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138.冒険者ギルド2

毎日投稿に慣れてきた

でも多分もうすぐ毎日を辞めたくなる。

138.


「はぁぁぁぁ……疲れたぁぁぁぁぁ……」


「大げさだなぁ。最後の方はほとんど私たちが戦ったじゃないか。」



 宿の玄関に戻ってくると同時にクラスメイトたちはその場にへたり込む。相次ぐ連戦で彼らの魔力も体力ももはや残っていなかった。



「そっ……それでも七連戦は戦ったわ……十分だと思うのだけど……」


「そうだよサリアちゃん。この人たちけっこう頑張ってたじゃない。途中から何人かコツ掴んでる人もいたよ。」


「まあ確かにそうだけど……」


「っていうかあんたらそんなに魔物倒したんならいっそ冒険者ギルドに加入すればいいんじゃないか? あそこなら確か魔物討伐で金もらえたはずだし魔石なんかも集めればさらにもらえる。」



 呆れたような顔で言ったアンナの言葉に、サリアが驚いたような顔で答える。



「ギルドあんの!? ちょっと待ってなんでそれもっと早く言ってくんないの!?」


「今言ったろ。」


「ああもう! ちょっとアンナ付いてきて! ギルド登録しに行くよ! ほら君達も! いつまで寝てるのさ!」


「そんな急がなくても……」


「急ぐに決まってるだろ! お金の問題と修行の問題、一気に解決できるんだよ! 凛ちゃんに頼もうかと思ったけどあれそう何回も作れるものじゃないらしいしさぁ!」



 そう言うとサリアは無理やり勇者たちを叩き起こそうとするも、全員足に力が入らないようで立ち上がれない。



「いや……そいつらはもういいだろ。とりあえず今動ける奴だけで登録しに行ったらいいんじゃねーの?」


「そうっすよそうっすよ! 俺たちもう一歩も動けないっすからね!」



 そう言って多田は完全に動けないように体を地面に五体投地する。



「まあ……いいか。とりあえず急いでギルドに行こう! まだ空いてるのかな!」


「まーギリギリだろうな。」


「行きましょう! あ、あとアンナさん。魔石ってなんですか?」


「その辺はまあギルドに着いたら教えてくれるだろうから……あー言葉わかんねぇのか。んじゃまあ向こうで説明するよ。」



 サリア達4人が夜の街を駆け抜ける。あんな先導の元冒険者ギルドと思われる建物にたどり着いた4人は、入り口を駆け抜けカウンターの女性に詰めかける。



「登録……登録したいんですけど!」


「!?」



 サリアの剣幕と謎の言葉に少し怯えたように引き気味で受付の女性は苦笑いを浮かべる。そんなサリアを押しのけてアンナが前に出る。



 数分の間こちらの言語でやり取りをしたあと、受付の女性はアンナが取り出した冒険者カードを見ると驚いたような顔でアンナに二言三言声を掛け、ギルドの奥へとパタパタと慌てて下がっていく。



「……えっ何があったの?」


「いや……普通に冒険者登録したいって言ってたんだけど私の冒険者カード……Cランクの冒険者カードを見たらちょっと待っててくださいってさ。」


「Cランク強調しなくていいから。っていうかそれグリモリアの冒険者カードだよね?」


「そうだな。」


「も……もしかしてそれ偽造だと思われたんじゃ……」


「本当か! サリア師匠! 逃げるか!?」



 しかし四人が動くより先にギルドの奥から大柄な男性が小走りで駆け寄ってきて、アンナに挨拶のようなものをかわし、握手をする。

 そしてその後サリア達にも手を差し出した。



「……えっ、何これ? アンナ、これ握手した方がいいやつ?」


「あー、すまないね。君たちはこちらの言葉は話せないのか。できれば握手をしてもらえれば嬉しいかな。」


「……!! 喋れるんですか!?」



 そう言ってアンナ達に投げかけられた言葉は間違いなく日本語であり、グリモリアの公用語だった。



「ああ、そちらの国にいたこともあるからね。私の名前はブラッド。ブラッド・ドミニクという。このギルドのギルドマスターをさせてもらっている者だ。


「あ……どうも。私はサリアです。えっと……グリモリアの出身です。」


「サリア君か。よろしく頼むよ。」



 そう言うとブラッドはサリアの手を取りがっしりと握手を交わす。そして次はグレンに手を差し出した。



「俺はグレン! よろしくな! ……じゃなくてよろしくお願いします!」


「グレン……か、なるほど、良い名だ。よろしく頼む。」


「私はリリアと申します。よろしくお願いします。」


「リリア……? もしかして君はリリアーナ様……かい?」



 自分の正体を見抜かれ、リリアは緊張し、自然と背筋が伸びる。



「ああすまない。答えなくてもいい。私もかつてグリモリアの世話になった身だからね。多少の知識はあるんだよ。その辺り含めて奥で話したいんだがどうだろう?」



 ブラッドがギルドのカウンターへの入り口を解放し、4人を奥へと誘う。



「……あまり人気がなくて密室じゃない場所ならば。」


「ははは、まあそりゃそうか。いいだろう。それじゃあそっちの入り口に近いテーブルでいいか。そこで話そう。ベル君。少し早いが今日はもうギルドを閉めてくれ。彼女達と話がしたいんでね。」



 サリアの警戒を理解した上で認めるように簡単に要求を飲んだブラッドは近くにいた受付の女性に指示を出す。



「了解しました。」



 そしてベルと呼ばれた受付の女性はギルドの入り口を閉め、外から人が入ってこれないようにする。そして内側からは開けられることを確認したあと、サリア達は入り口近くのテーブルを囲むように座り、話をする体制を整えた。



「さあ、何から話そうか。」


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