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130.見知らぬ土地で

描写した覚えないけど翔太達は今クラスメイト達を含めた30人近い集団です。


「……見えたよ。結構発展してる街だね。」



 サリアが指差す先には微かに門のようなものが存在した。



「や……やっとか……」



 クラスメイトの中の誰かがそう呟く。無理もないだろう。もうすでに2時間近く歩いていたのだから。翔太達は慣れているが彼らにとって魔物に怯えながら歩く二時間は相当に体力を削られた。



「お、着いたのか。」


「……気持ちはわかるけど降ろしてあげたらどうだい? 彼女すごい顔してるよ。」


「降ろしてぇ……」



 そして翔太の背中には顔を真っ赤にしたゆきの姿があった。翔太が執拗に追いかけ回した結果、体力を失ってしまったため翔太に背負われていた。



「まあまあ、街に着いたら降ろすよ。」


「……元気になったみたいで、よかったよ。」


「そうですね。ショウタさんがこんな顔してるの初めて見たかもしれません。」



 そうこうするうちに門の目の前までたどり着く。そしてそこを守っているであろう鎧を着た大柄な男が翔太たちによく通る声で語りかける。



「○#°×△! ○→〆<:0^○☆◆$€*€?」


「……は?」



 よく通る声ではあるが言葉の意味が全くわからない。英語や中国語などでもなく、全く馴染みのない言語に、翔太は首をかしげる。


「*☆☆◆€? ○→〆<:0^○☆◆$€*€!」


「……全然何言ってるかわからん。サリアはわかるか?」


「いや全く。グリモリアの公用語とは違うみたいだね。昔に大陸の言語は統一されたはずなんだけど……」


「まさか……」



 門番の声を聞いてアンナが前に出る。そして門番と同じ言語で会話をし始めた。



「えっ何? なんでアンナ喋れてんの?」



 そしてひとしきり門番と話した後、アンナは門番に一枚の金貨を手渡すと、門が解放される。



「さ、開いたよ。行こうか!」



 そう言うとアンナは今まで見せたことのないような笑顔で歩き出す。



「なんかテンション高くねぇ?」


「そりゃそうだろ? やっと戻ってこれたんだから」


「戻ってこれた?」


「まあその辺も含めて後で話すわ。とりあえず全員が休める場所を探すよ。」


「そうですね! 新しい街ってなんかワクワクするっす!」



 街の中に入ってみると王都の街行きと変わらぬほどの発展した街並みだった。露天にも見慣れぬ代物が並び、そしてその品物を彼らの言語で取引していた。



「まあ歩きながら説明していこうか。まずは今いるこの場所について。」


「今いるこの街はね、多分だけど君達がいた大陸とは別の大陸だ。それでいて私の元いた大陸でもある。」


「別の大陸だって? グリモリア以外の大陸なんて確認されていないはずだけど?」


「まあそうだね。それでもそうとしか考えられないんだよ。異なる世界と考えるには共通点が多すぎるし、何よりあの魔王城だ。」


「そっちの大陸で見た魔王城とこっちからみた魔王城。あれは角度が違うだけで同じ魔王城だ。つまり……」



 そう言ってアンナは手に持っていた紙にサラサラと図を書く。簡単に書かれたその図は、長方形を横半分に線で区切った形をしていた。



「この線が魔王城で、下がグリモリア。上がこちらの大陸ってことになるんだと思う。魔王城がちょうど仕切りになって隣接しているのに互いに認識できなかった……そういう意味では同じ大陸ではあるか。」


「なるほど……確かに魔王城なんて近づく人間はいない。裏側にまた土地があったとしてもあってもおかしくはないね。」


「ちょっと待ってください。それが本当ならどうしてアンナさんはグリモリアにいたんですか? もしかしてサリアさんはグリモリアのことを最初から知っていたんですか?」



 リリアがアンナに尋ねかかる。その問いをアンナは否定するように首を横に振る。



「いいや、違うよ。信じてもらえないかもしれないけど本当によく分からないうちにグリモリアにいたんだ。もう10年くらい前、なにかしらの魔法に巻き込まれたのか、それともそう言う現象か。私を含めて6人がグリモリアの東にあるビレッド平野に倒れていた。その場にいた全員で出した仮説がこれだよ。」


「6人って……他の奴らはどうしたんだよ」


「………ここなんかいいんじゃないか? 結構な大きさの宿だ、この大人数でも泊まれるでしょ。」



 翔太の問いに答えることをせず、アンナは目の前の建物を指差す。そこには変わらず読めない文字が書いてあったが、たしかに30人くらいなら入れそうな建物だった。



 

なかなか喋り出さないクラスメイト達

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