31.手は出さないよ?本当だよ?
いや別に俺がリリアに手を出すっていうわけじゃなくてもちろん俺にはゆきがいるからそんなつもりは毛頭ないけど万が一、いや億が一にでもその間違いが起きたら大変っていうかどうしたらいいでしょうか神様!
「あの……どうしました?」
「いやいやいやいや何も考えてないよ!
やましいことなんてこれっぽっちも!」
「え……いやその……」
しまったドン引きされてる!
「あ、いやいや違くて
俺にはゆきがいるから!
本当、そんなつもりないから!」
「あっはい、そうですか。」
ああこれ完全に距離取られましたわ。
まあここまで完全に男女意識されないくらい心の距離あったら大丈夫っしょ。
泣いたら負けだ。
「えーっと、魔王の城だっけ
ちょうど俺も行く予定だったんだ
仲間として道中一緒に戦ってくれるなら、こちらこそお願いします」
うわ、開き直ったら普通に話せるわ。
何この敗北感。
「あ……ありがとうございます!
私頑張ります!」
「うん、頑張ってね
俺も魔法使えないしMPもないけど頑張るよ。これからよろしくね」
「はい………えっ、は?」
ホッとした表情から一転、その顔が困惑したような顔へと変化する。
「それじゃあ色々買いに行こうか
食べ物とかも必要だからね」
「え…ちょっと……あの魔法使えないって……」
「何が必要かな〜テントに保存食、あとナイフとか水があればいいかな」
「聞いてます?魔法使えなかったら戦うの私一人じゃ……」
「それじゃあレッツゴー!」
「話聞いてぇぇぇ!!!」
必要な道具を揃え、リリアと共に町を出る。
話しててわかったけどリリアは別におとなしいんじゃなくてただのコミュ障だ。現に今俺めっちゃ叩かれてるし。打ち解けんの早すぎやしませんかね。
「魔法使えないなんてー騙して仲間にするとかひどいですよ。っていうかそれでよく魔王の城に行こうなんて思いましたね。」
「はっはっはっ、まあ俺にもやらなきゃなんないことはあるわけよ。
魔法に関しては聞かれなかったから答えなかっただけだろ」
「これじゃむしろ私が魔王の城に連れて行ってるようなものじゃないですか……」
「そう言うなよ。俺のおかげでいろんなもの売ってもらえたろ?」
「……それはそうなんですが」
ギルドでもらった冒険者カードを見せただけだけどね。それを見せたらさっきまで物を売ってくれなかった店員さんもため息をつきながらではあるがいろいろ売ってくれた。
「俺のことよりさー
リリアはどーなんだよ。リリアはなんかすごい魔法使えるわけ?」
「……えへへ」
「目を逸らすな
さてはお前……」
「違っ! 使えるは使えるもん!
一緒にしないで!」
「適正魔法は?」
「……なし」
「同じじゃねぇかっ!」
どうしよう。俺の予想よりポンコツなパートナーができてしまった……
神様「知らんがな」




