42.その後
…………気がつくと俺はベットの上に寝ていた。最近これ多いなぁ……
なんで寝てんだろ……えっと確か……魔法による爆発を食らってザハードに特攻してーー
そこでハッと意識が覚醒する。
ザハードに特攻してからの記憶がない。
そうか、俺は負けたのか。
木槌で叩き潰されたのか体術で叩きのめされたのか……
どちらにしてもこんなところで寝ているということは負けたんだろう。
悔しさよりも先に情けなさが湧き上がってくる。あんなに応援されて、あんなに意気込んでおいて負けた。
……リリアとフォウルに合わせる顔がない…………ゆきに会いたい。
ゆきに……慰めてもらいたい。
包帯だらけの上半身を起こす。
うわ……めっちゃヒリヒリする。
なんかガーゼみたいなのが擦れて逆に痛いんだけど。あ、でも手の豆の痛みと似てるかも。ならいける。
上半身を起こすとベットに寄りかかるようにうつ伏せになって寝ている人物がいることに気がつく。リリアとフォウルだ。
二人で並んですやすやと穏やかな寝息を立て寝ている。いやリリアはわからんでもないけどなんでフォウル?
目の前の自体に混乱しているとギィ……という鈍い音と共に病室の扉が開かれる。扉を開けた人物……サリアは笑顔でこちらに歩み寄ってくる。
「やあやあ、お疲れ様。
いい試合だったよ」
「嫌味言いに来たのかよ。
ボコボコに負けた俺への当てつけか。」
「ん? 何言ってるんだい?
勝負は君の勝ちじゃないか。まさかあんな手段で勝つなんてね」
what?
は? 何? 勝った? 俺が?
「その顔……どうやら本気で言ってるみたいだね。記憶が飛んじゃってるのかい?」
「ああ……確かザハードの四方面方位魔法に突っ込んだところまでは覚えてるんだけど…………」
そこから先は全く覚えていない。完全に無意識だった。
「そこから君はザハードに突進したんだよ。加速された君の体が矢の如くザハードに突き刺さってザハードのHPを半分削ることに成功した。」
「ああ……あれで勝てたのか…………」
マグレにマグレを重ねた勝利って感じだな。
「それよりも、いい仲間を持ったね。
いや、『戦力』だったかな?」
くっそ……ニヤニヤしやがって……
「……ここまでされてそれで通せるわけないだろ。あいつらは『戦力』じゃない。『仲間』だよ」
「うんうん、素直になるのはいいことだね。そこで寝たふりしてる二人もそう思うでしょ?」
「は?」
サリアがそこの二人というと同時にリリアとフォウルがビクッと体を跳ねさせる。ちょっと待って……心臓がバクバクいってる…………
「は、はははは。て、照れくさいでござるな。」
リリアとフォウルが頬をかきながら起き上がる。
「ど……どこから聞いてた?」
「あいつらは『戦力』じゃない。『仲間』だ!
からです」
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
やばい! 聞かれてた!
俺は咄嗟に頭から布団を被って顔が赤くなっているのを隠す。
恥ずかしい! めっちゃ恥ずかしい! 何が仲間だ! だよ!
あぁぁぁバカヤロウさっきの俺ぇぇぇぇ!!
「はははは、いやいや。素敵な言葉じゃないか。なんだっけ、あいつらは『戦力』じゃ……「やめろぉ!」」
「お前らほんっと……性格悪い……
寝たふりとか……ほんっと…………ずりぃよ……」
「まあおかげでショウタさんの本音が聞けましたし? こちらとしては結果オーライですよ」
「こっちが良くないって言ってんの!
バーカ! もうほんとバーカ!」
も う や だ 消 え た い
「でも……嬉しかったでござるよ。
拙者達をちゃんと仲間と認めてくれて……正直戦力って言われた時はドン引きしたでござるが」
「そりゃ……うん。
悪かった。ごめん」
確かに信用してなかったけど……
今は結構信用してる。
こんなこと絶対言えないけど。
ってか言わない
「そういえばさ、君が決闘に買ったわけなんだから勝利報酬、もらってくれるよね?」
「え……勝利報酬とかあったのか?」
「うんうん、あったのだよ」
「まあ……貰えるってんならもらうけど」
俺がそう言った途端、リリアとフォウルの目が驚愕の色に染まった。
まるで「何言ってんだこいつ」とでもいいたげな目だ。あ……もしかしてこれやらかしちゃった?
「嘘! やっぱなし!
いらない! 何くれるつもりか知らないけど俺いらない!」
「そんなに拒否されると傷つくなぁ。
報酬はね、僕だよ」
「…………は?」
「だから、決闘に賭けられたのは僕なんだ。負けた方が僕を好きにしていいってことでね。ザハードが提案してきたんだ」
……………………
「はぁぁぁぁぁ!!!???」




