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箱の正体

台風も晴れお宝探しを再開するギラ達。

今回も今回とてテュトスがついてくる。

未知の技術で作られた箱、それの正体は掴めぬままだ。

とりあえず美月と皐月の情報も頼りにそれを探してみる。


「結局何も分かりませんね」

「ま、まあ…」

「それでどうするんです?」

「正体が掴めぬままではどうにもいかん」


恋夜の言う事も尤もだ。

その謎の箱、それはどこにあるのかと。


「まあなんとでもなるんじゃないですかね」

「ギラさん楽観的ですね…」

「それがギラ様ですし」

「やれやれ、まあ当たって砕けろかね」


そうして言われた場所なども探す。

だがそれらしきものは見つからない。

ますます胡散臭くなってきたものである。


「…あの」

「テュトスさん、どうかされました?」


テュトスが何か言いたそうである。

その話も聞いてみる事に。


「灯台下暗し…とかはないんでしょうか」

「つまりその箱はもっと近くにある、ですか?」

「うーん、その可能性も否定は出来ませんけど」

「とはいえなんでそんな事を言い出すのさ」


確かにその理由が気になる。

テュトスは何かを隠している、そんな気もするからだ。


「テュトス、あんた何か隠してないかね?」

「そうやって疑いたくはないですけど…」


テュトスは何かを隠している。

ソウはそうも感じていた。

だからこそそこに踏み込もうとする。


「えっと、ならついてきてもらえますか」

「まあ別に構いませんけど」


そうしてテュトスについていく。

美月と皐月も呼び、案内されたのはホテルのテュトスの部屋だ。


「それで未知の技術で作られた箱って何かしら」

「説明してくれるのよね?」

「ええ、それは恐らくこれだと」


そう言ってテュトスは小さな箱を取り出す。


「これが未知の技術で作られた箱?」

「なんであんたがそれを?」

「えっと、この箱は私の本体なんです」


その言葉に一同は驚きを隠せない。

小さな箱がテュトスの本体、それはどういう意味なのか。


「えっと、私はアンドロイドで、この箱は私の本体っていう…」

「つまりテュトスさんは外部ユニットか何かで、その箱がテュトスさん?」

「なんか混乱してきた、つまりその箱が本来のテュトスなのかしら」

「そうなるわよね、本体って言ってるし」


要するに今会話しているのは外部ユニット。

そしてテュトスという存在はこの小さな箱なのだという。

それに混乱しつつも一同は不思議と納得していた。


「ふーん、それはそれで面白いね」

「驚きました…よね?」

「まあ驚きましたけど、その手のものは慣れてますし」


確かにこれまでの経験からしたらそれも慣れたものである。

とはいえこの箱は渡せないとテュトスも言う。


「それがあなたの本体って言うなら、奪うわけにもいかないものねぇ」

「そうね、だから今回は私達の負けでいいわよ」

「では私の勝ちですね、ふっふぅー」


まあ勝負の結果としてはギラの勝ちだろう。

それでテュトスに今後の言を訊く。


「えっと、ギラさん達についていったら駄目…ですか」

「私達にですの?それは別に構いませんが」

「なのです、それも面白そうなのです」


意外とすんなり受け入れるギラ達。

そもそもギラは差別などはしないが、嫌いな奴は一方的に殴るタイプである。

なので断る理由もない。


「ありがとうございます」

「そんじゃ話はまとまったかね」

「そうね、私達はまた新たなお宝目指してどこか行くわ」

「会えたらまた会いましょうね」


そう言って美月と皐月は新たな旅に出てしまった。

今後も二人にはどこかで会える気がする。

そしてギラ達も今後を相談する。


「なら時間もありますし、本土まで行きません?」

「本土か、そこまで行くと少し時間が必要だね、本土の前の南の地を経由しよう」

「分かりました、ではそこに最初は向かいましょう」


そうして話はまとまった。

そのまま荷物をまとめチェックアウトを済ませる。

ソルバードに乗り込み、本土の前にある地へと向かう。


ソルバードで飛ぶ事数時間。

その地に下り立つギラ達。


「ここがその南の地ですか」

「ここも独特の風情がありますわね」

「とはいえ地域で分かれてるからね、全部見るのは厳しいかもしれない」


ソウ曰くこの国はそれなりの大きさの地域がいくつもに分かれているという。

それにより形成されているのがこの国らしい。


「全部は無理なら主要な観光都市だけでも見ますか」

「なのです、それで充分なのですよ」


そうして観光を開始する。

今いるのはこの地の最大都市だという。

食べ物なども美味しいらしく、ギラ達はヨダレが出る。

時間的に昼時だったので、近くの店に入る事に。

ギラ達の格好は珍しいのか、視線を集めてしまっている。


ちなみに入ったのはラーメン屋である。

この地の名物である豚骨ラーメンの店だ。


「ふむ、ラーメンもいいものですね」

「替え玉くださーい」

「メーヌさん食べますね…」

「ふふっ、それもいいです」


ギラ達はそれを知らなくはない。

リック達には初の経験のようだが。


「ふぅ、満足ですね」

「それにしても、独特ですね、メンタイコっていうのが美味しかったですわ」

「おや、明太子を気に入るとは分かってるじゃないさ」

「それで次はどこへ行きます?」


次の目的地、なら面白いものがあるとソウはそこへ連れていってくれる。

そこは現地のお菓子工場だった。


「お菓子工場ですか、食べられたりします?」

「食べられるよ、ついでに見学した人にはお土産もくれる」

「太っ腹なのですっ」

「こういう異国の地は実に興味深いね、隅々まで見ておきたいが時間が足りないか」


とりあえず工場見学をするギラ達。

中で出来立てのお菓子を食べたり、その製造過程を見たりしていた。

その光景にリックやエレネも目を輝かせていた。

この国は文明は発達しているようで、機械なども多く見受けられる。

恋夜はそんなこの国の歴史にとても興味を示していた。


そうしてこの地の様々な場所を時間が許す限り観光したギラ達。

次はいよいよ本土に行く事になる。

全部は見れないとソウは言うので、主要都市を頼む。

それにソウも了承し、次の主要都市へは明日飛び立つ事に。


近くのホテルにチェックインしてその日の夜は更けていく。

この地でも温泉を満喫し、心身ともに癒やされたギラ達。

明日行くのは西の大都市だという。

リックはそんな未知の土地でまた一つ勉強したのである。


極東の島国、それは独自の発展を遂げた未知の国なのだ。

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