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カジノの世界のチート達

その日の夜、ギラ達はカジノに繰り出していた。

大規模なカジノは初めてであり、楽しみである。

とりあえず入店し、チップを確保する。

そうして眠らない夜が始まるのである。


「それじゃメーヌと恋夜さんはスロット行ってきますね」

「ええ、私はポーカーに行ってますので」

「アタシはブラックジャックに行こうかな、お二人は?」

「えっと、見てから決めます」

「それではっ」


そうしてカジノの夜が始まる。


「それでは、いざ!燃えるぜえぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「メーヌは熱いね、だが嫌いじゃない」


そうして二人のスロット開始から数分。

周囲には人集りが出来ていた。


「ほいほいほいっと」

「ここだね」


それもそのはずだ。

開始から大した時間もしないうちに凄まじいほどに大当たりを連発している。

だがそれは当然でもある、

二人はメイドロボとアンドロイドである。

その目を以てすれば、リールは止まって見えるようなものなのだ。

それにより的確な目押しを駆使し、スリーセブンを連発している。

カジノの運営もそれを聞きつけ、二人を見ておくように指示を出す始末だった。


「…運営にマークされたか」

「少し手を抜きますかね」


運営に感づかれた事を察知し、あえてスリーセブンを外していく二人。

だがそれでも倍率の高い当たりのみを徹底している辺り、その鬼畜さが分かる。

そうして開始から数十分で二人は投入したチップを凄まじいほど増やしていた。

もはやチートのように当たりを連発し続ける。


「こほん、少しいいですか?」

「はい、構いませんけど」


運営が二人に声をかける。

そうして台のチェックなどをするが、当然不正などどこにもない。

寧ろ不正があるとすれば、それは二人になってしまう。


「むむむ…台に不正はない…だとしたら超人的な視力なのか…」

「メーヌ達はルールに則ってやってますよ」


間違ってはいないから困る発言だ。

運営も渋々その場を立ち去る。

その後も二人はセーブしつつ倍率の高い当たりを連発していた。

機械の目、それはまさにスロットキラーに等しいものである。


その頃のギラはポーカーで儲けていた。


「ストレートフラッシュ」

「えっと、12連勝です…」


その光景に周囲はざわついていた。

ほぼリアルラックの絡むポーカーで連戦連勝。

もちろん不正などはしていない。

単にギラは勝負のしどころを理解しているだけである。


「ダブルアップお願いします」

「は、はいっ」


そうしてダブルアップでも確実にチップを増やしていく。

周囲はその爽快なプレイに湧き立っていた。


「チップ8400枚払い戻しになります」

「どうも、ではもう一度お願いします」


ディーラーが完全に泣きそうだ、もう許してやれ。

不幸な過去がある反動なのか、勝負運が異様に強いのがギラである。

そんな不幸を背負う強運魔王はまだまだ勝ち続けていく。


その頃のソウはブラックジャックで賭けたチップがプラスに転じていた。


「20ね」

「えっと、勝ちです」


ソウは正直なところ、そこまで運がいい方ではない。

だがシスターという職業柄なのか、神がかった事を多々起こす。

今回もそんな神の祝福と言わんばかりに勝っていた。


「19だよ」

「参りました…」


運はそんなによくないのに勝負事には強い。

それは神の祝福なのか、はたまた本人の歴戦の勘なのか。

ソウもカジノでその謎の勝負強さを発揮している。


その頃のリックと翠はある程度の当たりを当てたため、併設のバーで休憩である。


「結構当たりましたねっ」

「そうですね、思ったよりも当たったというか」


バーでノンアルコールカクテルを飲みつつ稼ぎを計算する。

とりあえずはプラスにはなっているようだ。


「それにしてもスロットとポーカーが凄い事になってますよ…」

「あたり前田のクラッカーですねっ」


なんで翠がそんな言葉を知っているかはともかくだ。

ギラとメーヌと恋夜は連戦連勝で運営か泣いているレベルである。

君が!泣くまで!勝つのをやめないッ!と言わんばかりである。


「出禁喰らいそうな勢いですよね…」

「それは困ります」


まあその三人の勝率からしたら、泣いていいレベルではある。

そうしてギラとメーヌと恋夜も凄まじい稼ぎを叩き出して、リック達の下に来た。


「ウッハウハですねぇ、このチップは現金には換金出来ないので何と交換しますか」

「美味しい食べ物とか交換したいですねっ」

「いいね、景品には高級なお菓子とかもあったはずだよ」

「この三人どれだけ勝ったんだろう…」


リックが正直ドン引きしている辺り、その異様な勝ち方が分かる。

そこにソウも戻ってきた。


「いやぁ~、勝った勝った、気持ちよかったねぇ」


ソウもプラスになる程度には勝ったようだ。

そうしてギラ達は稼いだチップで様々な景品をゲッツ!アンドターン!した。

カジノを満喫した一行はそのままカジノをあとにする。


なおカジノの運営はギラ達をマークするように指示を出したのは言うまでもない。


そうして街に戻ると時間は深夜を回っていた。

流石に眠いので、宿に戻り寝る事に。


「ああ、私は少し寄り道しますのでお先に戻っていて構いませんよ」

「分かりました、では先に戻ってますね」


そうしてギラは一人で街外れの路地へ。


「さて、見てたんですよね?」


そう言うとニュクス教団の信者が姿を見せる。


「それで何かご用ですか?死ににきたとかですか?」

「教団はお前達を脅威と認定した、今後は楽に生きられると思うな」


どうやら警告のようだ。

だがギラにはそんなのは関係ない。


「そうですか、ではその喧嘩は買っておきますよ」

「流石に街中で襲いはしない、だが機会があればその首を狙っているのを忘れるな」


相手も弁えてはいるようだ。

とはいえ完全に敵と認定されてしまった。

本当に変人ホイホイなものである。


「分かりました、では襲いたければご自由に、何度でも返り討ちにしますから」

「いい度胸だ、その強気な姿勢、必ずやへし折ってくれる」


ギラからしたら負ける要素などはないのだが。

それでも売られた喧嘩には敬意を払ってボッコボコにするのがギラの流儀だ。

普段から本気を出していないギラからすれば、それは虫ケラ同然である。


「貴様に安息はない、忘れるな」


そう言って信者は立ち去った。

ギラもやれやれと思いつつ宿に戻る。


そうして眠らない街の夜は更けていく。


明日は冒険者ギルドで少しハードな依頼でもやろう、そう思い床に就くのである。

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