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魔女の善行

バカンス旅行を終えて西に戻ってきたギラ達。

行く前に見た魔女というものの事が気になりそれを探す事に。

とりあえずドラジールでその魔女について訊いてみる。

指名手配されるぐらいだし悪人なのだろうかとも考えつつ行動を開始する。


「確かここに、ああ、ありました魔女の手配書ですね」

「写真がないって事は顔は不明なのかね、似顔絵だし」

「宗教国家で魔女って言うとやっぱり悪にされちゃいますよねぇ」

「とりあえず街の人に話でも訊いてみないか?」


そうして魔女についての情報を集める。

すると以前魔女に助けてもらったという老人に出会った。

その老人に当時の事を訊いてみる。


「魔女、ああ、会いましたね、腰をやっちまって薬をもらったんですよ」

「薬ですか?それって怪しい薬とかじゃ…」


だが老人曰くその薬を疑心暗鬼のまま飲んでみると腰の痛みが引いたという。

それ以来腰の痛みがなくなったそうだ。


「その魔女はどこに住んでるとか言いませんでした?」

「いや、それは聞いてないね、ただ悪人とか言われてても私にはそうは思えない」


老人に薬を渡して腰を治した魔女。

つまり秘薬のようなものを作れるのだろう。

行き先などは訊いてみるが、分からないという。


「行き先は分かりませんけど、ウルゲント国内で活動してるとは思いますよ」

「魔女は悪だと決めつけるような国での活動、勇気があるねぇ」


老人の話では他にも魔女に助けられた人が何人かいるらしい。

そっちの人の事も教えるので話を聞いてみるといいという。

老人にその人の家を聞きその家へ向かうギラ達。


その家は子供を持つ家庭だった。

母親に話を聞いてみる事にする。


「魔女…ああ、うちの子が助けてもらったそうですよ」

「その魔女は薬でも渡したのかな?」


母親の話では子供が怪我をして、それを助けてくれたという。

そのときも怪しげな薬を疑心暗鬼のまま使ったら完治したらしい。


「国は指名手配とかしてますけど、本当に悪い人なのかは疑わしいわよね」

「ふむ、やはり魔女自体は善人で国が宗教的な意味での指名手配ですかね」


母親の話では近くにある薬草の群生地を教えたという。

そこにある薬草は珍しいものも混ざっているからだとか。


「でもそれを教えたのは数日前です、今から行っても会えないと思いますよ」

「うーん、なら他に助けられたって人とか知りませんの?」


その質問に母親は他の街でもいるらしいと聞いたそうだ。

冒険者から聞いたそうだが、ウルゲント国内の街に神出鬼没のようだ。

とりあえずこの街で他に助けられた人の家を聞く。

お礼を言ってその家に移動する事に。


その家は商人の家、つまり道具屋だ。

主人に話を聞いてみるギラ達。


「魔女…ああ、来たな、薬を取り扱ってくれないかって持ちかけられたよ」

「それをどうしました?」


主人の話では断ったらしい。

本当は興味もあって置いてみたいが、国に知れたら店を畳むしかないという。

その事もあって本音では取り扱いたいが、仕方なく断ったそうだ。


「なるほど、ではその魔女がどこから来たとか知らないかね」

「んにゃ、知らんよ、ただ冒険者の噂とかからも街に住んではいないだろうな」


つまりその魔女は街ではない場所に住んでいる。

イメージ出来るのは森の中とか辺境の地とかそんなところか。


「ただ他の街にも行ってるんだし、何かしらの移動手段は持ってそうだな」

「むむむ…こんがらがりますねっ」


ただ主人の話だと民は好意的に受け入れているという。

薬で怪我や持病が治った話も意外と聞くらしい。

つまり国が一方的に悪者認定しているだけで、本質は善なのだと再確認する。


「まあ国民個人ならともかく、店が魔女の薬とか扱ったら免許剥奪だよ」

「商売もその許可を出してるのは国ですからね」


主人の話で魔女の姿が見え始める。

国に悪者の扱いを受けるが、本質は善人。

そして表向きは柔軟だが、内面的には芯が通った相手だ。


とりあえず主人にお礼を言い、万能薬をいくつかお買い上げする。

その後は店を出て、その魔女を改めて探してみる事に。


街の人だけではあれなので冒険者にも訊いてみる事にする。

冒険者ギルドに出向き、噂話や情報を確認する事に。


そこには噂として薬をくれる魔女の噂があった。

魔女を名乗る怪しげな女性が怪我人や病人に薬を与えているという。

それはウルゲント国内の多くの街で確認されているらしい。

だが行き先や住んでいる場所は言わずに去るため、謎も多いそうだ。


冒険者にも話を聞いてみると、魔女に助けられたという冒険者に出会う。


「確かに助けてもらったよ、森で魔物に襲われて、そのときに助けてもらってね」

「薬をもらったんですか?」


その冒険者曰く魔物を倒したあとに薬をくれたという。

綺麗なお姉さんだったので顔は覚えているそうだ。

とはいえ行き先や住んでいる場所は知らないという。


魔物を倒せるぐらいだからそれなりの実力者だとギラ達は考える。

その冒険者に魔女の顔の特徴を聞く。

それをメーヌに記憶させ今後の魔女探しに使う事に。


「探すのはいいけど、ウルゲント国内は広いよ?」

「別に構いませんよ、気の向くままに探してみます」


とりあえずお礼を言ってその場をあとにする。


冒険者ギルドを出たギラ達は魔女の特徴を確認する。

綺麗な顔立ちで茶髪の長髪、露出の多い服装だったそうだ。

出会ったのは森という事は、自衛できる程度には実力はある。

そして単独行動をしている可能性が高い。


あとはその魔女がどこに住んでいるのか。

そしてどこから探すべきなのか。


とりあえずは今はもっと情報が欲しい。

他の街でも訊いてみた方がいいと判断する。

時間はあるので近くにある村に行く事に。


「近くだとセレリノ村だね」

「あのゴブリンのときの村ですか、研究者のシャウスさんは元気ですかね」

「せっかくだし会っていきますか?」


その村にはゴブリンの騒動で世話になった研究者がいた。

彼なら何か知っている可能性はある。

ギラ達は彼にも話を聞くためにセレリノ村へと飛ぶ。


空を飛んでいるときにふとプテラゲイズの事を思い出した。

あれに遭遇するのだけは勘弁願いたいと内心ヒヤヒヤである。

あんな巨大な魔物に勝てるとは到底思えないからだ。

とはいえ遭遇したときのために備えはしておく。


そうしてセレリノ村へと下り立ち、懐かしの再会をするのである。

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