表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/240

予定通りの襲撃

ニュクス教団に喧嘩を売ってから一夜明けた。

ギラ達は久しぶりに冒険者ギルドで依頼を受けていた。

内容は今回も強い魔物の討伐である。


そんなわけで再び昨日の砂漠にやってきている。

ターゲットはサンドワーム、最高ランクであるプラチナランクの討伐依頼だ。

シルバーランクのギラ達は言うまでもなく止められたが、強引に受けてきた。

砂漠の西部に出現するらしいので、砂漠の西部へと向かう。


「サンドワームですか、腕が鳴りますね」

「相変わらず自分のランクより高い依頼を受けるんですから」

「ギラは毎回こうなのか?」

「はい、討伐依頼は毎回」

「そしてサクッと倒しちゃいますっ」


その言葉に恋夜も呆れ顔だった。

とはいえそれが面白いとも言い、笑みを浮かべていた。


そうして砂漠の西部へと到着する。

早速サンドワームを探し始めるギラ達。

すると一つの大きな何かが移動した跡を発見する。


「ふむ、この移動した跡は向こうに向かっていますね」

「なら行ってみるとしようか」


そうしてその跡を辿っていくギラ達。

そして途中でその跡が消えている事に気づく。


「此処で消えている?」

「恐らく穴を掘って地中に消えたか、あるいはバックトラックでも使ったか?」

「地中に熱源感知!何かがいますよ!」


メーヌが地中に大きな何かが動いているのを感知する。

次の瞬間小規模な揺れが発生する。

そしてお目当ての奴が姿を見せる。


「出ましたね」

「大きいな、こいつは調べがいがありそうだ」

「それより倒さないと!」

「はいっ!三枚おろしにしてあげます!」

「いきますよっ!」


そしてサンドワームとのバトルが始まる。

相手は巨体を使い広範囲を一気に攻撃してくる。

リックと恋夜には大きく距離を取らせ、魔法で狙わせる。

ギラ達はある程度の距離を保ちつつ、回避に重点を置き攻める。


「全く、このでかい図体では面倒ですね」

「リックさん達の魔法は効いてますけど、流石に堅いですね」

「プラチナランクは伊達じゃないですねっ」


その後も援護をもらいつつ攻めるギラ達。

そしてリックと恋夜の魔法が同時に入ったところに大きな隙が生まれる。

そこにメーヌが魔法を叩き込み、翠のナパームで動きが止まる。

その決定機にギラは渾身の剣技を叩き込む。

剣技は見事にクリーンヒットしサンドワームはその場に崩れ落ちた。


「なんとかなりましたか、とりあえず確実に息の根を止めますよ」


ギラは今までのように確実に息の根を止める。

そして討伐の証拠としてその牙を剥ぎ取る。


そして帰ろうとしたときに人の気配を感じ取る。


「やれやれ、これも予定通り、ですかね」


そうして現れたのはニュクス教団だった。

数はざっと30人。

そしてリーダー格の男が現れる。


「あなたが我々に喧嘩を売った冒険者さんですね」

「おや、こっちは正当防衛のつもりだったんですが、喧嘩を売った事に?」


いけしゃあしゃあとギラは言い放つ。

本人は喧嘩を売ったつもり満々なのによく言ったものだ。


「あなた、あのような真似をして喧嘩になってないとでも?」

「そんなの知りませんよ、こっちとしてもイラッとしたら殴りたくなるので」

「ニュクス教団、あなた達は何がしたいんですか?」


リックのその問いにリーダー格の男は簡単に答える。


「何がしたい、信者を増やしてはいけないんですか?」

「その割に邪教とか言われてて認定もされているようですが」


それはここ数日の出来事で確信していた。

とはいえ相手もそれを認めるほど馬鹿でもないのだろう。


「まあ我々としても障害は排除せねばならないのでね」

「そうですか、では私もここであなた達を排除する事にします」


こうして会話は決裂。

リーダー格の男は信者達に攻撃命令を出す。

その命令と同時に信者達は一斉に襲いかかる。


「この程度の数で私をなんとか出来るとでも?」


ギラは完全に余裕の表情だった。

そしてギラは拳を地面に叩きつける。

それと同時に凄まじい光の雨が降り注ぎ、襲ってきた信者達を消し去っていく。


「ななななっ、なんですって!?」

「さて、あとはあなただけ、逃げるなら見逃してあげますけど、やります?」


リーダー格の男はこの絶望的な実力差でも向かってくる。

教団のメンツにかけてそんな簡単に逃げられないとの事らしい。


「死になさい!」

「死ぬのは…そっちですよ!」


ギラは相手を鷲掴みにしてそのまま地面に叩きつける。

そして剣を突き立てリーダー格の男は絶命した。


「さて、さっさと引き上げますよ」

「あ、はい」

「やれやれ、完全に敵扱いか」


そうして街に戻り依頼の報酬を受け取る。

流石に相手も街中で襲うほど馬鹿でもないだろう。

そして今後の予定をどうしようかと相談する。


すると一人のシスターが声をかけてきた。


「あんた達プラチナランクの魔物を倒したのか?」

「そうですけど、あなた突然なんです?」

「見た感じシスターっぽいですけど」


シスターはギラ達に名前を名乗る。


「アタシはソウ、ワケありのシスターだよ」

「はぁ、それでそのソウさんが私達に何かご用で?」


ソウと名乗ったそのシスターはギラ達に興味があるという。

新米のときにいきなりレッドドラゴンを討伐したという伝説になっているらしい。


「そんな事になってたんですか、少しやんちゃしすぎましたかね」

「それで相談なんだが、アタシもあんた達の仲間にして欲しい」

「メーヌ達の仲間にですか?それは別に構いませんけど…」


ソウはギラ達を気に入っているようだ。

ギラは彼女が単なるシスターではないと、その立ち振舞から感じ取る。


「まあ好きにしてください、ただ私達は変人ホイホイなので何かとありますよ」

「別に構わないさ、寧ろ歓迎だ」

「そういうわけだ、よろしく頼むよ」


そうして意外とあっさりソウの仲間入りが決まる。

ソルバードの定員的にこれ以上仲間を増やすのは厳しいだろう。

だがそれでもソウは頼りになる、ギラはそれを確信していた。


「ソウさんもよろしくですっ」

「ああ、よろしくね」

「それにしても、なんか敵対勢力だけじゃなく仲間も変人ホイホイですね」

「僕も変人に含まれるんですか…」


まあそんなわけでソウを迎え入れたギラ達。

六人目の仲間を加え改めて今後を相談する。

相談の結果アルセイムの冒険も大分やったので、オルバインに行こうと提案が出る。

ギラ達はそれも面白そうだと、それに賛同する。

そうして次の目的地はオルバインに決まる。

そしてソルバードで海を渡りオルバインへと飛び立った。


第三の国、そして島国にして商業国オルバイン。

新たな土地でギラ達は何を見るのか。


今後はさらに範囲を広げ、三国を股にかける事になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ