美味しい果物
クプルフの復讐に付き合っているギラ達。
ブルクハルトに頼んだ攻撃の効果が出るには時間がかかりそうだ。
そんなわけでクプルフの暇潰しに付き合っている。
次は美味しい果物を求めて近くの森へと来ていた。
「ここにその果物があるんですか?」
「そうよ、オレンジ色の縦長のやつね」
「なら探してみましょうか」
「そうだね、そんな苦労はしないと思うし」
そうして果物探しを始める。
果物といえばジュースにしても美味しいものである。
「それにしてもクプルフさん、なんでそんな詳しいんですか」
「あの子に教わったのよ、それで覚えたの」
「あの子?とは」
「もしかして復讐って…」
ハルミが察した通りなのだろう。
あの村が焼き払われたときに殺されたのがあの子なのだと。
「私の事はいいでしょ、探しなさい」
「天人が人間のために復讐ですか」
「なんか意外な話というか」
「そういう事もあるものなのだな」
そうしているうちに目的の果物を見つける。
それはオレンジ色で縦に長い果物。
奇妙な形だが美味しいのか。
とりあえず食べてみる事に。
「でも食べる前に一応洗いたいですよね」
「なら近くに清流がありますよ」
「アプサラスさん、どうも」
「では適当に集めて清流で汚れを落とすか」
果物を適当に集める。
そのあとは近くの清流に移動して、果物を水洗いする。
そして改めて食べてみる事に。
メーヌがそのついでにジュースも作ってくれた。
「ふむ、これは美味しいわね」
「ですね、適度に酸味もあってそれが美味しいです」
「当然じゃない、甘いだけの果物なんて美味しくないわ」
「この子地味に舌が肥えてるね」
とはいえクプルフの言う事も尤もである。
甘いだけの果物や野菜は大抵そこまで美味しくない。
メーヌはそれに賛同し適度に苦い野菜や果物が一番美味しいと言う。
そのまま食材の美味しさについて延々と語られてしまった。
「だから食材と言うのはですね」
「メーヌ、熱くなりすぎです」
「熱血ですからねっ」
「耳にタコが出来ますわ」
流石にみんな苦笑いである。
とはいえメイドロボであるメーヌからしたら語り足りないらしい。
「分かりました、今回はこの辺にしてやるぜっ」
「なんで負け惜しみみたいな」
「メーヌがこんな熱く語るとは…」
「果物や野菜について延々と語られてもな」
まあなんだかんだで果物は美味しかった。
ジュースにしても美味しかったのでそれはそれで満足だ。
「さて、次は肉が食べたいから獣を狩りにいくわよ」
「肉ですか、というか獣を狩るんですね」
「アタシ達は猟師じゃないんだが、狩った獣の解体なんて出来るのかね」
「メーヌさんに頼めばよろしいのでは?」
一応メーヌは食材の知識はほぼ完璧にインプットされている。
当然獣の解体の方法もである。
「では肉もメーヌにお任せあれ」
「頼りになりますね、本当に」
そうして次は獣を狩りにいく事に。
暇潰しとはいえクプルフにも振り回されているものだ。
攻撃の効果が出るまであと何日かかるのか。
その間ギラ達はクプルフに教わった美味しいものを堪能するのである。