい。
「まあまあ、落ち着きなよ。
そもそも翔太さんが稼いでくれたお金じゃないか」
「うっ……たしかにそうでござるが……」
「いいこと言った! サリアいいこと言った! っていうか翔太『さん』って……」
「…………嫌だったかい?」
「いや……そうじゃないんだけど……
翔太でいいよ」
サリアみたいなやつにさん付けで呼ばれると違和感あるしな。
「……わかったよ、翔太。」
どことなく不満そうな顔だがサリアは納得してくれる。…………そんなに名前呼びが嫌なのか……
「それで? 彼はどうするんだい?」
サリアが振り向かずに後ろを指す
その指差す方向にはバレッバレの尾行を行なっている少年の姿があった。
「このままだと多分外までついてきちゃうんじゃないかな?」
「それだよなぁ……もうほんっと頭痛い。」
「私は連れて行ってもいいと思いますけどね。」
「は?」
リリアが何をトチ狂ったのかあの子を連れて行くことを肯定する。
「だって本人が決めたことじゃないですか。」
「いやでも……あんなに幼い子だとね、さすがにね」
「幼いっていう点では私だって似たようなものじゃないですか。私は今年で13歳です。それに今まで外に出たこともロクになかった。そんな私でもショウタさんは迎え入れてくれたじゃないですか」
…………一理ある……のかなぁ?
確かにリリアはまだ幼い。
あの時はすぐにでも仲間が欲しかったから仲間になったけど今なら放置するくらいには幼い。決して俺がロリコンだからという理由で仲間になったのではない。断じて違う。ゆきコンだ。狐のユキを想像した。かわいい。
「僕は反対だよ。
さすがに子供すぎるからね」
それに反論をしたのはサリアだ。
譲る気のないような口調で、言葉を続ける。
「子供っていうのはまだ人生経験が少ないから正常な判断ができないんだ。
それを時に叱って、時に厳しく言い含めるのは大人の使命なんじゃないかな?」
「それは……そうかもしれませんけど……」
リリアが口ごもる。
二人の言っていることは正論だ。
どちらの意見も正しいと言える。
だから……だがら……
弟子にするのがめんどくさいだけなんて言えない。
というわけでまだ連日投稿終わらなそうです。




