表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/240

美しい白い花

クプルフに言われるまま花を摘みに来たギラ達。

その花はクプルフが親しかったというあの子の好きな花。

だがその子はあのときの焼き討ちで殺されている。

クプルフの復讐、それはそんなその子への想いなのだろう。


「ここかね」

「ええ、白くて真ん中が黄色い花を探して」

「お任せあれ」

「では行くとしましょうか」


そうして渓谷を散策し始める。

その花は渓谷近くの茂みに咲くらしい。


「その花は特徴の他に名前とか分かるか?」

「確かシラヒメクサとかいう名前よ」

「それなら僕が分かります」

「ではリックさんを頼りにするとしましょうか」


リックが分かると言うので、頼りにしつつ茂みを調べる。

茂みの中に白い花はあるものの、その花は見当たらない。


「うーん、この辺りにはないっぽいですね」

「もう少し探してみないとね」

「諦めてたら何事も進展しませんからね」

「ギラ様が言うとブーメランですよねっ」


そのまま花探しを続ける。

とはいえそんな簡単に見つかるはずもなく、花探しは難航する。


「荒らされてる気配はないから、咲いてると思うけど」

「とにかく探しますか」

「花探しも楽じゃないねぇ」

「仕方ありませんわよ」


そうして探していると何やら茂みの先に何かを確認する。

その先は人の手が入った形跡がなく、何かあるかと思い進んでみる。


「ここは…凄いですね」

「一面の花畑じゃないですか、こんな場所があったとは」

「ここならあるかもしれないわ、探して」

「あいあいっ」


そしてその花畑で目的のシラヒメクサをある程度摘む。

そうして帰ろうとすると誰かに呼び止められた。


「人がここまで来るなんて珍しいね」

「えっ?」

「今声が…」

「誰かな?」


そこにいたのは美しい羽と一糸まとわぬ小さな姿。

手に乗りそうなサイズの彼女はなんなのか。


「ごめんなさい、花を探してたら迷い込んだの」

「そうなんだ、でもその様子だと妖精は初めて見るのかな?」

「妖精だと?私が知る限りでは遥か昔に滅びた種だと聞いているぞ」

「生き残りとかですかね」


その妖精の彼女曰くここは生き残った妖精の楽園らしい。

絶滅寸前から長い年月をかけて繁殖し、今ではこの花畑を住処としているそうだ。


「あなた達は悪い人じゃなさそう、でもここの事は他言無用だよ」

「分かっている、知られたら今度こそ絶滅させてしまうやもしれん」

「私もそんな馬鹿じゃないからね」

「別にペットにしてツンツンしたいとか思いませんしね」


妖精の彼女曰く昔は何かとあったという。

だからこそ今に至るまでの苦労もあったらしい。


「なら私達は去った方がよさそうですね、花も手に入りましたし行きますよ」

「興味は尽きないが仕方ないな、では失礼する」

「それではお元気で」

「ばいばーい」


そうして花畑をあとにする。


「それにしても妖精とは」

「世の中分からないですねっ」

「とりあえず行くわよ」

「花は確保しましたからね」


そうして墓参りに行く事に。

その花畑は人に知られない方がいい。


クプルフは今後も暇潰しを要求しそうなので、ギラ達はそれに付き合うのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ