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根源の番人

クプルフの復讐の効果が出るまでは時間もかかる。

その時間を利用して以前の根源の精霊スルスに会いにいく。

精霊を多く従えている今なら彼も従えられるか。

無理は承知の上でその精霊に挑むのである。


「さて、エルフの里ですね」

「なんか久しいですね」

「今思えばこの世界もたくさん見ましたねっ」

「そうですね、仲間も増えて」


なんにしても長老に許可をもらい、改めて森へ向かう。

その森の奥地にそのスルスはいる。


「この森は広い上に迷うんでしたか」

「確か動物がいる道が正解でしたね」

「なんだい、以前も来てたのか」

「エルフの集落に入った事があるなんて大したものですわよ」


とりあえずは動物を目印にその森を進む。

目的地は奥にある石碑であり、そこにスルスはいたはずだ。


「似たような景色が続くのです」

「ギラ達はどんどん進んでるけど」

「以前来たときに進み方は覚えてますからね」

「それで躊躇いなく進めるんだ」


森を進んでいると他の精霊達も出てくる。

スルスはどうにもお固いらしく、簡単に応じるかとの事。


今までの自分達は納得がいかないので勝手についてきているわけだ。

あのスルスが簡単に応じるとは思っていなかった。


そうして森を進んでいきその石碑へと到着する。

スルスを従えられるか、他の精霊達もやれる限りはやってみるそうだ。


「お前達か、私に何か用でもあるのか」

「えっと…」

「それは我輩達を見れば分かるだろう」

「僕達が一緒にいるっていうのを見ればね」


クロノスとアウラがその姿を見せる。


「お前達は…それに他もか、人間に下るとはな」

「我輩達は此奴らに少々なめられてのぉ、勝手にやっておる」

「それでせっかくだからスルスも誘いに来たんだよ」

「というわけで…」


スルスはその理由に少し頭を抱えていた。

精霊ともあろうものが勝手に人間に力を貸している事にだ。


「とはいえお前達がそれを望むのなら私は別に構わん」

「なんじゃ、あの堅物のスルスとは思えんな」

「もっとこう、この馬鹿者が!って言うかと思った」

「それでつまり…」


つまりはスルスも力を貸してくれるとの事だ。

他の精霊達もそのあっさりさに少し拍子抜けをしているようだ。


「少年、精霊が目をつけるのならばお前にはその才能がある、忘れるな」

「はぁ、覚えておきます」

「なんにしてもスルスもこのリックに感じるものはあるんじゃな」

「そうだね、精霊に目をつけられるだけはあるよ」


そうしてスルスもなんだかんだでその力を貸してくれる事になった。


「それと、そこの天人の娘、精霊が貴様ら天人を許したと思うな、いいな?」

「勝手にしたら、私はそういう因縁とか興味ないし」

「やっぱり天人と精霊って不仲なんですね」

「みたいですね、クプルフさんが特別なだけなのでしょう」


そうして森をあとにする。

帰りはエルフの集落を抜け森を出る。


ブルクハルトに頼んだ復讐の効果はまだ出そうにない。

クプルフの復讐が片付くのはもっと先になりそうである。


精霊と天人、その因縁に興味を持ちつつも冒険者ライフに戻るのである。

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