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隠された世界

魔女を追うギラ達は報告にあった森へと来ていた。

昨日見つけたその森の隠された世界。

結界の向こう側へと足を踏み入れる事となる。

その先には何があるのか、期待と不安を胸にその先へと向かう。


「ここですか?」

「はい、こうやると」

「本当に見えない何かがありますわね」

「実に面白いな、では早速この先へと進むとしようか」


そうしてギラ達はその先へと足を踏み出す。


「ここは…」

「なんか目がチカチカするな…毒々しいというか」

「凄く変な感じですね」

「これが俗に言うファンシーですかね」


その先に広がっていたのは毒々しいほどのファンシーな世界。

目の毒にもなりかねないような色彩の世界だった。

とりあえずその世界の探索を開始する。

そこには何があるのかと期待しつつ歩を進める。


「これ完全に悪趣味ですよね」

「あはは、メーヌでもこれは流石に頭が痛くなるというか」

「凄いですっ」

「物凄く毒々しいですわ…目が痛くなりそうなぐらいに」


誰もがその色使いに目の不調を訴えるレベルだった。

それでも諦める事なく森を進むギラ達。

魔女はここにいる、それは確かだと思いつつ。


「駄目だ…目が痛い」

「こんな毒々しい世界で目が痛くならない方が無理ですよね」

「あのソウさんが耐えられない世界って凄いですね」

「だがこの世界そのものが作り物だとしたら、その魔女はやはり凄いのだろうな」


恋夜はそれを冷静に分析していた。

この世界を作り出せる魔女は相当なものだと認めるしかない。

それだけの世界が広がっているのは確かなのだ。


「なんていうのか、ラブリーポイズンって感じの色彩ですよね」

「あ、なんか分かります」

「ハートピンクって感じか」

「メーヌさんの表現が的確すぎますね」


リックもこの景色には流石にテンションが低い。

異様に毒々しいこの世界に長くいたら頭がおかしくなりそうだとは感じる。

さっさと魔女を見つけてやるぞと意気込み、森を進む。


森を進むとその景色はどんどんファンシーさを増していく。

全員が目に不調を感じる程度には毒々しい色の世界だからだ。


「本当に目がおかしくなっちまいそうだよ」

「ソウさんが相当キテますね」

「なんていうのか、この色彩はドラッグですよね」

「分からなくもないのです」


色がこうなっているだけで麻薬のように変な感覚に襲われる。

快楽とは違う不快感を全力で煽るドラッグのようである。

精神的に参ってしまいそうな感覚を全員が受けていた。


それでもそれに耐えて森を進む。

あまり長時間ここにいたら、精神的におかしくなりそうである。

森を進んでいくと明らかに怪しい小屋を見つける。


「調べてくださいって向こうから言ってますかね」

「あはは、勝手に入っていいんでしょうか」

「こっちは散々振り回されたんだ、構うもんか」

「ソウさん、本当に早くここから出たそうにしていますわね」


とりあえずそのまま小屋に勝手に入るギラ達。

その小屋の中もまたファンシーな世界だった。


「なんか変なのばかりですねぇ」

「うわ、なんですかこれ…」

「こういうのが全部薬になるのかね」

「実に興味深いな、記録に取りたいぐらいだ」


だがそのとき、人の気配を感じ取る。

魔女が帰ってきたのか、隠れる場所もないため投降のサインをする。


「あら、お客様にしては勝手に入るとか礼儀がなってないわね」

「えっと、すみません…どうしても気になってしまって」


だが魔女は怒る様子もなく、ギラ達を歓迎する。


「それで、ここを見つけられるからには只者じゃないわよね?」

「まあ…そうなるんですか?」

「それで君が魔女という事でいいのか?」


その問いに彼女は隠す事もなくそうだと答える。


「そうよ、それにしても面白いメンツね、私としても凄く興味が湧いちゃう」

「私達の事が分かりますの?」


その魔女はギラ達の事を見透かしているようにも見えた。


「それで、そこの貧相な体の女の子は随分とドス黒いものを秘めているのね」

「それは…分かるというのですか」

「ギラさんがドス黒いって、どういう意味です?」


魔女もそれには空気を読んでなのか、あえて触れない。

とはいえギラの内面を感じ取れる辺り、やはり只者ではないようだ。


「それに私と同じ空気、それで察してくれるかしら」

「えっ?という事は魔女さんも…」


どうやらその魔女もギラ達と同じように異世界から来た存在のようだ。

それを瞬時に理解したのはギラとメーヌと翠だけではある。

他のメンバーはさっぱりのようだった。


「それにしても、目のやり場に困るんですけど」

「あら、そこの男の子はセクシーなお姉さんは嫌い?」

「リックは普段から見慣れてるくせに知識がないからこうなんだ、分かってくれ」


その言葉に魔女はリックを気に入ったようである。


「でも彼は優秀な魔法使いみたいね、私でよければ魔法の指南ぐらいするけど」

「へっ?」

「いいんじゃないですか?魔女から直々に魔法を教われるとか凄いですよ」


リックもそれには困惑していた。

とはいえ未知の魔法を覚えられるかもしれない、そう考えると胸が高鳴る。


「えっと、それなら…お願いします」

「決まりね、そんなわけだから私もあなた達の仲間にしなさい、拒否権はないわ」

「強情な魔女様だねぇ、アタシは嫌いじゃない」

「私としてもその存在に実に興味があるしね」


断る理由もないので魔女を仲間に迎え入れるギラ達。

魔女はエレネを見て再び興味を示す。


「そこの幼女は随分と面白いのね、液体金属なんて凄いわ」

「エレネの事が分かるのです?」


それはそうと名前を聞くギラ達。


「私の名前ね、モレーア・ローゼスクィーンよ、好きに呼んでいいわ」

「分かりました、ではモレーアさん、よろしく頼みます」

「よろしく頼むよ」


とりあえずこの場を出る事に。

そのまま森の外へ出たギラ達は今後を相談する。


「あの、なら僕の魔法の修行に付き合ってもらえませんか」

「そうね、リックの魔法の修行もしてあげたいしいいかしら」

「別に構いませんよ、というか修行って何をするんですか」


モレーア曰く、魔法とは知力と精神力だという。

それを磨くための修行が必要らしい。

興味もあるので、それに付き合う事とする。


「それじゃ明日から修行を始めるわよ」

「はいっ!よろしくお願いします!」

「リックも少しは男前になれるかね、楽しみだ」


そうして魔女が無理矢理仲間になった。

彼女はリックに修行を施してくれるという。


リックの過酷な修行がここに始まるのである。

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