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血に塗れる真夜中

リックを救出に向かうギラ達。

目的地の廃寺院のある森へと急ぐ。

幸い今は深夜帯だ、派手に暴れても騒ぎにはならない。

ギラの心にはドス黒い炎が燃え滾っていた。


「ここですか、ふふふ…燃えますねぇ」

「リックは恐らくその廃寺院だろう、何があるか分からん、油断はするな」

「分かってますよ、メーヌの腕を見せるときです」

「私も負けませんよっ」


そうして気合を入れ直し森へと足を踏み入れる。

森に入ると歓迎するかのように、魔物の群れが出現する。


「やれやれ、こんな真似も出来るのか」

「ここはアタシ達が引き受ける、ギラ達はリックのとこに行きな」

「死んだら許しませんよ?」

「ではお任せします、行きますよ」


そうしてギラとメーヌと翠は森の奥へと走る。

恋夜とソウとエレネとヤマブキはその場に残り、雑魚の処理に当たる。


「さて、私の好奇心を満たしてもらおうか」

「アタシをなめてると火傷するよ」

「エレネも負けないなのです」

「私だって、こんなところで朽ちるわけにはいかないのです!」


魔物達が一斉に襲いかかる。

恋夜達の殺陣がここに始まるのである。


その頃のギラ達は森の奥へと進んでいた。

そこにあるのは使われていない廃寺院。

そしていたのは女戦士と幹部と思われる司祭と黒騎士だった。


「本当に来てくれるとは、嬉しいですよ」

「あんた達を殺せるって聞くと血が滾るのさ、誰が相手してくれるのかい」

「我が黒の剣、貴様達の血で染めてみせよう」


相手はやる気満々のようだ。


「ふむ、ではそこの女戦士は私が相手になります、乱戦は嫌ですし場所を移しますよ」

「面白いね、ぶっ殺してやる」


ギラと女戦士は森の奥へと移動する。


「ではメーヌはそこの司祭さんと戦いましょうか」

「私ですか、いいでしょう、そのメイド服を引き裂いて舐め回してあげます」

「私は黒騎士さんですねっ、場所を移しましょう」

「承知した、少女といえども手は抜かぬ」


翠と黒騎士も森の奥へと移動する。

そして激闘が幕を開けるのである。


その頃の恋夜達は雑魚を軽快に捌いていた。


「燃えろ!」

「はっ!せあっ!」

「させないなのです!」

「大地の脈動…飲み込め!」


倒しても倒しても湧き続ける魔物達。

恋夜達がどれだけ持つかが鍵となる。

時間との戦いは始まっている。


その頃のギラは久々に本気になろうとしていた。


「あたしはルイーズ、あんたを血塗れにする女だ」

「ドーモ、ルイーズ=サン、ギラデス」


どこかで聞いた挨拶をするギラ。

そしてギラはどこからともなく巨大な鎌を取り出す。


「私も少しムカついてるのでね、その首、はねさせてもらいますよ」

「馬鹿にしやがって、なら望む通りぶっ殺してやらぁ!!」


その頃のメーヌは司祭の召喚する黒竜と戦っていた。


「はっ!たあっ!」

「ほっほっほ、黒竜の鱗は岩石のように硬い、暗器が通るとでも?」


暗器には毒が仕込まれているとはいえ、黒竜の鱗は硬い。

確かに効果は薄いようだ。


「合図を待ちますか…それまでは、燃えるぜえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「ほほほっ、熱いですねぇ、実に熱い」


その頃の翠は黒騎士と睨み合っていた。


「我が名はペレス、貴様に絶望を与える者の名だ」

「ドーモ、ペレス=サン、翠デス」


翠も相変わらずだ。

そして翠は腕を鋭利な刃に変化させ先に動く。


「面白いな、ならば受けて立とうではないか!」

「合図を待って…それまではっ!」


恋夜達が雑魚を延々と処理し続けている中、ギラは相手を翻弄していた。


「はぁ、その程度なんですか?」

「少しはやるじゃねぇの…その巨大な武器であたしについてこれるたぁなぁ」


ルイーズは高揚していた。

今までにない強敵、燃えないはずもないのだ。


「なら…見せてやんよ!!」

「はぁ、あと少しだけ遊びますかね」


一方のメーヌは相変わらず硬い鱗に苦戦している様子。


「流石に硬いですね、魔法でも解禁しますか、斬り刻め!」

「あれは…あんな魔法は知らないぞ!」


メーヌの魔法は木の魔法。

木の葉を刃に変えたりする自然の力を行使するものだ。

黒竜には毒による能力低下が入っているのでそれなりには通る。


「だが負けるとでも?」

「燃えるぜえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


その頃の翠は黒騎士と対等に斬り合っていた。


「せいっ!」

「私の剣についてくるか!やはり貴様は私を楽しませる!」


翠とてギラが生み出した存在だ。

戦闘能力の高さは折り紙つきなのである。


「せっ!」

「面白い!」


その頃のギラは飽き始めていた。

そしてメーヌと翠に合図を飛ばす。

その合図は攻撃による光の爆発だ。


「はあっ!!」

「ちいっ!?目眩ましかよ!」


それを確認するメーヌと翠。

二人はついにその本気を解禁する。


「リミッター解除、殲滅モードに移行、対象を確認、排除を開始する」

「な、何が起こった、あのメイドの反応が…」


メーヌの瞳は赤く光っていた。

それは獲物を捕食する獣のように鋭い眼光だ。


「墜ちろ、刻み込め、我が新緑の刃、斬り刻む、その命、もらい受ける」

「な、なんだと…動きが別物過ぎる…何が…」


次の瞬間黒竜は地面に墜ちメーヌの追撃で絶命する。

そしてターゲットは司祭へと向く。


「対象を補足、攻撃を開始する」

「ひっ!?来るな、来るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


司祭は死に物狂いで魔法を乱発する。

だがメーヌはそれを走りながら回避し司祭の喉元を一気に掻っ切る。


「そんな…こんなの…聞いて…いな…」

「確実に絶命させる、死ね」


メーヌはさらに追撃をし司祭を確実に絶命させる。


「対象の生命活動の停止を確認、通常モードに移行する」


その頃の翠は光子化による攻撃が炸裂していた。


「ぐっ!?なんだ!?この攻撃はっ!」

「ドラララララララ!!バキューン!オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」


ペレスはその攻撃に全くついていけない。

光子化による攻撃と射撃のコンビネーションはペレスを追い詰める。


「くそっ!」

「終わりです、とりゃーっ!」


ペレスの体内に光子化した翠が入り込む。

そしてそのまま内側から力を爆発させ、ペレスは破裂し絶命する。


「あとは、バキューン!!」


追撃で確実に絶命させる。

その頃のギラも終わらせようとしていた。


「がはっ、なんで…あたしが…」

「私を侮った事があなたの敗因です、果てなさい、その傲慢と共に」


ギラはその鎌でルイーズの首をはねる。

ルイーズの首が無残にそこに転がっていた。

そしてルイーズは絶命する、ギラは追撃をして確実にその息の根を止める。


その頃の恋夜達はボスの撃破により魔物達の撤退を確認していた。

そうしてそのまま合流し廃寺院の中に入り、リックを確認する。


「無事ですね」

「ごめんなさい…僕が油断したばっかりに…」

「気にしないでいいですよ、ですが明日はもっと厳しくなりますよ」


それは明日ニュクス教団の本拠地に行く事を意味していた。


「そうですね、なら僕も覚悟は決まりました、どこまでもお伴しますよ」

「それでこそです、では引き上げましょう」


そうして森から引き上げる。

リックは特に怪我などもなく無事だった。


そして明日はヤマブキから話を聞き、ニュクス教団の本部に殴り込むのである。

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