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商売と機械の国

アルセイムを飛び立ちオルバインにやってきたギラ達。

そこは今までの二国とは全く異なる景色の国だった。

建物などは高層化されており、機械が当たり前に発達している。

それらを輸出すれば、そりゃ商業国として大国にもなれると納得である。


「ここがオルバインの首都のヴェステッドですか、凄いですね」

「オルバインってのはその技術と商売で大国にのし上がった国だからね」

「へぇ~」


そうして街を散策するギラ達。

すると一つの店の前で足が止まる。


「これは…携帯端末ですか、ミッドハークの半額以下じゃないですか」

「本国だからこその値段だよ、外国でも使えるがこの値段は本国でしか出来ないね」

「この値段なら買えるのでは?」


買おうかどうか悩む一行。

とはいえ六人分購入しても所持金が余る程度には安い。

契約などの面倒な手続きがあるものの、買っておいて損はないだろう。

ギラはそれを六人分購入する事を決める。


店に入り契約などの手続きを淡々と済ませる。

そうして無事六人に携帯端末が行き渡る。


「これで今後の連絡が楽になりそうですね」

「使い方を覚えなきゃ…」

「リックにはアタシが教えてやるよ」


操作の練習などもしておく一同。

大体の操作は覚えたので試しにその場で鳴らしてみる。

それによりきちんとかかる事を確認し今後の連絡に役立てる事に。


再び街の散策に戻るギラ達。

すると一つの張り紙を見つける。

どうやらニュクス教団はこの国にも勢力を伸ばしているらしい。

流石に街中では襲われないだろうが、警戒はしておく事に。


「さて、どうします?」

「うーん…」


次の目的をどうするか相談する。

冒険者ギルドで依頼を受けるのもいいが、せっかくなので国を知りたいとも思う。


「なら私は少し行きたい場所があるんだが、付き合ってくれないか?」

「まあ別に構いませんよ、どうせ何をするかは決まりそうにないですし」


そういうわけで恋夜の行きたいという場所へ向かう事に。

その場所とは博物館だった。

オルバインはその技術の歴史などを展示する博物館なども多くある。

ウルゲントやアルセイムとの大きな違いとしての技術力である。


「軍事博物館ですか、オルバインの過去の兵器などが展示されているという」

「ああ、私は元々兵器などにも興味があるからね」

「凄いですっ」

「流石は技術大国でもあるオルバイン…軍事も近代化が凄いですね」


そうして博物館を散策する一行。

この国が睨みを利かせている、その意味を理解するには簡単だった。

三国の三すくみ、それにより争いを抑制しているのも納得してしまう。


「それにしても、これだけの兵器を作れるのにどうして三すくみなんかに?」

「元々軍国のアルセイムには優位な国だ、ただ無宗派の国故にウルゲントには弱い」

「この国って無宗派なんですね」

「そうだね、正しくは無宗派ではなく宗教の自由、それが確立されてるんだ」


要するに国民が好きな宗教を信奉出来るのである。

つまり国民が一つの宗教に依存するウルゲントには弱いという事だ。

それにより商売なども多少やりにくくなっている事がその理由だという。


「にしてもこの国の軍事力ってアルセイムに負けてませんよね?」

「総合力なら軍事もアルセイムより上だよ、少なくともね」

「ある意味この国の軍事力はそれを抑制する程度には睨みになるしね」


そうして博物館を一通り見終わる。

そのあとは食事を摂る事に。

博物館を出て街で何か食べ物を探す。


するとハンバーガーの店を見つける。

面倒なのでその店で済ませる事にした。

この国は技術者なども多いため、ジャンクや冷凍などの手軽な食事が発達している。

家で食べるにしても時間を取らない冷凍、外食はファストフードなどだ。

それも技術者や職人が多い国民性なのだろう。


「ふむ、美味しいですね」

「たまにはこういうのもいいものだ、私としても好きなものだよ」

「恋夜さんは研究とかに没頭して食べない人なんじゃ…」


そうしてサクッと食べ終える。

外食は時間を取らず、家で食べるときは簡単調理。

食事の手抜きに関してはこの国に勝てる国もないと思った。

アルセイムもウルゲントもしっかりとした食事だったからこその感想である。


「さて、次はどうします?」

「宿はもう確保してありますしね」

「そういえばこの国ってカジノの総本山なんですよね?」

「そうだよ、カジノは娯楽都市にある」


以前バドカで見た大規模カジノ。

それよりも大きなカジノがその娯楽都市にあるらしい。


「なら近いうちにカジノに遊びにいきますか、お金ならありますよ」

「まあ近いうちにですね」

「それより今の目的ですよ」


今後の目的、それにソウが一つの提案を出す。


「ならこの国にある人工の植物プラントでも見にいかないかい?」

「植物プラント?なんでまた」


この国の食べ物事情などのお勉強だとソウは言う。

それと同時に他国に輸出する食べ物の秘密も見れるという。


「まあ別に構いませんよ、ではそれで決まりですね」

「決まりだね、とりあえず今日は自由って事にしときますか」


そんなわけで次の目的も決まる。

オルバインという国を知るのも面白いと思った。

リックもそれには興味があるようだ。


「さて、せっかくですしもう少し何か食べません?」

「まだ食べるんですか…」


ギラはこう見えて意外と食べるのである。

オルバインはジャンクなどの発達により時間を取らずに食べられる。

そんなわけで食べ歩きに乗り出す事に。


「このコロッケ美味しいですっ」

「この国ではコロッケやカツなんかもジャンク扱いなのか」

「店で一つだけ買って立ち食いする、それがコロッケの醍醐味ですよ」

「ギラは分かってるね、特に肉屋で作ってるものは格別だよ」


とはいえこの国には食材を扱う店はそんなに多くはない。

自炊する人もそれなりにいるものの、手軽さに重点を置かれているからだ。

この国の食材は基本的にウルゲントからの輸入である。

ウルゲントは酪農や畜産が盛んなので、食材の輸出国でもある。


世界で見れば技術の国、自然の国、食の国という感じになる。

食べ物の美味しさではウルゲントが一番だと、ギラ達は改めて思った。

そんな世界事情もある程度は学べたのである。


だがこの国にもニュクス教団は存在する。

襲われたのなら容赦は必要ない、ギラはそう思っていた。


しばらくはオルバインに滞在する、襲撃にも備えは忘れない。

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