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銀色の島

なんとか火山島から脱出したギラ達。

そのままミリストスへ戻りアヌシスから次の秘境について聞く事に。

砂漠といい火山島といい自然の力には勝てないと感じた。

それでもこの仕事を引き受けた以上は最後までやり遂げると決めている。


「ふむ、確かにカルド火山ですね」

「流石に自然の力には私でも勝てませんよ」

「あはは、ギラ様ってそういうところは潔いですよね」

「えっと、それで次はどこへ行けばいいんですか?」


次の秘境についての説明を聞く。

アヌシスは次の秘境について話し始める。


「次は氷の銀花を写真に収めてきてください」

「氷の銀花?つまり雪国にでも行けって事かね」

「アルセイムは確かに自然は豊かだけど雪国はなかったような」

「だとしたら…北に雪国の島でもあるとかかしら」


その場所についてはキスカから説明がある。


「その場所はアルセイムから北に行った先にある島になりますね」

「でもそこに人里なんてあるのかな?」

「人里かは存じませんが、冒険家が村のようなものを見たとは聞いています」

「ふむ、だとしたら何らかの住民やその地特有の部族か何かは住んでいると」


その島には村のようなものを確認している。

だがそれ以上の情報はないのだという。

そればかりは現地に行って直接確かめろという事だ。


「その島は一年を通して雪なのだとか、空路で行くと途中から雪雲がかかるはずです」

「つまり雪雲がかかったらその近くにその島はあるんだね」

「一応防寒はしていくといいでしょう、寒さは温度を高めないと防げません」

「分かりました、では発つ前に防寒具一式を買ってからいきますね」


そうして次の目的地は氷の銀花に決まる。

北にある雪国の島、そこが目的地である。


そうして屋敷をあとにし服屋へ向かう。

そこで毛皮のコートを人数分購入する。

あとは道具屋に行き炎の石を買い込む。

炎の石があればある程度の熱は確保出来るので、寒さも軽減出来る。

そして出発しようとしたときあの男に出会う。


「よう、お前ら真冬でもないのに毛皮のコートって何しに行くんだよ」

「少し北の雪国まで行ってきます、防寒しないと死にますしね」


その言葉にベゼスタはその島の話をしてくれる。


「北の雪国の島な、あそこには絶対に解けない氷で出来た剣があるって噂だぜ」

「絶対に解けない氷で出来た剣ですか?」


ベゼスタも傭兵である以上それなりの情報通でもある。

その話だとその島には絶対に解けない氷で出来た剣があり、それを守るドラゴンがいるという。

恐らくジャイアントモンスターの一種で剣の力に引き寄せられたのではと言う。


「俺も行けるもんならその島に行ってそのドラゴンと戦いてぇんだがな」

「王になるからにはドラゴンぐらい倒しておきたいと」


ベゼスタもそんな好戦的な性格があるので強敵の噂には敏感だ。

とはいえ今回ばかりはギラ達の武勇伝に期待しておくという。


「とりあえず生きて帰ったら話でも聞かせろ、面白そうだしな」

「分かりましたよ、思いっきり自慢してやりますから」


それにベゼスタも笑ってくれる。

そしてその武勇伝に期待すると言い、そのまま仕事でその場を立ち去っていった。


そうしてギラ達は北の雪国の島に向けてソルバードを発進させる。


空を飛ぶ事数時間、空が暗くなり雪がちらつき始めた。

下を見るとそれらしき島が見えたため島の端の方にソルバードを着陸させる。

そうして雪国の島の秘境探索が始まるのだ。


「冷えるわね」

「モレーアさんは元々薄着なんですから、コート羽織っても冷えそうです」

「あはは、まあとりあえずその氷の銀花を探しにいきましょうよ」

「だな、この島は実に興味深い、早速先に進むとしよう」


そうして雪原を進み始めるギラ達。

村らしきものの情報も気になっている。

アレックスは寒さに弱いのか、ギラの服の中にすっぽり収まっていた。


「解けない氷で出来た剣、ドラゴン、氷の銀花、噂は尽きないですね」

「全部は無理かもしれないね、とりあえず優先すべきは氷の銀花だ」

「そうだな、依頼である以上氷の銀花が最優先になる」

「まあなんとかなりますわよね?」


そんな多少の不安もありつつも雪原を進む。

雪国の夜はとても冷える。

なので出来るだけ距離を稼ぎ、その村らしきものには到達したい。


幸い吹雪いてはいないので視界は良好である。

最低でもその村らしきものにだけは到達すべく歩を進めていく。


「ん?何か見えますよ」

「村ですかね?人って住んでるんでしょうか」

「あの村らしきものに行ってみれば分かりますわ」

「なのです、その目で確かめるのです」


そうしてその村らしきものに到着する。

今の時間は日が落ち始める手前。

なのでこの村らしきものを拠点にして、氷の銀花は明日本格的に調べる事に。


「この村なんかおかしくありません?」

「ええ、人の気配が一切しません」

「あるのは…雪像?それにしても随分とよく出来てるもんだね」

「人がいないか探してみますか」


とりあえず村の中を探索してみる。

だが人の気配はしないし人っ子一人見当たらない。

それなのにギラは妙な視線を感じていた。

まるで誰かに見られている、そんな視線である。


「…やっぱりおかしいですよ、誰かに見られてる気がしてなりません」

「ギラもかい、アタシも誰かに見られてるようでどうにも落ち着かないんだ」

「ん?今雪像が動かなかった?」

「気のせい…とは決めつけられんな、だとしたら…こいつを近づけてみると?」


恋夜が雪像に炎の石を近づけてみる。

すると次の瞬間だ。


「熱を近づけるんじゃない!」

「えっ?」

「雪像が…動きましたわよ!?」


その後雪像にこっ酷く怒られた。

改めて話を聞くとここは雪像の村らしい。

自分達のような雪像が暮らす集落なのだとか。


「えっと、それなら訊いていいですか?氷の銀花を探してるんですか」

「氷の銀花?本気なのか」


雪像の話では氷の銀花はここから北に行った先にある氷の湖に咲いているという。

そして同時にその銀花の園には氷の剣も刺さっているらしい。

剣は好きにしていいが銀花は下手に荒らすなと釘を差される。


とりあえず今夜はこの集落を借りコテージハウスで宿を取る。

明日は北にあるという氷の湖へと氷の銀花を求めて行ってみる事に。

雪像の村、なんとも奇っ怪な村があったものである。

世界は広いのだとギラは改めて思った。


そうしてその氷湖へと明日は向かう事になる。

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