下町の闇ルート
神像を追いかけリバージはへやってきたギラ達。
目的の貴族の家を探していると、それはすんなり見つかる。
とりあえずその家の主人に神像の事を尋ねる事に。
家の呼び鈴を鳴らしてみる。
「はい、どちら様ですか」
「えっと、アメリアという行商人から神像を買った人だよね?」
その貴族は少し考えると、思い出したらしい。
「ああ、買いましたよ」
「それは今ここにありますか」
貴族は今はもうないと言う。
どこに売った、または譲渡したのかを訊く。
「確か船乗りの人に譲渡しました、先日まで雨続きなので祈願したいと」
「それってこの街の船乗りですよね」
貴族の男曰くこの街の船乗りで間違いないという。
輸送船団の副船長に渡したはずなので、訊いてみるといいという。
「分かりました、感謝します」
「いえ、それじゃ用が済んだなら私はこれで」
そうして貴族の男性は眠そうに家の中に戻っていく。
ギラ達は港へ向かい、輸送船団の副船長を探す事に。
「輸送船団…」
「輸送船を探すしかないね、停泊してればだが」
「とにかく行きますわよ」
「なのです、言うより動くなのです」
港を歩き回り輸送船を探す。
だが輸送船団は見当たらない。
近くの人に輸送船団について聞いてみる。
「輸送船団?それなら今はバドカに行ってるよ、戻るのは三日後くらいかな」
「バドカ…分かった、すまない」
時間はある。
ギラ達はソルバードに乗り込みバドカへと飛ぶ。
仮にアルセイムと往復したとしても夕方には戻れる計算だ。
時間があるうちにバドカへと最高速度でかっ飛ばす。
そうしてバドカへと到着する。
即座に港に移動して、リバージの輸送船団を探す。
すると大規模な船団が停泊しているのを発見する。
ギラ達はすぐさま副船長を探し始める。
「副船長は…」
「船員に訊いた方が早いね」
そんなわけで船員に副船長の事を尋ねる。
副船長は今は荷物の納品先の酒場にいるはずだという。
ギラ達はすぐに酒場へ向かう。
すると酒場のマスターと商談をまとめた船乗りを見つける。
「あなたが輸送船団の副船長ですか」
「そうだが、あんた達俺に何か用か?」
神像の事を尋ねる。
「確かに譲ってもらったな、でも今は流しちまったよ」
「どこに流した」
副船長はある闇ルートの事を話してくれる。
自分が流したのは普通の商店だが、そこから闇ルートへ流れた可能性もあるという。
「ガルベス商店、そこはミリストスの下町に繋がりのある店だ、意味は分かるな」
「闇ルート…ですか」
ガルベス商店は表向きは輸入品を扱う店だという。
だが裏では下町から横流しされたものを密かに売っていたらしい。
それにより下町のクズどもは遊ぶ金を得ていたのだという。
今でこそ逮捕された奴らだが、ガルベス商店もそれに見切りをつけたという。
元々は自分の持つ闇ルートでの稼ぎのために下町を利用しただけとも言われる。
「その商店はどこに?」
「噂だとミリストスの商業区の端の方に店を構えてるらしい」
「分かった、なら行くだけ行ってみる」
副船長を解放しギラ達はソルバードで即座にミリストスへ飛ぶ。
ミリストスに着いた頃には時間は夕方前を回っていた。
だが闇ルートに近づくなら夜がいいと思っていた。
とりあえず夜になる前にガルベス商店を訪れる事に。
「ここか、間違いなくガルベス商店だ」
「開いてますね、とりあえず中へ入ってみましょう」
そうして中へと足を踏み入れる。
「はい、いらっしゃい」
「あの、以前リバージの輸送船団の副船長から神像を買いませんでしたか?」
店主のガルベスはその質問に店の品を買ってくれたら教えるという。
「ならこのウルゲントのミルクスティックをもらおうか」
「それ結構な値段だが、もう少し安いのでもいいんだぞ」
ソウはそれを買う事で決めている。
ミルクスティックは高級ミルクで作ったミルク飴だ。
「まあいいや、それで神像だよな」
「ああ、どうせないとは思うが念の為な」
ガルベスは神像は闇ルートに流したという。
珍しい品だったからなのか、高く売れたそうな。
「その闇ルートの品はどこに行けば拝めるかな」
「摘発させたりしないなら教えるが、どうする?」
「まあ今はそれよりも神像なんで教えてください」
ガルベスは提案をする。
「なら今夜もう一度来な、直接案内してやるからさ」
「見張るつもりですのね、まあいいですわ、それで飲みます」
そうして交渉成立。
今夜再度ガルベス商店を訪れる事に。
そうして適当に時間を潰し夜になってからガルベス商店を再度訪れる。
店の前には店主のガルベスが待っていた。
「本当に来たのか、なら俺もそれに敬意を表するぜ」
「それよりさっさと案内していただけます?」
ガルベスは笑いながらそれを了承する。
そして闇ルートの商売が行われている秘密の場所へと連れていってくれる。
「ここだな、夜の短時間の間に開かれる闇市だ」
「とりあえず流した人に会わせてくれ」
ガルベスは神像を流したという闇市の古物商のところに連れていく。
「神像?ガルベスさんから買ったあれか、あれなら売れちまったよ」
「誰に売った?その売った人はどこの人間だ」
古物商は記憶が確かなら、ミッドハークに住む金持ちだという。
変なものを集めるのが趣味の変わり者らしい。
「その人はミッドハークに住んでいますのね?」
「ああ、あんた達も行った事はあるだろうし言うが、ミッドハークの元締めな」
「つまりミッドハークの商売を取り仕切る人ですか」
とりあえず行き先は掴んだ。
一応お礼は言っておく。
「お礼を言うなら何か買ってくれた方が嬉しいんだがねぇ」
「ははっ、まあ今回は彼女達も本気らしいから許してやりなって」
ガルベスもギラ達の本気を感じていたようだ。
とりあえず感謝の意を述べ、明日ミッドハークへ向かう事に。
ガルベスにその場所から連れ出してもらい、その場で別れる。
そうして宿に戻り今夜はもう休む事に。
「ふぅ、あなた達本当に忙しないですわね」
「今回は仕方ないんだけどね、まあこの一件が片付いたら少し休ませるよ」
「ほう?では期待してよろしいのですね?」
ソウはこの一件が片付いたら少し休暇にしようと言う。
まあ今までも散々動いているので、休むのもいいかとギラ達は思う。
仕事が終わったあとのご褒美を期待しつつ、仕事に対して気合を入れる。
ギラ達も分かりやすいものである。
そうして神像を追う旅はまだまだ続くのだ。
人の手を渡り続ける神像は今はどこにあるのだろうか。