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再生の火竜

再生の火竜を求め谷を進むギラ達。

声に導かれるままその先へと進む。

そこにあったのは凄まじい炎の海であった。

そして再生の火竜はその姿を現す。


「ここは…」

「谷の中心地、か?」

「なんて炎だ…油断したらそれだけで焼かれてしまいそうな…」

「火竜さんはここにいるんですかね」


すると何度も聞いたその声がする。

そして目の前にその姿が現れる。


「お前が我の力を求める小娘か」

「ええ、そうですよ」

「威圧感もハンパない…よく立ってられるな…」

「火竜さんの力がギラ様には必要なんです」


火竜は少し笑いそれ信を問う。

ギラはそれに迷う事なく答える。


「私は大切な人を救いたいだけです、それ以上の望みなどありません」

「今まで数多の命を奪っておいて大切な人を奪いたい?笑い種だな」

「それでもギラ様は…」

「そうですっ、ギラ様は…」


火竜の炎がギラを包む。

だがその炎は焼かれる事はない幻。


火竜は試そうとしている。

その本気を、覚悟を。


「焼かれもしない炎、この程度で私が動じると思いましたか」

「ははっ、言ってくれるな!小娘が!」

「おいおい、試すにしては恐ろしい事するねぇ」

「炎で全身を包むとか恐ろしいですわね」


そして火竜は言う。

本気なのだな、と。


「当たり前じゃないですか、そのために私は来たんですよ」

「そうか、どこまでも人を舐め腐ったような物言い、だがそれだけ本気という事か」

「そうですわよ、ギラさんはそこまで馬鹿ではありませんわ」

「こいつは冷酷でやる気のない奴だけど中身は意外と豆腐メンタルなのさ」


火竜はギラを認めたのかその力を貸すと言ってくれた。

だがそれと同時に忠告もした、迷いが生じたときその炎は容赦なくその身を焼くと。


「我はお前についていこう、その身が我が炎に焼かれるそのときまでな」

「上等です」

「ヒヤヒヤしたけどなんとか目的達成か」

「実に興味深い、調べたいな」


そして火竜は谷の入口まで飛ばしてくれた。

そのままソルバードでバドカに戻り館長に巫女の居場所を聞く。


「火竜の力は得ましたか、次は巫女ですね」

「ええ、それとリックさんの容態は」

「そっちも気になるんでね」

「大丈夫なんですの?」


館長の話では侵食は少しずつ進んでいるらしい。

だがすぐに死に至るような状態ではないという。


それを聞いて安心するギラ達。

そして仲間と一旦合流しメンバーを交代する事に。


ソウとペトラが外れ、代わりにハルミとモレーアがついてくる事に。

館長に改めて巫女の住む場所を聞く。


それは今回も人に知られない秘密の地。

そこにその巫女の一族の住む集落があるのだという。


「巫女の住む集落のある場所まで飛ばしますよ!」

「頼みますよ、メーヌ」

「再生の火竜に焼かれるために子孫を残し続ける巫女、か」

「そんな一族がこの世界に存在している事が驚きよね」


そうしてソルバードはその地へと飛ぶ。

リックを救うために奔走するギラ。


その想いは本物であり、今までにない感情。

初めて誰かを助けたいと願った魔王の優しさ。


再生の炎を完全とするべく巫女の住む集落へと飛ぶのだった。

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