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知識を得る方法

モレーアが仲間になり、リックの魔法修行が始まる。

ギラ達もその修業に興味があり見せてもらう事に。

何をするのかは分からないが、リックもやる気のようだ。

そんなわけで早速修行が始まるかと思っていたが。


「さて、リック、昨日あげた本の内容は覚えたわね?」

「ええ、一応きちんと覚えましたけど」

「あの本って何なんですかね」

「さあねぇ、魔道書には見えなかったが」


何やら本を渡していたらしい。

その本の内容はリックはきちんと覚えていた。

モレーアはそれを実践してみるという。

それを実践するにはちょうどいいという事で、冒険者ギルドで討伐依頼を受ける。


「それで討伐依頼を受けて何するんですか?」

「そうね、言うより実践、ターゲットが出たわよ」

「あれってブルードラゴンですね、私達じゃまだ少々手強い相手です」


依頼内容はブルードラゴンの討伐だ。

それを相手に何かをするようだが。


「それじゃあなた達はリックを守りなさい、いいわね」

「よく分からんが、守ればいいのだな?」

「ではさっさと倒すという事ですか?」


モレーアはすぐに倒しては駄目だという。

だが相手は強敵だ、持久戦は不利になる。


「リック、あいつに本で覚えたものを使うのよ」

「えっ?あ、はい、えっと…ソウルドレイン!」

「あの本で覚えた魔法ですかね?」


そのスキルは相手から精気を吸収するスキル、ではなく相手から知識を吸収するスキルだ。


「これは…」

「これが修行よ、そのスキルで魔物から知識を得るの」

「つまり魔物の魔法を吸い取ってしまうと?」

「要するに実戦におけるラーニングか、相手の持つ独自の魔法などを覚えるという」


それは要するにどこかの世界で言うところの青魔法である。

魔物の使う魔法を直接知識として吸収する。

そうする事で多様な魔法を自分のものにするのだ。


「それじゃ、覚えた魔法を使ってみましょう」

「えっと、水の吐息よ、汝を飲み込め!」

「あれってブルードラゴンのバブルブレス…」

「なるほど、こいつは面白いな」


ギラ達はそれを見て感心していた。

まさかの魔物から魔法を得るという荒業だからだ。


「さて、覚えたらあとは倒すだけよ、やるわよ」


そうしてそのままブルードラゴンを打ち負かす。


「どう?新たな魔法を得た気分は」

「なんか新鮮です…僕でもこんな事が出来たなんて…」

「これを見てるとリックさんの才能が分かる気がしますね」

「なのです、魔物から魔法を覚えるなんて凄いのです」


その流れで他にも試してみる事に。

一旦街に帰ってブルードラゴン討伐の報酬を受け取る。

そのまま続けて次はイグニートツリーの討伐を受ける。


討伐対象の出現する森へ移動し早速それを実践してみる。


「出たわよ」

「燃えてますねぇ」

「そんじゃリックを守りつつ応戦だ、モレーアも戦いなよ」

「いきますわよ!」


そのままイグニートツリーとの戦いに突入する。


「ソウルドレイン!」

「あのスキルは相手を激昂させる効果がありますね、知識を得るのも楽ではないと」


イグニートツリーから魔法を吸収したリック。

だがそのスキルは魔物をバーサク状態にする効果があるらしい。

単独で覚えるのが難しいという事らしいので、ギラ達がリックを守るのである。


「炎の葉よ、その空に踊れ!」

「おぉ~、凄いですね」

「まあ覚えた魔物には効果は薄いですけどね」

「それじゃ、倒すわよ!」


そのままイグニートツリーをサクッと倒してしまう。

ギラ達は強いので、それも楽な話だ。


「あの、訊きたいんですけど、凄く強い相手とかからも得られるんですよね?」

「そうね、相手にもよるけど、基本的にほとんどの相手から覚えられるはずよ」

「ならチョー強い相手とかから覚えてみたくなりますよね」


とはいえ実力は弁えている。

そんな無謀な挑戦をするほど愚かでもない。


「うーん、やっぱり強い相手の方が強い魔法に繋がるんですよね?」

「そうね、その中でもドラゴンとかそういう魔物相手だと特にね」

「でもラーニング魔法は万能に覚えられるイメージがありますよ」

「確かに…回復とかサポートも覚えられそうですね」


それもあるので少し趣向を変えた相手と戦ってみる。

街へ戻り依頼の報告を済ませ、新たにシールドオークの討伐を受ける。

その魔物は守りに特化した守護者的な魔物だ。

守りに関係する魔法が覚えられると思い、それを相手にする事に。


そのまま出現場所だという渓谷へやってくる。

シールドオークを探していると、向こうから出てきてくれた。

そのままバトルオンである。


「さて、陣形を敷きますよ」

「リック!」

「はい!ソウルドレイン!」

「どうですの?」


リックは手応えを感じていた。

シールドオークは凶暴化し守りなんか捨ててしまっている。


「全能の守りよ、我らを守れ!」

「これはいいですね、守りが固まっただけでなく他にも補助がついてます」

「バフ祭りですよっ」

「これなら負ける気がしませんわ!いきますわよ!このブタが!」


そのままシールドオークを軽く倒す。

リックはシールドオークから全体に多様なバフをかける魔法を得た様子だ。

こういう事はこまめに試すからこそ価値があるのだろう。

リックの好奇心が最高潮に達しようとしていた。


「ただし気づいてるだろうけど、単独でやるのは危険よ?いいわね」

「は、はい、分かってます」

「だが実に面白い、私にもない技能だな」

「恋夜さんは本から魔法を覚えるのは出来るんですけどね」


なんにしてもこれがモレーアの言う修行だという。

実戦において魔物からその知識を得る。

そうする事で多様な魔法を覚えられる。

それは異界の魔女であるモレーアらしい魔法修行であった。


「ついでに冒険者ランクも上げられそうですね」

「あー、そうですね、今まですっかり忘れてたんですし」

「強敵相手ならそれだけ強い魔法が得られる、ただし相応のリスクもあるね」

「そうですわね、やはり強い相手はそれだけのものを持っているんですわ」


ギラ達の言う事も尤もだ。

強敵を相手にする事も多くなるであろう事は簡単に予想出来る。

だからこそ過信や慢心は命を危険に晒す修行である。


「それじゃ明日も討伐の依頼をやってみましょう」

「ええ、こんな面白い修行なら好きなだけ付き合いますよ」

「ふふ、私はそれを見せてもらうわね」


そうして明日からもそんな修行が続く。

リックの知識はそうして蓄積されていくのだ。


魔物から覚えるというその修業はリックをさらなる高みへと誘う。

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