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進化する翼

神像を追うギラ達はアルセイムのリメンズに来ていた。

ここはソルバードを譲ってもらった街でもある。

今回の目的地は王立研究所の神像を買ったという人物を探す事。

とはいえ王立研究所に入れるのかという疑問も同時にあった。


「さて、来たのはいいものの」

「王立研究所にそんな簡単に入れるんでしょうか」


問題はそこである。

流石に国の直属の機関だ。

そんな簡単に入れたら苦労はしないものである。


「おや、君達はあのときの」

「あっ、あなたは確かアーロンさん」


ソルバードを譲ってくれた研究者だ。

ギラ達は無理を承知で彼に相談を持ちかける。


「あの、王立研究所に入る事って出来ますかね、そこに用があるんですが」

「王立研究所に?何をするかはともかく出来るよ、ついてきて」

「意外とすんなりいったね、驚いたな」


そうしてアーロンについていき王立研究所へ。


「すまない、彼女達が中に入りたいそうだ、私の親友なんだが構わないか?」

「アーロンさんの知り合いなら…今回だけですよ」


アーロンが少々無理を通したらしい。

そのまま中へと進んでいく。


「ああ、そうだ、君達にあげたあれ、外に停めてあるんだよね?」

「そうですけど、何かあるんですか」


アーロンはソルバードの事を言っているようだ。


「データも集まってるし、少し改造してあげるよ、夕方には終わらせるからさ」

「まあ今よりもよくなるなら構いませんよ、頼みます」


それを承諾する。

アーロンは気合を入れてギラ達と別れ、ソルバードの改造に向かっていった。


「さて、それより神像ですね」

「多分宗教の研究とかをしている場所…ですよね」

「一応近くの研究員に話を聞いてみるか」


そうして近くの研究員にそれについて訊く。

するとこの研究所の歴史研究室の場所を教えてくれた。

ギラ達はその歴史研究室へと向かう。


「失礼します、ここに一ヶ月前ぐらいにオルバインで神像を買った人はいますか?」

「神像?それなら…グレンかな?あそこにいるグレン・ブラッグス」

「分かりました、感謝します」


ギラ達はそのグレンに声をかける。


「神像?ああ、確かに買ったよ」

「それは今はどこに?」


神像の行方を訊く。


「あれなら研究も終わって売ったよ、確かグラテーロの古物商だね」

「またか…その商人、それか商店の名前は分かるか」


どうやらまたしても別の場所に売り飛ばされたらしい。

今度の売却先はグラテーロだという。


「えっと、シーツ、シーツっていう商人で店の名前はラリー商店だ」

「分かった、感謝する」


グレンはその神像の事を尋ねる。


「あの神像は東の国の神様みたいだけど、実に興味深かったね」

「そう言ってくれるなら光栄だね」


ソウも興味を持ってくれる事は嬉しいようだ。

とりあえず研究室をあとにする。

今はソルバードは改造作業がされているので、少し足止めだ。


「それにしてもどんどん転々としてますね」

「アタシが放置してたのが悪いんだろうな、もっと早く動いてれば」

「とはいえそんな簡単に特定するのも困難ですし」


なんにしてもソルバードの改造が終わるまでは街に滞在する。

一旦解散し各自自由という事にする。


「…それにしても見られてますね」

「なのです、珍しいみたいなのです」


ギラとエレネも周囲から珍しそうに見られる。

まあ見た目が子供なので無理もない話だ。


「それにしても研究者の食べるものってこんなものばかりですね」

「エレネは美味しいと思う」


二人は栄養補助食品のブロックを食べていた。

味はギラがチーズ味、エレネがポテト味だ。


「パサパサしますねぇ、牛乳が欲しくなるじゃないですか」

「胸は大きくならないなのです」


エレネもぶっちゃける。

まあそんなものいらンがな。


「胸が大きくなるとか都市伝説ですよ、誰が言い出したんですか」

「同意なのです胸が大きくなるとか都市伝説なのです」


二人の本音が炸裂しながらも時間を潰す。

一方の翠と恋夜はアーロンの作業を見ていた。


「外観がすでに出来上がっている以上内装の改造かな?」

「みたいですね」

「今回は見た目は変えられないからな、それでも中を拡張してみせるさ」


アーロンもどんどん作業を進めていく。

この様子なら本当に夕方には終わりそうである。


「よし、次だ」

「研究者というものは立派なものだ、私も見習わねばな」

「流石は恋夜さんですねっ」


そうしてソルバードの改造は進んでいく。

夕方には終わるというが、夜の飛行は危険もあるので今夜はここに泊まる事になる。

一方のメーヌとソウとリックは研究員用の休憩所にいた。


「はぁ、癒されるねぇ」

「ここって要するに大衆浴場ですよね」

「みたいですね、今はお風呂は掃除中みたいですけど」


研究員達も休息は必要だ。

規模はそんな大きくないものの、ここで汗を流し疲れを取っているのだろう。


「残念だねぇ、リックとお風呂で楽しいコトしたかったのに」

「もう慣れてますから、その手のものは効きませんよ」

「むぅ、不満です」


普段から一緒に風呂に放り込まれているのだ。

女性の裸を見ても反応が薄くなっていても無理はない。

リックもある意味慣れてしまっているようだ。


「リックもいい歳なのに、振り回されてるねぇ」

「本当ですよ、というかギラさん達がもっとこう…」

「いいじゃないですか、可愛い男の子はお風呂でウフフしたくなるんですから」


メーヌも大概なものだ。

普通の人間とはズレた感覚の持ち主と言われても仕方ないと感じるリック。

そこに羞恥心なんてものはなかった。


そうして夕方になりアーロンからソルバードの改造が終わったと聞く。

その改造したものの説明も受ける事に。


「とりあえず座席の配置を変えた、これで定員は10人まで乗れるよ」

「操縦席以外は横に配置ですか、確かに座れる人数が増えてますね」


次に新たな機能の説明だ。


「それと悪天候にも対応してある、七割以上の速度を出せば悪天候でも問題ない」

「分かりました、覚えておきます」


そして次は最高速度の上昇だ。


「最高速度も今までの三割増しまで出せる、これで移動も快適になると思う」

「ふむ、速度の上昇は確かに嬉しいね」


その後も細かな改造点なとの説明を受ける。


「以上だ、今後もデータの収集に協力してくれよ」

「分かりました、感謝します」


そうしてアーロンは研究所に戻っていった。

ギラ達も今日はここに滞在し、明日グラテーロに向かう事に。


神像は常にその手元からすり抜けていく。

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