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傭兵と戦士の人生観

※これはベゼスタとダンがその人生観を見る話です。



俺はベゼスタ、傭兵をやってるもんだ。

昔からあらゆる軍隊や組織でその戦いを覚えてきた。

そして俺は王になりたいという考えを持つようになった。


その考えに至ったのも現地でそんな環境を見たからなんだろ。

別に国が悪いとか今の王が憎いとかそんな感情は持ってねぇ。

ただ人として生きられる国にしたい、それは思ってる。


だから俺は王になりたいと願うようになった。

そのためには強くならなきゃならねぇ。

強くなって上に上り詰める、それがそれの考える王への道だ。


強くなるために俺は戦う。

どんな相手でも打ち負かせる強さ。

それはあいつとの出会いでその思いを強くした。

そんな俺は今日も強敵の魔物相手に戦う日々を送る。


「おらぁっ!ちっ、話にならねぇ」


俺は今までも多くの強敵を打ち負かした。

だがあのギラってガキに武器を弾かれて以来強さへの執念が変わった。

あいつを負かさないと王にはなれない、だから俺は強くなると決めた。


「ん?あいつは…」


依頼で来ていた森で一人の戦士が魔物と戦ってやがった。

あいつは冒険者、俺は傭兵、立つ場所が違う。

だが不思議とその男に話しかけていた、不思議とだ。


「おい、そこのおっさん」

「ん?俺か?」


そいつは熟練の冒険者だと俺には分かる。

俺と同じ幾多もの戦いを経験した空気だ。


「あんたも討伐かい?」

「ああ、いつかリベンジするために強くなってやるのさ、あんたは?」


リベンジという言葉を聞いて俺はこいつがあのガキに負けた奴だと感じた。


「俺もなんだ、リベンジのためにもっと強くなってやる」

「それってもしかしてギラっていう奴じゃないのか?」


やっぱりだった。

こいつもあのクソガキに負かされてリベンジを誓った奴だ。


「にしても戦士のあんたと傭兵の俺、似て非なるもんなのに同じ奴に負けてんのな」

「ギラは強い、一度あいつにハンドアックスで剣を真っ二つにされてんだよ」


その言葉に俺は少し驚く。

俺やこいつみたいな経験者を簡単に打ち負かすクソガキ。

あのクソガキに辛酸を嘗めさせられた仲間ってわけだ。


「そういや名乗ってなかったな、俺はベゼスタだ」

「俺はダン、よろしくな」


その後もあのクソガキについてお互いの経験を話した。

それはリベンジを誓った者同士の経験談だった。


「俺は王になる、そのためにあのクソガキを負かさないと気が収まらねぇのさ」

「あんた王になるって本気なのか?傭兵なのに」


驚かれたが俺は至って本気だし大真面目だ。

ダンはそんな俺を笑いはしなかった。

こいつとは話も合うんじゃないかと少し思った。


「まあそう言うなら俺は応援するよ」

「そいつはどうも、それよりここじゃなんだろ?話の続きは街でしようぜ」


討伐で来ていた森で話していてもあれだ。

俺達は街に戻ってお互いに話してみる事にした。


冒険者ギルドで報告を済ませてお互いにその経験を話す。

意外と話は弾んで人生観や戦う理由なんかを語り合った。

気づいたら俺達はすっかり仲良くなってた。

とはいえお互いにソロでやってるんで組む事は最初からするつもりはない。


そうして俺とダンは親友、とはいかねぇが友情を感じた。

またどこかで会ったときは酒でも飲もうと約束した。

俺もあいつもあのクソガキにぜってぇにリベンジしてやると誓った。

そのためにもお互い強くなるためにまた戦うんだ。

見てやがれ、いつか必ずてめぇに負けましたと言わせてやるからよ。


あのクソガキは今は北の雪国、帰ってきたら自慢されそうだ。

俺もそんなあいつに勝つために強くなる、それだけだぜ。


俺は王になる、そのために勝ってやる、それが俺の今の目標だぜ。

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