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秘匿の廃鉱

神像を売ったアメリアを追いカーミンスにやってきたギラ達。

ここは今回の大追跡でまだ来ていない。

行方不明になった有翼人の娘の事もあり、何かと面倒である。

とりあえず商店の人にアメリアについて尋ねてみる。


「アメリアさん?確かにさっき来てたな」

「どこに行ったか存じていますか」


商店主はアメリアはスカド山へ向かったという。

あの山は以前薬草を採りにいった山。

あの山に何かあるのだろうか?


「多分夕方には戻るだろうさ、追いかけてもいいけどな」

「夕方…なら追います、その山に何をしに行くと?」


商店主曰くその山には廃鉱があるという。

その廃鉱は珍しい鉱石などが掘れるので、それを仕入れに行ったそうな。

場所は山に入ってすぐの場所にある岩陰だそうだ。


「分かりました、では行ってみます、それでは」

「魔物が強いらしいから危険なら引き返せよー!」


そうしてギラ達は西門から出てスカド山へ。

歩いてすぐの場所にあるスカド山。

山に入りすぐの場所にある岩陰を調べると、そこには廃鉱への入口があった。


ギラ達はそこから廃鉱へと足を踏み入れる。

その中は暗いものの、ある程度の視界は確保出来る。

アメリアは奥だろうと考え、廃鉱の奥へと進んでいく。


「確かにここは魔物が強いですね」

「外とは比べ物にならん、こんな場所があった事自体初耳だ」

「おほほ、この程度に音を上げるなんて貧弱!貧弱ゥ!」

「ペトラさん元気ですっ」


確かにペトラの剣術は見事なものだ。

これがウルゲントの神殿騎士の剣術なのだろう。


まあそれはいいとして、ギラ達は奥へと進む。

そんな道中でミスリルやダマスカスの原石をいくつか掘り当てる。

これを売れば結構な収入になるだろう。


「ミスリルやダマスカスが結構掘れるな、ここは良質な鉱脈だろう」

「これを売ってお金もウハウハですねっ」

「そうですねぇ、少しは贅沢も出来そうです」

「強欲ですわね、目が輝いてますわよ」


欲望には忠実なので特に問題はない。

その後も鉱脈を掘りつつ奥へと進む。


「これ、珍しい剣なのです?」


エレネが地面に刺さっている古い剣を見つける。

恋夜曰くそれなりにいい品のようだ。

売れば金になると踏み、この剣も回収しておく事に。


「それにしてもこういう死体漁りみたいなのいいんですかね」

「別にいいんじゃないかね?死んだ戦士の装備にはそれなりのものが多いしさ」


ソウは死者を弔うと同時に装備品を回収し市場に流すべきという。

見た感じそれなりに優良な装備をしていたのが分かるからだ。

このまま腐らせるにはもったいない品が多いという。


「ならそうしますけど」

「優良な装備は回収なのです」


それよりも本来の目的だ。

アメリアはこの辺りにはいないようだ。

もっと奥なのだろうと思い、さらに奥へと進む。


そして奥に進むと、巨大なウサギと戦っている商人を見つける。


「こいつを倒せばゴールなんだけどねぇ」

「加勢しますわよ!」


ペトラが先陣を切ってウサギに斬りかかる。


「あんた達何よ!」

「キミに用事があってね、とりあえず話はアイツを倒してからだ」


そうしてペトラの剣術が冴え渡る。

ウサギは瞬く間に地に伏せていった。


「おほほ、弱いですわねぇ」

「ペトラさんって意外とサディストなんですかねぇ」

「かもしれん」


商人はポカーンとしていた。

それはそうと本題を切り出す。


「あんた、フェリード族のジョンから神像を買ったろ、それはどうした」

「神像…ああ、あれか、あれなら売れちゃったわよ」

「またか…誰に売ったか覚えているか」


アメリアはその売った人の情報は個人情報なので教えられないという。

ただし、売った街は教えてくれるので、自力で探せとの事だ。


「売ったのはリバージの貴族様よ、貴族街の立派な家のね」

「せめて家の特徴とか教えてくれないか」


アメリア曰く信頼に足らないと無理だという。

それならという事で、道中で手に入れた装備品をその場で取引する事に。


「こいつを全部売ってくれるからねぇ、こいつは負けだわ」

「ふむ、交渉成立かな」


アメリアはその装備品を全部高値で買い取ってくれた。

そして売った相手を教えてくれた。


「売ったのはリバージの貴族様ね、黄色い屋根の家がその家よ」

「感謝する、それよりキミも目的があるのではないか」


アメリアもそれを思い出したようだ。

奥にある鉱脈から銀色の金属を掘り当ててくる。


「ゴールドメタルゲット、これで商売になりそうね」

「ゴールドメタルねぇ、それなりにお高い金属か」


とりあえず目的は達したので引き上げる事に。


廃鉱を出たところでアメリアと別れる。

ギラ達は一旦カーミンスへと引き返す事に。


「それはそうとこのミスリルやダマスカスはどこに売ります?」

「やっぱり価値が分かる人ですよね、鍛冶屋とか」

「エマーソンさん…は引退してますから、別の人ですね」

「なら鉱石の需要がありそうなところに売りましょう」


鉱石の需要がありそうな場所。

鍛冶屋の他では兵器開発の研究所などだ。

どこに売るかは今は考える事に。


「とりあえずリバージですね」

「そうだね、時間はあるし行ってみるとしよう」


そうしてソルバードに乗り込み、リバージへ飛ぶ。

その道の途中で何か違和感を感じる。


「熱を感知、何か向かってきます!」

「あれは…巨大な魔物か!こっちに来るぞ!」

「メーヌ!回避しなさい!」


なんとかその巨体を回避する。

その魔物はそのまま飛び去っていった。


「なんだったんですか、あれ」

「まさかプテラゲイズか、噂には聞いていたが本当に存在したとは」

「プテラゲイズ?それって太古に存在したっていう翼竜ですよね?」


リックの話ではそのプテラゲイズは昔に存在した魔物らしい。

だがいつしか姿を消し絶滅したとも囁かれていた。

それが今回目の前に現れたのだ、特に恋夜はそれに酷く興奮していた。


「ふふ、はははははっ!!これは面白い!私の好奇心が疼く、あいつを調べたい」

「いや、あんなでっかいの倒すだけでも死にかねませんよ?」

「それに大きさを考えてみなさいな、私達なんてアリのようなものですわよ?」


まあその大きさを考えれば簡単にぺちゃんこである。

とはいえ今後遭遇した場合に備えておく事は必要になるだろう。

巨大な魔物プテラゲイズ、それに遭遇する事は今後もあると考えておく。


とりあえず今はそのままリバージへと向かう事に。

プテラゲイズ、本物に遭遇するとは幸運なのか不幸なのか。


神像の追跡に障害が増えていく気がする、そんな予感がしていた。

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