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銀色の花畑

雪像の村で一夜を明かし、翌日氷の銀花を目指すギラ達。

村から北に出発しその先にある雪原へと進む。

その雪原は珍しい植物などもある秘境だ。

ギラ達はその珍しいものの宝庫を進んでいく。


「冷えますね」

「流石に雪国ですから」

「私にはキツいわ」

「モレーアは元々露出が多いせいだろ」


そうして雪原を進んでいく。

すると恋夜が思わぬものを見つける。


「む?こいつは」

「花ですか?」

「珍しい花なのかね?」


恋夜曰くその花は雪国にしか咲かない花だという。

今までも本では見ていたが、現物を見るのは初めてらしい。


「こいつは雪国でしか咲かない花でな、寒い土地じゃないと枯れてしまうんだ」

「へぇ、そんな花もあるんですね」

「この世界も独自の植物とかあるのねぇ」

「あはは、モレーアさんらしい」


とりあえずその花は今は放置して先へと進む。

雪原の雪は容赦なく吹きつけるものの、吹雪いていないのが幸いだ。

その雪原は美しい銀世界をしていて見る者の目を奪う。


「ふむ、氷の銀花はどこにあるのかね」

「奥の方って言ってましたよね」

「ついでに氷の剣もですね」

「その剣って持ち帰っていいんですかね」


そんなこんなで駄弁りつつ先へ進む。

すると突然雪が強くなり、吹雪いてきた。


「吹雪いてきたね」

「なにかいますよ」

「あれって…」

「気をつけろ、恐らくこの吹雪の原因はあいつだ」


そこにいたのは氷の精霊らしきもの。

だがそれは精霊ではなく紛れもない魔物だ。

敵とみなされたようで、攻撃を仕掛けてきたのだろう。


「やるしかないようだね」

「はぁ、ついでにリックさん魔法でも覚えておきなさい」

「あ、はい」

「では、燃えるぜ!!」


そうしてその精霊らしきものに勝負を挑む。


「いきますよ!ソウルドレイン!」

「凶暴化したね、一気に攻め落とすよ!」

「了解です!」


そのまま魔物を攻め立てる。


「氷の風よ、突き刺され!」

「やっぱりそういう魔法かね」

「氷なら炎だな、真紅の炎よ、その身を焦がせ!」

「効いてますね、では…紫電一閃!」


そうして精霊の魔物を撃破する。

リックも新たな魔法を習得しご満悦である。


そのまま雪原を奥へと進むと少し植物が目立ち始める。


「花とかが咲いてるね、氷の銀花が近づいてるのか」

「なら急ぎますか」

「ええ、行きますよ」


さらに雪原を先へと進む。

冷気が強くなり始めたので氷の剣も近くにあるのだろう。

そうして進むと、目的のものが見えてくる。


「あれは…」

「氷の剣ですよ」

「氷の銀花も咲いてるね、さっさと写真に収めちまいな」

「お任せあれ」


そうして氷の銀花を写真に収める。

そして次は氷の剣である。


「これって素手で触って平気なんですかね」

「明らかに凍傷になりそうな冷気放ってますけど」

「凍傷どころじゃ済まないんじゃないか?」

「試してみるか、こいつを近づけると」


恋夜が炎の石を近づけるとその石が凍りついてしまう。

やはり触るのは危険なようだ。

どうしたものかと考える。


「ん?待て、多分こいつは…」

「ソウさん!?」


ソウが突き刺さっている剣の柄を掴む。


「やっぱりか、こいつは刀身だけが冷たいんだ、柄の部分は普通に触れる」

「脅かさないでもらえますかね」

「あはは、まあそれなら持ち帰れますかね」

「ならそのまま回収ですね」


そうして氷の剣を回収する。

すると大きな雄叫びが聞こえた。


「きたか」

「上ですよ!」

「ベゼスタさんの言ってたドラゴン!」

「っ!?」


空からドラゴンがその巨体を鳴らして舞い降りる。


「強そうですね」

「それでも戦うしかないね、逃げられるとも思えん」

「ならやっちまいますか」

「ええ、やりますよ」


そうしてそのままドラゴンとの戦いに突入する。

そのドラゴンは氷のドラゴンのようだ。


「守りは堅いんだろうね」

「なら魔法でやりましょう」

「私なら物理も通りますかね」

「あとリックさんはお忘れなく」


相手に怯む事もなく戦いが始まる。


「ソウルドレイン!」

「凶暴化はしないね、相手によってはしないって分かった」

「それじゃ一気に攻め落としますわよ!」

「なのです、覚悟するのです」


ドラゴンへの攻撃を開始する。

守りは堅く暗器の攻撃は効果が薄い。

とはいえ魔法なら効くようで、魔法を中心に攻め立てる。


「氷の猛威よ、飲み込まん!」

「流石に相手が相手だけに強い魔法を覚えたね」


リックの魔法のテストをした後さらに攻め立てる。


「炎の風よ、焼き払え!」

「炎の牙よ、噛み砕け!」

「効いてますね、では一気に落としますよ!」

「了解ですわ!」


そうしてそのままドラゴンを沈めるギラ達。

なんとか勝利したようで一安心である。


「なんとか勝てましたかね」

「だね、剣も回収したしさっさと戻るよ」

「では引き上げますか、次の秘境が待ってますしね」


そうして雪原を引き返し雪像の村へと戻る。


「おお、無事だったか」

「ええ、なんとか」

「剣も回収しましたけど、本当に好きにしていいんですか」


その言葉に雪像は言う。


「武器とは使ってこそだ、誰も使わなかった剣を使ってくれるなら本望だろう」

「ふむ、なら私が使いますか、幸いこの程度なら扱えそうですしね」

「これどう見ても大剣サイズなんですけど、ギラさん使えるんですか」


こう見えて器用なのがギラだ。

今までも片手剣も刀も使いこなしていたので、大剣を扱うなど容易い。

その器用さにソウやハルミも驚いていた。


「さて、では我々は行きますね、お元気で」

「ああ、元気でやるのだぞ」

「それではお世話になりました」


そうして雪像の村をあとにする。

そのままソルバードに戻りミリストスへと飛ぶ。


「それにしてもこの剣ひんやりしてますね」

「まあ氷の剣ですからね、刀身に触れたらどうなるのか」

「確実に手はなくなりそうだね」

「怖い事言わないでよ」


刀身から放たれる冷気は体感的にはそこまで冷たくない。

だが実際に触れたら確実に腕を持っていかれる冷たさだ。

そんな氷の剣は扱いに慎重にならねばならない。


「刀身に触れたら凍傷どころじゃ済まなさそうだ、きちんと扱いなよ」

「分かってますよ、流石に腕は必要ですから」

「あはは、氷の剣って凄いです」

「僕も気をつけないと」


そうしてソルバードはミリストスへと飛んでいく。

ベゼスタへの土産話も出来たので、ドヤってやろうと思う。

ギラのそんな意地悪な本音が垣間見えた。


次の秘境はどこへ行くのか、それは世界の秘境という未知への挑戦である。

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