黄金の蜂蜜
クプルフの復讐が終わるのはまだかかりそうなギラ達。
そんな復讐が終わるまでの暇潰しで冒険者ギルドの依頼を消化する。
そんな中またしても面白そうな噂を聞く。
それは黄金のミツバチが作る蜂蜜の話だった。
「黄金の蜂蜜、どう思います?」
「美味しそうですねぇ、パンに塗ったくりたいです」
「でも蜂蜜って事は蜂の巣ですよね」
「まさか蜂の巣を確保しろとか言わないよね」
ミツバチはそこまで危険ではないにしても蜂は蜂である。
油断はしないでおく事にした。
「でも黄金のミツバチか、希少な種類なのかね」
「黄金のミツバチがと言えば極上の蜂蜜を作るとして知られるな」
「ただそれを見れるのは稀とも言われますよ」
「つまり希少種ですねっ」
そんな黄金のミツバチが近くの森で巣を作っていた。
そんな噂話である。
希少種がそんな目立つ場所に巣を作るのか。
疑いつつもその目撃場所に来てみた。
「む?蜂が飛んでますね」
「こいつは黄金のミツバチ…本当だったのか」
「襲ってはこないけど敵と認定されないようにね」
「それはそうと蜂の巣を採取するんですの?」
巣を採取するかは迷うところだ。
要するに巣を作る理由があるという事だからである。
「とはいえ黄金の蜂蜜…」
「メーヌも食い下がるね」
「一応市場にも流通はしているぞ?ただし普通の蜂蜜の七倍程度でな」
「そんな高いのね」
なんにしても巣を採取するのはやめた。
希少種なのならなおさらである。
「蜂蜜…」
「はぁ、困ったねぇ」
「む?待て、あれを見ろ」
「これ黄金のミツバチの巣…つまりあっちの巣は新しいものですか」
どうやら今作っている巣は新しいもののようだ。
古い巣が一つだけ落ちていて、蜂蜜も残っている。
ならばとその巣を採取して蜂蜜を頂く事に。
黄金の蜂蜜と言われるだけはあり、とても甘い匂いがする。
「これが黄金の蜂蜜…」
「ぺろっ、これは!?黄金の蜂蜜!?」
「なんで青酸カリみたいな事してんですか」
「でもこのままでも食べられるの?」
一応純正の蜂蜜などはあるにはある。
だが市場に出る蜂蜜は基本的に手が加えられたものだ。
とはいえ黄金の蜂蜜はそのままでもイケるほどに純度が高い。
なので特に問題はないと思われる。
「パンが欲しいですね」
「あら、そこはホットケーキではありませんか」
「蜂蜜を塗るならフレンチトースト一択ですよ」
「私はソフトクリームにかけたいかな」
だが蜂蜜の量は限られている。
どうやって食べるべきか悩む。
蜂蜜は小麦粉との相性がいい。
アイスにかけたりしても美味しいだけに食べ方に悩む。
やはり極上の蜂蜜はそれだけ美味しいのである。
このメンバーには甘いものが苦手な人もいるので考える。
「とりあえず帰ってから考えますか」
「ですね、食べたい人だけ食べればいいかと」
「黄金の蜂蜜、ゲッツだぜ」
「それじゃ帰るわよ」
そうして黄金の蜂蜜を思わぬ形で手にした。
それをどうやって食べようかとも悩む。
だが結局は定番に落ち着き、ホットケーキで頂いたらしい。
黄金の蜂蜜、それは極上の甘さがしたという。