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19.ヒロイン補正

新キャラ出ましたね

ですがハーレムにはしません

もう一度いいます

ハーレムにはしません(断言)

「いや……大丈夫……ない……」



 そう言うと女の子は俺に背を向けて走り去って言ってしまった。



「ま、まっ……」



 うまく言葉を発することができず、言葉が途切れ口から血の塊を吐き出す。怯えさせてしまったのだろうか……ってか助けてほしい


 そう思っているとさっきの女の子がまたこちらに向かってとてとてと走ってくる。



「こ……これを……」



 少女は俺の目の前にしゃがみ込むと、地面にワイングラスを置く。その中にはワインを思わせる赤色の液体が少量入っており、ぶどうの芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。


 いや、これどうしろと。飲めってか、この状態の怪我人見てワイン飲めってか。

 やばいよこの子……薬がなければワインを飲めば良いじゃないの子だよ……マリー○ントワネットだよ。


 俺が飲まないのを見て、俺が怪我のせいで飲まないと判断したのかワイングラスを俺の口につけ、中の液体を俺に飲ませようとグラスを傾ける。



「ちょ……ま……」

 まだ心の準備がっ!


 抵抗もできない俺の口に赤い液体が流れ込んでくる。強い酸味の中にほのかな甘みのある。ワインなんて飲んだことはないが、美味しいと思う。

 けど、そんなことよりもこれ口の中の傷にめっちゃ染みるんだけど! 痛い痛い! なにこれめっちゃ痛い! 口の中で暴れてる!


 俺が激痛に苦しんでいるのを見ながらも女の子は俺に飲ませるのをやめない。

 新たな液体が流しこまれては痛みに悶える。

 手足がまともに動かせないため抵抗することもできずなされるがままとなっている。

 やばいよこの子サドの風格漂ってるよ。


 もともと少量しか入っていなかったと言うのもあり、数秒ほどで俺はワイン? を飲み干した。感じた痛みは数秒程度ではなかったが。大丈夫だろうか……気づいたら体が縮んでいたりしないだろうか。


  そんなくだらない心配をしていると、俺の体の奥がじんわりと温かくなってくる。体が休まる……まるで何時間もしっかり睡眠をとったかのように体調がすごく良くなる。気がつくと痛みは引き、外傷もほとんど残っていなかった。

 え? なにこれ。異世界の薬か?

異世界ぱねぇ



「すっげぇ……全然痛くなくなった……

君がくれた薬のおかげだよ! ありがとう!」



 マリー○ントワネットとか言って悪かった!



「いえ……あの……その……」



 俺が話しかけると、女の子はどこか困ったように目を泳がせ、言葉を詰まらせる

 ああ……昔のゆきを思い出すな……

こういう子は自分のペースで話をさせてあげるのが一番いいんだ。下手にガンガン話しかけてペースを崩させるとテンパってしまってなにも言えなくなってしまう。



「ど……どういたし……まして……」



 俺は笑顔を崩さずに向こうの言葉をじっと待つ。すると消え入りそうな小さな声で少女は言葉を紡ぐ。


 にしても可愛いなこの子。

 腰まで伸びた綺麗な金色の髪に、金色の瞳。

スレンダーな体を純白のドレスが綺麗に包み隠している。

 まるで絵本とかに出てくるお姫様みたいだ。ゆきは女神だから次元が違うけど。ん……ゆき……?

 あっ! やばい!



「ごっ、ごめん、用事があるから行くよ、薬、ありがとう。この恩はいつか必ず!」


「えっ……あっ……」


「じゃあね! また会おう」



  俺は自分の部屋に向かって全力で走りながらステータスを確認する。すっげぇ、HP全快してる。骨折も治ってるっぽいし……うわっ! おっさんにボコボコにされたところも治ってる。あの子に感謝だな。いつか必ず恩返ししなくては……


  自分の部屋に駆け込む。どうやらゆきはまだ来ていないようだ。俺はホッとしてベットに座り込む。すると自分の服がボロボロになっていることに気づいた。そういえば地面に何回も叩きつけられただけあって服も汚れてるな……

 俺はクローゼットに入ってあったこの世界のものらしい服に着替えようと泥だらけの服を脱いだ。すると……



「えっ……あっ……」



 顔を真っ赤にしたゆきが、扉を開けて立っていた。

全然話が進みませんね…

「はよ魔王倒しに行けやゴルァ!」

というコメントが目に浮かびます(露骨なコメ稼ぎ)


あと作者はワイン飲んだことないので味は全く知りません!

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