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観光と調査

バカンスを楽しむギラ達。

だがその一方でお宝の勝負もしていた。

一旦は観光に出ているギラだが、その調査は忘れない。

未知の技術で作られた箱、その気になるワードを頭に留めている。


「美味しいですね」

「だろう?この国特有のお菓子さ」

「甘いものは好きなのでいくらでも入りますね」

「リックさんって甘党ですわよね、結構な」


街を出歩き試食などもして楽しむ。

お土産屋で木刀を見つけてはしゃいだりもする。


「それでどこへ連れていってくれます?」

「希望があるなら言ってみな」


ソウ曰く希望があればどこにでも連れていってくれるらしい。

それならとリックが歴史に関係する場所を希望する。


「歴史関係か、ならあそこだね、行こうか」


そう言ってソウは歴史記念館に連れていってくれた。

この国、そしてこの土地の歴史が保管された場所だ。

一般開放もされており、自由に見学が出来る。


「この国の歴史は深いんですね」

「ああ、想像よりもずっと壮絶な歴史を歩んでいる」

「まあね、だからこそ結果として今があるのさ」


その後も歴史記念館を見学するギラ達。

そうして見学を終え、近くの店で食事を摂る事に。


その店はこの土地独自の料理を提供する店だった。

食材なども興味深く、メーヌは成分分析までしていた。

リックやペトラもその味には驚いていたようだ。


食事を済ませた一行はそのまま街中を散策する。

国の中とはいえ島だからなのか、そんな規模は大きくない。

だがそれでも大地主の土地よりは大きい程度には広いのだ。

全部見て回るには時間が必要である。


「おや、ギラじゃない」

「本当ねぇ、観光かしら」

「どちら様ですか?」


会ってしまった以上事情を説明する。


「お宝ですか」

「それも未知の技術で作られたものねぇ」

「そうなの、よければ一緒にどうかしら」

「楽しいわよぉ」


メーヌ達もそれに面白そうだと乗ってきた。

美月と皐月はそれについて説明する。


「なるほど、この地にそんなものがねぇ」

「ええ、だから意地でも見つけてやろうって」

「それで来てるのよねぇ」


だが未知の技術で箱とはいえどんな箱かは分からないという。

だからこそ徹底的に調べるのだともいう。


「まあ見つけたら一応は知らせよう」

「ああ、そうしてくれると嬉しいわ」

「それじゃ私達は行くわね、ばーい」


そうして二人は行ってしまった。


「それでどうやって探すんですかねぇ」

「無機物はメーヌでも簡単には…」

「箱とだけしか情報もないのです」


どうやって探すかを考える。

相手も優秀なハンターな以上簡単にはいかないだろう。


「あ、昨日すれ違った」

「あなたは…」


そこに現れたのは昨日の夜ギラがすれ違った女性だった。


「何をしているんですか」

「少しお宝さがしですよ」

「はい、お宝さがしですね」


するとその女性は少し楽しそうに言う。


「なら私も一緒に探していいですか」

「そいつは構わないが…」


別に何か問題があるわけでもない。

それを了承して事情を説明する。


「なるほど、分かりました」

「それでどうやって探します?」


それを探すのは簡単ではない。

この広大な島でどうやって探すのか。

相手もそんな広範囲は探せないと踏む。


「まあなるようになるさ、観光の続きでもしないかい」

「なら私もお伴します」


そう言って観光を再開する前に。

彼女の名前を聞いていない事を思い出す。


「テュトス、そう呼んでください」

「和装なのに洋名なのか、まあいい、よろしく頼むよ」


そうして一旦観光を再開する。

テュトスもギラ達に楽しそうについてくる。


それ以降は観光を満喫し、ホテルへと戻る。

とはいえまだ正午だ、ギラ達は暇を持て余す。

それならとホテルにあるプールに行く事に。


プールに移動して水着に着替える一行。

ギラは相変わらず不満顔だ。


「大きいプールもいいんですけどね」

「泳げないなら特訓してやろうか?」


ソウがギラに提案を持ちかける。

だが怠惰の塊のようなギラはそれは断っておいた。

他のメンバーもプールを楽しんでいる。

そもそもお宝なんて本当にあるのかとも思いつつ、今は遊ぶ。


「おや、お二人も来てたんですね」

「ああ、さっき行った市街にはなかったっぽいしね」

「それにしても未知の技術で作られた箱、どんなものなんでしょうね」


テュトスもそれには興味を示す。

とはいえそれだけでは曖昧すぎてなんとも言えないものだ。


「それよりお姉様、お姉様分を補給させてくれないかしら」

「仕方ないな、皐月は、ほら」


二人は濃厚なキスをしていた。

姉妹なのにレズカップルという、ある意味禁忌のような関係だ。


「それにしてもあたしとしても疑わしいとは思うんだよね」

「お宝なんてそんなものよ」

「だね、だからこそ見つけたときの嬉しさも人一倍さ」


ソウもそんな嬉しさについて語る。

ギラもそれは知っているつもりだ。


「まあ、気楽にやっていくわ」

「そうね、焦らずに」

「お二人は貫禄を感じますね」


テュトスもそんな二人には感心していた。

そんな濃厚なレズカップルは二人の時間を楽しそうにしているのが羨ましいものだ。


ギラ達も今は遊んでおく事にした。


一方のメーヌは豪快に泳いでいた。

それもメーヌらしさだろう。

ペトラといい勝負を繰り広げるのも楽しそうにしている。


「メーヌの勝ちですね」

「悔しいですわね!」

「二人とも泳ぐのなんでそんなに速いんですか」

「驚いたのです」


メーヌとペトラの泳ぎはプロの競泳選手も真っ青なものだった。

そんな二人の熱い勝負に周囲の客からも拍手が起こっていた。


「メーヌの熱血は今に始まったものですないですしね」

「ですねっ、熱血なのがメーヌさんですっ」

「あの人は何者なんですか」


テュトスもその勝負には驚いていた。

二人の勝負はまさにプロの世界であった。


ギラもそんなメーヌを見ていて安心感を覚える。

元々は自分の寂しさを紛らわせるために生み出した存在。

それが気づいたら大切なパートナーになっていた。


ギラ自身冷酷な存在だ。

だがそのどこか寂しげな背中を今は仲間達が支えている。

この世界を滅ぼすにしても、仲間達はいっそ連れていってしまうかとも考えていた。

元々はこの世界を滅ぼすために来ている、それは忘れてはいない。


「滅ぼすにしても、私はそれを…」

「ギラ様…」


翠もそんなギラを信じている。

だからどこまでもついていくという覚悟は決めているのだ。


お宝はどこにあるのか、バカンスとお宝探しはまだ始まったばかりである。

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