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本から学ぶ

ブルクハルトとの再会から一夜が明けた。

リックはそれを複雑に思いつつも今日も新たな魔法の習得に挑む。

ついでにブルクハルトに聞いた奥義書や魔道書の方も探す事に。

戦力アップを図る意味でも、楽しくなりそうである。


「それで今回はどんなモンスターに挑むんですか」

「この海辺に出る水棲の魔物ですね」

「ジャイアントモンスターね、この辺りだとオクトキングかしら」

「タコですね、触手ですね、ぬるぬるですね」


そんなこんなで海岸線でオクトキングを探すギラ達。

タコは陸に上がる事もあるので、砂浜なら戦える。

そうして探しているとお約束のようにそれは現れる。


「出ましたね」

「おぉ~おっきいですっ」

「刺身にしたら何人前になるんですかね」

「食べるんですの?」


そんなお約束のボケをかましつつ陣形を取る。

相手はリーチも長い相手だ。

とにかく守りを固める事を優先する。


「リック!さっさと覚えちまいな!」

「はい!ソウルドレイン!」

「お約束通り凶暴化しましたね」

「お刺身にして夜ご飯にしますよ!」


斬撃の攻撃がオクトキングの足を切り落としていく。

あとは倒すのみである。


「漆黒の水砲よ、その光を奪え!」

「なるほど、タコだけに炭の魔法か」

「それでは、みじん切り!」

「お刺身ファイアー!」


そうしてオクトキングは簡単に倒される。

ギラ達三人が強すぎるだけなのだが、他も負けない強さである。

そしてリックもそれを倒す事で経験をどんどん積んでいく。


「さて、お刺身に…」

「本当に食べるのです?」

「鮮度が命ですよっ」

「そういう問題ですの?」


その場でオクトキングの足を細く切り刻み恋夜の炎魔法でこんがりと。

魔物とはいえその鮮度抜群の味に満足したのだった。


そうしてミリストスに戻り次の相手を考えていると本屋の前を通りかかる。

そこでは何やら店員が困った顔をしていた。


「あの、何か困り事ですか?」


店員に話を聞くとどうやら入荷した本が売れないらしい。

一点物の本らしく、店長の気まぐれで入荷したものの誰も手を付けないそうだ。


「ふむ、なら見せてもらえるか」

「あ、えっと、これなんですけど」


店員はその本を見せてくれる。

恋夜がその本を軽く見てみると、どうやらそれは魔道書というのが分かる。


「この本を売ってくれ、言い値で買おう」

「えっ、は、はい!かしこまりました!」


恋夜にはその本の価値が一発で分かったらしい。


「あの、もしかして…」

「うむ、あの本は魔道書だ」

「なんでそんな本を入荷したんですかね」

「気まぐれって怖いですよね」


その後店員と交渉し言い値でその本を買い取る。

それを早速読んでみる事に。


「どうですか?」

「ふむ、理解するのは簡単だ、あとはそれを記憶してしまえばいい」

「そういうとこはアンドロイドらしいねぇ」

「それで覚えられるのです?」


とりあえず本の内容は記憶したようだ。

魔道書は恋夜の得意分野であり、それを学ぶのも好きだ。

今まではバドカの図書館のものを読破した程度なのでそんなに使えなかった。

今後のそんな魔道書を探していけば恋夜のレパートリーも増えていくだろう。


「あのっ!すみません!」

「ん?さっきの本屋の、まだ何かあるのか」


さっきの本屋の店員が走ってきた。


「えっと、この本って分かります?以前倉庫を整理してたらあった本なんです」

「見せてみな」


そう言ってその本を借り中を確かめる。


「これ、騎士道の奥義書ですわよ?そんなものが倉庫に?」

「そんなに凄い本なんですか?」


店員にその本の事を説明する。


「つまり世界に散らばってる奥義書や魔道書…ですか」

「ああ、今回は偶然だろうが、本屋ならあっても不思議ではないだろうな」

「それでその本を売ってくれるのかい?」


店員も商売なので無料では無理だという。


「なら私が言い値で買いますわ、好きな金額を提示なさい」

「あ、はい」


騎士道の奥義書なら使うのはペトラだ。

元々金持ちなのでお金はあり余っている。

とりあえず言い値でその本をペトラがお買い上げする。


「ありがとうございます、では私は仕事に戻りますね」

「それでどうですか?理解出来そうです?」

「すぐに、とはいかずとも、覚えるのは出来そうですわね」


どうやらペトラもその奥義書の中身は理解は出来るようだ。

習得には少し時間を必要とするものの、覚えてみせるという。


「それにしても本屋は宝の山だったりするんですかね」

「どうだかね、でも倉庫に埃を被ってる魔道書や奥義書がありそうではある」

「それも確率的には低いとは思いますけど」

「それにしてもあのブルクハルトはなんでそんな助言をしたのよ」


彼なりにギラ達へのエールなのかもしれない。

とはいえ彼はリックの親の敵であり家を潰した相手だ。

それでも彼は努力する人間には敬意を示す一面もある。

ブルクハルトは真面目な人間なら相手を選ばず好きになるのだろう。


「でもやっぱりブルクハルトは善人ではないと思いますよ」

「そうだね、経済に貢献するという目的こそあれど、やってる事はね」

「彼自身目的に囚われているのかもしれませんわね」


とりあえずその魔道書と奥義書の中身はなんとか覚えられそうである。

リックは魔物から、ソウやペトラや恋夜は本から学ぶのである。

ギラ達三人は覚えられるかは今は分からない。

モレーアもそうだが、異世界の住人にこの世界の知識を得られるかは別問題だ。


それと同時にエレネやテュトスもそれを覚えられるかは今は分からない。

この世界の住人である人達は問題ないだろう。

だが異世界人やオーバーテクノロジーの塊の存在には不確定要素である。


「さて、どうします?」

「他の魔物や本を探してみるか、誰にしても強くなるには通る道だ」

「そうですね、とりあえず一旦休憩して次を探すとしよう」


そうしてミリストスで適当に食事を済ませる。


「でもこういう本って世界に散らばってるんですよね」

「ブルクハルトの言い方からしたらそうなるだろうね」

「ふむ、ならアルセイムでもう少しやったらオルバインに行ってみます?」

「そうね、それもいいと思うわよ」


そうして次は今はアルセイムでもう少し暴れる事に。

オルバインの魔物やジャイアントモンスターからも覚えるのに挑戦である。

恋夜もペトラやソウなどもその強さを磨くべく本も探す事に。


強くなるというのは簡単ではないと改めて思うのである。

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