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宵闇の商店

太陽神の神像を追いかけるギラ達。

ケーシーという行商人を追いかけオルバインへと再び下り立つ。

久しぶりのオルバイン、その様子は特に変化はなかった。

とはいえニュクス教団の壊滅により幾分かは静かになっていた。


「さて、ケーシーという人を探しますか」

「取引先ってどこなんでしょう」

「神像みたいな骨董品を扱うなら、そういうお店では?」

「なのです、行ってみるのです」


とりあえず首都の骨董屋を探してみる事に。

ヴェステッドは機械関係だけでなく、骨董品などの店も多い。

それはコレクターなどにも積極的に商売をしているという事だ。

バラ売りの店などがあるのもオルバインらしさである。


「ふむ、一番大きな骨董品屋はここですね」

「一応話は聞いてみようか」


そう言って店の中に入る。

店主に神像について尋ねてみた。


「ケーシー?名前は知ってるけど、うちとは取引してないよ」

「そうなんですか?」


この店はケーシーとは取引していないという。

だが神像がありそうな場所に心当たりはあるらしい。


「だとしたらあれだ、ナイトマーケットに流れたかもな」

「ナイトマーケット?なんですかそれ?」


店主曰く夜にのみ開かれる自由市らしい。

そこでは珍しい品が多数並び、コレクターにはたまらないのだという。

保証はしないがそこにならあっても不思議ではないという。


「それは毎日なんですか?」

「えっと、偶数の日に開かれるんだ、今日は偶数の日だから夜を待ってみるか?」

「保証はないとはいえ…他に情報も今はないですし」


とりあえずその場で相談する。

一日潰すとはいえ今はそれに賭けてみるしかない。

主人にナイトマーケットの会場の場所を訊く。


「ナイトマーケットの会場はエグマビルの地下二階、そこで夜十時からだ」

「分かりました、情報感謝します」


主人はケーシーの事も話してくれた。


「あとケーシーって奴は時は金なりな奴だ、もうこの国にはいないかもしれん」

「そんな早く…なんにしてもありがとうございます」


お礼を言って店を出る。

そしてナイトマーケットの時間になるまで時間を潰す事に。


「それにしてもナイトマーケットですか、面白そうです」

「ギラ様そういうの好きですよね」


ギラは夜が好きだ。

その理由は少々はっちゃけても許してもらえるからである。

夜なら家で全裸で過ごしても許される、そんなイメージがある。


「なんにしても、夜まで待ちますよ」

「合点でい!」


リックと恋夜もナイトマーケットには興味を示していた。

珍しいものが集まる自由市、何か面白いものがあれば買うつもりだ。


「ナイトマーケット、何か面白いものでも見つかるといいね」

「はい、目的はありますけど僕もそれを楽しみたいです」


二人は珍しいものには目がない。

それ故にフリーマーケットなどにはよく顔を出しているのだ。

掘り出し物を漁るのが二人にとっては最高に楽しいのである。


「ふふ、何か掘り出し物があるといいね」

「ですね、お金はありますし」


メーヌ達もナイトマーケットには興味津々だ。

夜の市場と聞くだけでその興味を掻き立てられる。


「ナイトマーケット、何か面白いものを発掘したいですね」

「なのです、珍しいものがあると嬉しいです」

「あくまでも目的があるって忘れないでくれよ」


それは全員が分かっている。

とはいえ夜限定という響きには憧れるものだ。


「それじゃ夜に備えて何か食べておきますか」

「美味しいもの…食べるのです」

「まあ信頼に足るとは知ってるし、ね」


そうして夜になり、夜十時を迎える。

ギラ達はナイトマーケットの会場へと足を運ぶ。


「おぉ~、凄いのですっ」

「結構広いですね、目的は骨董品ですか」

「とりあえず目的を先にやって、それから見て回りましょう」


そうしてナイトマーケットの会場を見て回る。

最初に目的の骨董品の店に行くギラ達。

そこで神像について尋ねる事に。


「神像?ああ、それなら一ヶ月前ぐらいにあったけど、売れちまったよ」

「誰に売ったか覚えているかい」


ここにあったのは確かだが、すでに売れてしまったという。

その客の特徴などを聞き出す事に。


「名前は言えないけど、あれはアルセイムの学者だな、王立研究所の奴だ」

「王立研究所の学者…間違いないのか?」


店主は間違いないと言う。

アルセイムの王立研究所の人間は服の胸に銀のピンが付いているからだという。

その学者は一ヶ月前にここでその神像を買っていったそうだ。


「王立研究所のある場所はミリストスでいいのか?」

「いや、場所はリメンズだよ、あそこはアルセイムの研究拠点だ」

「分かりました、情報感謝します」


そうして情報を得たギラ達。

夜が明けたら久しぶりにリメンズへと向かう事で一致した。


そしてそのまま帰るのもあれなのでナイトマーケットを楽しむ事に。


「ふむ、これとこれを売ってくれ」

「僕はこれとこれをお願いします」


リックと恋夜は興味のあるものをどんどん買い漁っていた。

幸いお金は過去に高いランクの依頼で大金を得ているので問題はない。


「ふふ、いい買い物が出来そうだ」

「そうですね、来て正解でした」


二人はまさに好奇心に忠実だった。

意外と気が合うのだと改めて思う。


その頃のギラとソウは面白いものを手に入れていた。


「魔術書ねぇ、ギラはそういうのが好きなのかい」

「好きですね、こういう魔道書とかを見るとつい買いたくなります」


ギラもオタな性格をしているので、こういう中二心をくすぐられるものに弱い。

ガチオタなのだから当然と言えば当然ではある。


「ふふ、解読してこの魔法を我が物にしてみせますよ」

「楽しそうだねぇ、目的も忘れないんだよ」


一方のメーヌ達も面白いものを見つけていた。


「今度試してみなくては」

「スライム料理ですか、美味しいんですか?」

「スライムを食べる、美味しいとは思えない」


メーヌが買ったのはこの世界では珍味にして美食と言われるスライム料理の本だ。

魔物のスライムを調理して食べるという。

スープ、飲み物、主菜から前菜、様々な料理があるっぽい。


「美味しいスライムは鮮度が命、そして強いスライムほど味がいいと」

「なんか想像出来ません」

「なのです、スライムを食べるとか」


メーヌはメイドとしてその料理を試すつもりらしい。

そのうちスライム狩りに駆り出されるのであろう。


そうしてナイトマーケットを満喫したギラ達。

夜が明けたらリメンズへと飛ぶ。


その行方はまだまだ追いつけそうにはない。

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