21.宣戦布告
このくらいの文字数が一番楽ですね
「大宮翔太、神城さんを賭けて僕と決闘しろ。君に彼女はふさわしくない」
夜、俺がいつものように中庭で剣を振っていると、取り巻きを引き連れた瀬川が頭のおかしなことを言ってくる。
……いや、本気で何を言ってるんだこいつ。
「いや……そんなの受けねぇよ
第一魔法の使えない俺じゃ勝負にならないだろ」
「だったら僕は魔法を使わない。
剣だけの勝負でどうだい?」
「いやだとしても俺に受ける理由は……」
「何よ! 瀬川君がここまで妥協してるのに受けないっての? とんだ臆病者ね!」
取り巻きの女が声を荒げ罵倒する。
俺の記憶が正しければあの子……香川さんはクラスで目立たないおとなしい感じの女の子だった。休み時間はいつも派手系の女子に自分の席を取られて教室から出て行くような……そんな感じだったのを覚えてる。
そんな香川さんが今やその派手系女子を押しのけて瀬川の隣に位置している……魔法ってのは女子のスクールカーストもひっくり返すのか……魔法恐ろしいな。
「残念だけど君は受けるしかないんだよ
この条件で国王様から許可をもらっている。
だからこの決闘を受けないってのは王命に背く……つまりこの国から出て行くってことになるんだよ?」
そう言い瀬川は羊皮紙のような紙を取り出す。そこには確かに決闘を容認するような内容に国王名義の判が押されてあった。
この野郎……国を味方につけやがった
確かに国も一番強い勇者と穀潰しを天秤にかけたら勇者の味方するわな。
巻き込まれた穀潰しはたまったもんじゃないけど。
「決闘は明日の朝……、場所はここ、中庭で行う
逃げたら負けとみなされるからね?
さすがにそんな腰抜けじゃないと信じているけど」
バカにするような言葉で嘲笑う
それに合わせて取り巻きたちからも呼応するように笑いが巻き起こる。
最悪だ……なんでこんなわけのわかんないことに巻き込まれるんだよ。
言いたいことを言い終わると瀬川と取り巻き達は中庭を去って行く。ゆきが俺の元へ駆け寄ろうとしているが、瀬川の取り巻きに止められている。もう二度とゆきと会わせる気はないってか、ふざけやがって。
怒りがふつふつとこみ上げる。
俺を殴るだけならまだ耐えられた。
めちゃくちゃ痛いがそれだけだからだ
おっさんか、それこそゆきに頼めば傷はなくなる。
だがゆきと引き離されるのは耐えられない。もはやゆきは俺の一部なのだ。
ゆきがいなくなれば俺がこの世界に生きる理由も失ってしまう。
「おい翔太……悪い事は言わねぇ、勝負は受けるな。
お前は知らねぇかもしれねぇけど瀬川は……」
落ち込む俺に坂本が声をかける。心からの善意なのだろう、そこに関しては疑う余地はない。だが……
「……だから、ゆきを諦めろってか?」
「そうじゃない! 俺だってお前とゆきちゃんに別れて欲しくはない。王様に直談判するとか、ゆきちゃんと表面上だけでも別れるとか……」
「悪いけど、それはできないんだ。」
「なんでだよ!」
「俺にだって意地がある。あそこまで言われて、ゆきを力ずくに近い形で奪われて……引き下がれるかよ!」
こうなったら明日の決闘……必ず勝ってやる!
人対人の戦闘描写をうまくできるか心配です




