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18.剥き出しの悪意

「やあ、大宮くん。ちょっといいかな?」



 坂本の部屋から自室へ帰る途中、爽やかイケメンと出会う。最悪だ……よりにもやって今一番会いたくないやつ……瀬川に会うとは……こいつは相変わらず爽やかな笑顔を浮かべているが、その本性は爽やかなんかじゃない。



「いや、俺今急いでるから、悪い」



 関わりたくないので適当にあしらってその場から去ろうとしたが、瀬川に肩を掴まれ止められてしまう。



「つれないなぁ、ちょっとだけだから。

ここじゃなんだから場所を変えて話そうか」



 そう言い瀬川は俺の肩を掴んだまま、引きずってどこかへ連れていこうとする。

 話通じないなぁ……自己中め。

 俺もかなり鍛えたのだが、レベルが違うのだろう。全く抵抗できない。肩抑えられただけで腕動かないもん。


 瀬川が俺を連れてきた場所は、城の裏側にある手入れもされていない空間……まぁつまり誰も通らないような場所だ。学校で言うところの校舎裏。



「ここでいいか、

大宮くん、早く神城さんと別れてくれないか?

君は彼女にはふさわしくない」



 何人もの女を惚れさせてきたような、屈託のない笑顔で瀬川は俺にそう言い放った。やっぱりか……俺は予想通りの言葉にため息を吐く。


 瀬川の本性を知ったのは遠征の後、

 おっさんに剣を教えてもらってからすぐの頃だ。俺が修行をしているのを、嘲笑い、俺にゆきと別れるよう強要してくるのだ。それも全く嫌味に思わせないように。取り巻きの女を連れて、さもゆきのために忠告しているように言ってくるのだからタチが悪い。


 それでも俺が別れないと言うと取り巻きがヒステリックに騒ぎ立て、それを瀬川が諌めるという『人徳者瀬川』の劇を演じてくるのだ。正直修行の邪魔でしかない。どっか他所でやっててくんねぇかな。


 しかし今回はいつもと違い一人でこの場にいる。

 つまりそういうことだろう。


 こいつ本気で俺を潰しに来やがった



「彼女はとても魅力的な女性だよ。

誰にでも分け隔てなく優しく、周囲の皆を笑顔にさせる……まるで女神のような存在だ。

彼女の優しさに甘えるような男は彼女にはふさわしくない。

彼女にふさわしいのは君じゃない! この僕だ!」



 思った通り直球ストレートだな……

 周りに誰もいないから猫をかぶる必要もないってか。ってことはもう俺はクラスメイトとは思われていないんだな。

 まあなんと思われようと構わないし返事も決まっているのだが



「前も言ったけど、俺はゆきと別れるつもりはない。諦めてくれ。」


「強情なやつだな、君みたいな弱いやつには神城さんは守れないだろ? 魔法も使えないような凡人にはっ!」


「守るさ、誰が何と思おうと関係ない。

ただ俺はこれから何があろうともゆきを守る。そう決めたんだ。」


「ふふっ、かっこいいなぁ、

でも……」


 瀬川が俺の頭を掴み、城壁に叩きつける。

 咄嗟のことに反応できず俺はされるがままとなり、顔面から城壁に叩きつけられる。その凄まじい威力に一瞬意識が飛びそうになるがギリギリで持ちこたえた。



「がっ……はっ……」



 額が割れ、大量の血が流れる。意識ははっきりしているが急激に頭に熱が入るのを感じる。



「そういう言葉は力のある人しか言っちゃだめなんだよ。ほら、君の涙ぐましい努力も身体強化の魔法をかけた僕には敵わない。

結局凡人は凡人なんだよ、わきまえなよ」


「そ……そんなの……関係ねぇよ……

俺が……」



 すると言い切る前に今度は地面に叩きつけられる。



「今日は訓練を休むって言ってきたからね、いくらでも時間がある。別れるって言うまでやめるつもりはないよ?」


「別れ……る……気は……ない……ゆきは……俺が守る!」



 それから何発殴られたかわからない。

 顔を殴られ、腹を蹴られ、何度も吐いた。何度も地面に叩きつけられた。

 それでも俺の答えは変わらずNO。

 当然だ。もはや俺にゆきを諦めさせることなんてできやしないんだから。



「……今日はここまでにしておくよ

次会った時別れてなかったらこの程度じゃ済まさないからね。」



 真上にあった太陽が西の空に沈み始めた頃、ようやく瀬川のMPが尽きたらしくそんな捨て台詞を残して去って行く。

 へへ……勝った。


 全身が痛い、確実に何本か骨が折れている。ステータスと念じ、HPを見てみると1桁にまで減っていた。よく死ななかったもんだ。そう思い立ち上がろうとするも足が持ち上がらない。


 やばい……全く体が動かない……

 ゆきとの約束までもう時間がないのに、このままだと……



「ぁの……大丈夫……ですか?」



 頭の上から声が聞こえた。こんな場所には誰もこないと思ってたのに……

 助かったと思い声のする方を見てみると……


 真っ白なドレスを身に纏った、美しい少女が、そこに立っていた。


ヤバイですね

まだ4日目ですがもう失踪したくなってきました。

いやしませんけどね、書き始めたからには血反吐吐いてでも最後まで投稿しますけどね。

ただ1万字近い文章の小説を200とか300話くらい投稿する作者さま方には敬意と賛辞の言葉を。


お前ら人間じゃねぇ!

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