巫女の集落
再生の火竜の力を得たギラ。
続いてはその炎に焼く巫女に会いにいく。
館長から聞いた場所へとソルバードでやってきた。
そこは一見何の変哲もない孤島だった。
「ここですか」
「本当にここなの?人の気配すらしないよ」
「メーヌも特に何も」
「でも館長が言うんだから合ってるのよね?」
すると目の前の森から人が現れる。
それは白装束に身を包む女性だった。
「お待ちしていました」
「あなたが里の人ですか」
「えっと」
「話が通じるんですかね」
その女性は森の中へと案内するのでついてこいと言う。
疑いつつもそれに従い森の中へとついていく事に。
「どこまで行くんですかね」
「少し歩きますよ」
「はぁ」
「でもこの先なのよね」
その女性は小さく頷く。
そして歩く事約三十分、村らしきものが見えてきた。
「お待たせ致しました」
「ここが…」
「それでえっと」
「焼く巫女に会いたいんですが」
ギラも直球なものだ。
だが女性は奥にある大きな家に行くようにとだけ言い残し去っていく。
「ここですかね」
「すみませーん」
「誰かいますかー」
「留守かしら」
すると中から声がした。
声は中に入るようにと言う。
「お待ちしていましたよ」
「来るのが分かっていたんですか?」
「なんかオカルティック」
「巫女って凄いのね」
その長と思われる女性は単刀直入に用件を切り出す。
ギラもそれに答える。
「再生の炎を得るためにですか、分かりました、彼女を呼んできなさい」
「彼女?」
「その焼かれる巫女ですかね」
「だからギラは直球すぎるよ」
そうしているうちに外から一人の女性が入ってくる。
彼女がその巫女なのだろうか。
「初めまして、ヨモギと申します」
「彼女が今の世代の再生の炎になりうる巫女です」
「えっと…」
「私には再生の炎が必要です、失礼は承知ですが」
ヨモギはそれを素直に受け入れているようだ。
そのまま話を続ける。
「再生の炎を得るための儀式の場があるのでそちらに案内します」
「あ、はい、分かりました」
「とりあえずついていきますか」
「そうね、それしかなさそうだし」
そうしてヨモギのあとをついていく。
村の奥にある森の中へと歩いていくヨモギ。
その先に儀式の場はあるのだろうか。
ギラ達はそれを信じてあとをついていく。
「どこまで行くんですかね」
「儀式の場は森を三日ほど歩いた場所です」
「三日ァ!?」
「流石にそれはしんどいわよ」
だがそれでも行くしかないのだ。
黙ってギラ達はヨモギのあとをついていく。
歩く事数時間、流石に疲れる。
とはいえあの炎の谷を三日歩いた身としては今さら余裕である。
ハルミは流石にそれに対して不満げではあるが。
それでも先に進むとかないと森を進む。
「とにかく行くしかないんだねぇ」
「ふぁいとですよっ」
「翠は元気ねぇ」
「こっちですよ、はぐれないでくださいね」
そうして森を進む。
森を進み続け日が落ちる。
結界石はあるのでそれを使い夜を明かす事に。
谷に続きここでも結界石が大活躍である。
館長の厚意に感謝しつつ夜の森のなかで夜は更けていくのだった。