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これは強敵ですか?

周囲の心配を無視してゴールドランクの依頼に向かうギラ達。

リックも本当に倒せるのかと心底不安だった。


「あのー、この先って…」

「竜山ですが」


そう、依頼とは討伐対象のレッドドラゴン討伐だ。

少なくとも普通ならカッパーランクでは消し炭にされる。

だがそこはギラ達だ、そんな心配は微塵もしていない。

そうして竜山に足を踏み入れる。


討伐対象のレッドドラゴンは三合目辺りに出現するらしい。

リックはもう死ぬんだなと思っていた。


そうしていると野生のドラゴンパピーに遭遇する。


「これでもシルバーランクの魔物ですけど…」

「ふむ、メーヌ、やってしまいなさい」


その言葉にメーヌは元気に返事をする。


「合点です!それでは、そいやっ!!」


メーヌが暗器を投げナイフの要領で投げると、それは急所に突き刺さる。

ドラゴンパピーはその一撃で完全に怒り狂ってしまう。


「凄く怒ってますけど…」

「はぁ、翠、もう仕留めちゃっていいですよ」

「あいあいさー!それでは、ばっきゅーん!」


翠の右腕が小型のレーザー砲に変化し、ドラゴンパピーを撃ち抜く。

それによりドラゴンパピーはその場に崩れ落ちる。


「今のなんですか…えっと、あなた達何者…」

「ただの新米冒険者ですが、な に か?」


リックは少し震えてそれ以上は言わないようにする。


「さて、牙と鱗でも剥ぎ取りますか、売れば宿代ぐらいにはなるでしょう」


そう言ってドラゴンパピーの死体から牙と鱗を剥ぎ取る。

魔物を倒してそういったものを手に入れるのは冒険者の基本だ。


「カッパーなのにドラゴンパピーをあんな簡単に…」

「ああ、それと今の撃破での経験値は全部あなたにあげます」

「あ、は、はい…」


新米駆け出しのリックからすればいきなりドラゴンパピーだ。

それだけで初歩的な魔法は全部習得出来てしまった。


「では行きますよ」

「あいあいさー」

「この人達なんなの…」


そうして駄弁りながら襲い来るドラゴンパピーを蹴散らし、三合目に到着する。


「さて、この辺に出るはずですが」


するとメーヌが即座にその存在を感知する。


「グルルルル…」

「ああ、出ましたね、これは強敵ですか?」

「当たり前じゃないですか!!レッドドラゴンですよ!!」


そうしてレッドドラゴンはギラ達を敵と認識する。

この依頼は討伐の証拠としてその牙を持ち帰る事だ。


「さて、リックは安全な場所で見ていなさい」

「い、嫌ですっ!僕だって戦えるんです!」


だが道中のドラゴンパピーの経験値でも、中級の魔法を少し習得した程度だ。

レッドドラゴンには弱点の水魔法でもなければかすり傷にもならないだろう。


「わがままな人ですね、なら水魔法だけを使いなさい、いいですね?」

「は、はいっ!」

「それじゃ、燃えてきたぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


メーヌの熱血モードに完全にスイッチが入った。

そうしてレッドドラゴンとの戦いが始まる。


「ふっ!」

「燃える!燃えるんですよ!熱くなろうじゃないですかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「えっと、水の螺旋よ…その敵を飲み込め…てりゃあぁぁっ!!」


リックの水魔法のウォーターゲイザーがレッドドラゴンの熱を奪う。

それと同時にギラ達の見事な連携が綺麗に決まる。


「グルルルル…」

「はぁ、まあまあやるんですね、では少し痛いですよ、はあっ!!」


ギラが足を一歩踏み出した瞬間に凄まじい風が発生する。

その風に貫かれるかのようにレッドドラゴンが絶叫する。


「こんなものですかね、メーヌ、完全に倒しましたよね?」

「はい、生命活動は停止していますよ」

「な、なんだったんですか今の…あんな凄い技見た事が…」


リックはその技に言葉すらなかった。

ギラはレッドドラゴンから牙と鱗を剥ぎ取りこの依頼は完了だ。


「さて、戻って報酬をもらいますかね」

「不完全燃焼ですねぇ」

「メーヌさんは気温変動起こすレベルの熱血なんで勘弁してください」

「僕も役に立った…んですかね?」


そうして街の冒険者ギルドに戻り報告をする。


「倒してきました、証拠の牙もどうぞ」

「ほ、本当に倒したみたいですね…では報酬のお金と現品です」


その場面を見ていた他の冒険者達は信じられないといった顔をしていた。

まさか新米カッパーランクの冒険者がゴールドランクのレッドドラゴンを倒すとは。

どんなインチキを使ったのかとも疑う人も多数いる。

それを黙らせるかのようにギラは眠そうに大あくびをする。


「さて、リックは今後はどうします?別れてもいいですしこのままついてきてもいいですよ」

「僕はギラさん達についていきます、経験以上に凄いものが見れそうですから」

「では今後もお願いしますね、リックさん」


そうして冒険者ギルドをあとにして宿に向かう。

今は夕暮れ、街も夜の活気が出る時間だ。


ギラ達は宿にチェックインし今後を考える。

それにリックが一つ提案をしてきた。


「なら隣村に行ってみませんか?ここほどは大きくないですけど」

「ふむ、まあ何かあったらそれはそれで面白いかもしれませんね」


そんなわけで明日は隣村に行く事に決まった。

街周辺のモンスターはぶっちゃけ雑魚だし、駆け出しのレベルだ。

今回のレッドドラゴンの経験値でリックは一気に魔法を多数習得している。


「それじゃ食事でも済ませますか」

「外で食べます?」

「お金もあるしそれでいいのでは?」

「はぁ、まあお金はありますしね」


そういう事で外で食事を済ませる一行。

そのあとは宿に戻り汗を流すためにお風呂インである。

リックを無理矢理脱がせて一緒に入れてしまう三人。

リックはそんな三人の行動に心拍数がエラい事になっていたようだ。


入浴を済ませたあとは明日に備え休む事に。

別の部屋でと言うリックを丸め込み四人で雑魚寝である。

女の子三人にこんな事をされているリックがうらやまけしからんなのである。


そうしてリックの眠れぬ夜は更けていく。

そして朝になり朝食を済ませ、準備をして隣村に向かう事に。


ギラの暇潰しは始まったばかりなのだ。

少しずつ滅ぼすというその壮大な暇潰しはマイペースに進行する。


チートだしやる気のなさに反してクッソ強いけどね。

駆け出しのリックはこの三人に何を見るのであろうか。

それより一気に大量の経験値がもらえてズルいというのはなしだぞ。


魔王様舐めんなヴァーカ、と笑い飛ばそう!

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