30.いかんでしょ
セーフ!セーフ!
ギルドを出て北の町を目指す。
その前に準備を済ませなければ。
ギルドの隣には冒険者ご用達という道具屋があった。そこで最低限の荷物を購入して行くことにする。
現在の手持ち金額は銀貨七枚と銅貨八十枚。やっぱ酒代が痛いなぁ……
「あ……あの…お願いします!」
店に入ると店員と思われる人と少女が何かを話していた。店員に向かって少女が頭を下げている。状況的に何かを頼んでいるんだろうけど店員は困った顔で頭を掻いている。
「あー……嬢ちゃんは冒険者をやるつもりかい?
やめといた方がいい。冒険者は危険な仕事だ。ここ数年新人の冒険者の4割は死亡している。とてもじゃないけど嬢ちゃんみたいな小娘に出来るような仕事じゃないよ。悪いことは言わない、家に帰りな。」
そう言い店員は女の子を店から追い出す。
……知りたくなかった情報を……
ってかあの子もしかしてポーションくれた子じゃないか?
あの時着てたドレス着てないから雰囲気はだいぶ変わってるけど多分そうだよな。
まさかこんなところで会えるとは……
お礼を言おうと追い出されてトボトボと歩いていく女の子を追いかける。
「どうしたら……」
「君この間ポーションくれた子だよね? あの時はどうもありがとう。」
「ひゃっ!? だ…誰?」
後ろから肩を叩いて声をかけると分かりやすいくらいに驚いて、少し体が跳ね上がる。そして俺の顔を見て不審げに問いかけてくる。
「覚えてないかな? この間城の裏手で倒れてたんだ者なんだけど。」
「あ……あの時の……」
そこまでいうと思い出したようでハッとしたような顔になる。……自分で言うのもなんだけど結構印象的な遭遇したと思うんだけどな。
「それでさ、今何か困ってるみたいじゃないか、俺でよければ何か手伝おうか?」
「え……?」
「君のおかげであの後の大切な用事に遅れずに行くことができた。だから恩返しがしたいんだ。」
「あの……でしたら……」
そういうとその女の子は何かを言いたそうにモジモジとしだす。
「なんだい、何でも言ってみな?」
「私を魔王の城まで連れて行ってください!」
「え……?」
目の前の少女は必死に頭を下げて頼んでくる。……え? 魔王? 魔王って言ったこの子?
「馬鹿なことを言ってるのはわかってます。でもどうしても行かなければならないんです。お願いします!」
頭を下げながらではあるがその口調は真剣そのものであり、冗談やからかいといった類のものではないことを感じさせる。
「えーっと、君は」
「リリアです」
「リリアは何で魔王のところへ行きたいんだ?」
「それは……言えません
言えないですがどうかお願いします」
どうするべきか……
正直に言うとこれほどありがたい話はない。女の子とは言えこの世界の人間。何かしらの魔法は使えるだろうしMPもあるだろう。道中一緒にいてくれるなら心強い。
でも…でも………
ゆき以外の女の子と二人旅とかダメでしょ
学校始まりました
マジダルビッシュ




