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最北の地

極東の島国を観光するギラ達は最北の地へと来ていた。

そこは広大な土地で様々な食べ物や観光地がある。

空の移動が出来るので普段なら長距離の移動も楽に移動可能だ。

そんな最北の地でのバカンス旅行のフィナーレに向け楽しむ事に。


「まずは南の方ですか」

「ああ、この辺りは主に海産物が食べられる地域だよ」

「今までも散々食べてて確実に太りましたよね」

「リックさんは帰ったら少し運動ですわね」


とりあえず何か食べ物を物色する。

街を歩いていると市場を見つけた。

そこの食堂で何か食べてみる事に。

食べられそうなものを適当に見繕い、それを食す。


「美味しいですねぇ、このカニ」

「にしても凄く高いですよね」

「そりゃそうさ、ここで捕れるカニは高級品だよ」


ソウの話ではこの地で捕れる海産物は高級品なのだという。

本土の方で捕れるものと比べても倍の値段は軽いらしい。

それも全部ソウの支払いなのだから、その太っ腹っぷりに感心する。


「それにしてもソウさん、お金は足りるんですか」

「問題ないよ、現金で200万ぐらい確保してたからね」

「200万!?それどこから手に入れたんですか…」


ソウの謎の資金っぷり。

本人の話ではとあるルートを通して定期的にお金がもらえるという。

怪しいと思いつつも、その資金力を頼りに今は遊び倒す。


そうして海産物を満喫した一行は少し北上する事に。

ソルバードで少々北上した先はこの地の都市部だ。

今度はそこでいろいろと見て歩く事に。


「ここは都会っぽくなりましたね」

「都市部だからね、この最北の地の言わば南西に近い」

「それでまた食べるんですわよね」

「美味しいもの、たくさん食べられるのです」


そんなわけでソウに案内され店を見て回る。

するとギラが面白そうな店を発見する。


「おや?スープカレー、それも辛くて美味しそうな」

「ギラ様、相変わらず辛いものに目がないんですから」

「なら食べていくかい?」

「僕は辛いのは…まあ付き合いますけど」


そうして店に入ってスープカレーを注文する。


「これは素晴らしく美味しそうですね」

「スパイスの匂いが…覚悟を決めますか」


ギラはスープカレーを美味しそうに平らげる。

一方のリックは苦戦しつつもなんとか完食したようで。


「リック、あんた根性あるねぇ」

「僕だけ負けているのは嫌ですから」


リックも結構な負けず嫌いだとは分かった。

苦手な辛いものを負けたくないと完食する辺り、相当な根性の持ち主である。

ソウはそんなリックの男気にとても嬉しそうにしていた。


「それで次はお菓子でも食べたいですね」

「ならいいお菓子の店を知ってるから連れてってやるよ」

「甘いもの…楽しみです」


テュトスは外部ユニットなのにきちんと食べているのが不思議である。

本人曰く食べたものはエネルギーになり本体に転送されるらしい。


そんなわけでソウに連れられてケーキ屋に入る。

ここはこの地の特産品の乳製品から作られたチーズケーキが絶品らしい。

ならばとそれを注文する一同。


運ばれてきたチーズケーキはとても美味しかったようで、頬が緩んでいた。

その店をあとにしたギラ達は再び少し北上する事に。


少し北上すると今度は少し別の都市部に到着する。


「ここには何があるんですかね」

「ここはそうだね、なら少し面白いものを見せてやるよ」


ソウが案内してくれたのは動物園だった。

そこはこの国の動物園でも有名な場所だという。

入園券を買い中へ入る。


「へぇ~、可愛いですね」

「動物がこんな近くで見れるんですねっ」


ソウ曰く動物園はこの国では一般的らしい。

他にも水族館などもあり、芸を仕込むのも得意なのだそうだ。


「それにしてもこういう人の手で飼育された動物も新鮮ですよね」

「西だと動物はいるけどね、ただこういう施設は珍しいか」

「この国は西みたいに魔物が出たりもしませんからね」


ソウの話では近海には海洋生物の魔物は生息しているという。

だがこの国に近づこうとすると危険だと分かっているのか、近づかないそうだ。

鳥の魔物などもこの国には基本的に下りてこないらしい。


「でも軍隊とかは一応あるんですよね?」

「一応ね、国防のための部隊はきちんと存在してるよ」

「それでもこの平和は西では見れない気がしますね」


確かに今までの都市でも平和な感じがした。

争いはあるものの、西に比べたら全然平和である。

それは外国との交流に消極的な姿勢が理由なのかもしれない。


とはいえ護身のために学校で武器の使い方を習ったりもするそうだ。

誰かが助けてくれるとは限らないからこそ、自分の身は自分で守るという事である。

それでもその護身術もそこまで使う機会は多くないらしい。


志願して国防の部隊に入隊する人も一定数いるそうだ。

そのため軍事力はそこそこ高いらしい。


「ま、軍隊がないと平和は守れないんだよ、無抵抗な国なんて攻められておしまいさ」

「そうですね、殴られても殴り返さないと相手は調子に乗ってさらに殴ってきます」


平和を守るために軍隊を保有する。

これは誰でも分かるような初歩である。

無抵抗な国は攻められたら一週間せずに陥落して滅ぶ。

国防のための軍事費を惜しむ国はダンボールの盾で戦うのと同じなのだ。

国防のために軍事にお金をかけるのは平和を守るという意味でも重要である。


そうして動物園を満喫し、都市部でラーメンを食すギラ達。

それを満喫したらいよいよこの地の最北端へ飛ぶ。


そこはこの地の最北端の岬だ。

ギラ達は南からこの国を縦断したのである。


「最北端、来ましたね」

「ここがこの国の最北端、この国は楽しんでもらえたかな?」

「はい、凄く楽しかったですよ」

「なのです、美味しいものもたくさん食べて幸せなのです」


ソウはそんなギラ達を見て嬉しそうにしている。

そのまま都市部に戻りホテルを確保する。

明日には西に戻るので、今日はさっさと寝る事に。


ソウの故郷にして極東の島国。

それは今まで知らなかった多くの事を学ばせてくれた。

リックも恋夜もこの国について非常に興味を持ったらしい。

とりあえずはバカンス旅行は今日で終わり、明日からは西で冒険者に戻る。


ギラは来る前に見た魔女というものが気になっているからだ。

その魔女に接触するのが帰ってからの目標になる。

謎の存在の魔女に出会うために。


そうして極東の島国での最後の夜は更けていくのである。

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