美味しいお魚
クプルフに言われるまま美味しいお魚を釣りにきたギラ達。
その魚は川魚らしく塩焼きが美味しいらしい。
そんな魚を求め釣りを始めるギラ達。
美味しい魚にはありつけるのだろうか。
「ここの川ですか」
「そうよ、サイズはこれぐらいのやつ」
「だとしたら鮎みたいな魚ですかね、この世界で鮎なのかはともかく」
「まあいいさ、とりあえず釣りを始めるよ」
そうして餌を針に付け魚釣りを始める。
魚釣りは忍耐力との戦い、じっと耐え動かざること山の如しである。
「魚自体はバカスカ釣れるんですけど」
「この魚は違うよね?」
「多分これ外来種ですよ、国によって住む生き物とか違いますし」
「この魚は多分オルバインの固有種ですわよ、それが繁殖してますのね」
リックの話では国によって魔物や生き物の生態が違うという。
なので今いるウルゲントだとこの魚は本来いないらしい。
「やっぱり人は汚い生き物ですよ、責任というものを理解していない」
「ギラ様…」
「でもこの外来種も食べられなくはないそうですよ」
「なら目的のものが釣れなければこいつで我慢だな」
恋夜にからかわれつつも釣りを続行する。
目的の魚は何匹かはヒットしている。
全員分とはいかないが半分の人数は食べられそうだ。
誰が食べるかは相談になりそうだが。
「結構釣れたな、六割は外来種だが」
「まあいいのでは、ではメーヌ、調理を頼みます」
「おかのした」
「楽しみね、うふふ」
どこで購入したのかその場で調理器具を取り出すメーヌ。
それを使いテキパキと料理をこなしていく。
「メーヌは料理上手でいいなぁ、私は魚の調理って苦手なんだよね」
「ハルミもそういうところは女の子なのね」
「まあ魚はヌメりますしあと目があれですわよね」
「魚の調理は技術も必要って言いますからね」
そうこうしているうちに料理が完成した。
目的の魚は塩で包み焼きである。
あと外来種の魚は身を揚げてサンドイッチである。
やはりメーヌは頼りになるものだ。
「美味しいわね」
「それにしても揚げ物か、高級な食べ物だよね」
「ええ、油が意外と高いので揚げ物は平民には少しお高いかと」
「この世界では揚げ物はお高い料理でしたか」
この世界の料理事情である。
油もあるし砂糖や麦もある。
とはいえその手のものはそこそこお高いようだ。
冒険者だからお金もあって揃えられるが、普通の庶民には少し値が張るらしい。
「それにしても包み焼きねぇ、こういう調理法もあるんだね」
「この世界だと包み焼きは一般的じゃないようです」
「いつものクセで美味しい調理法で作ったんですけど、マズったですかね」
「でも美味しいわよ、旨味を逃がさない焼き方だから味が出るわ」
クプルフはなんだかんだで満足したようだ。
「さて、どうせ暇なら次は美味しい果物を採りに行くわよ」
「果物ですか」
「我儘プリンセスですか、まあ僕は付き合いますけど」
そうして今度は果物を採りに森へと行く事に。
意外と物知りなのか美味しい食べ物を教わっている。
攻撃の効果はまだ出ないだろうなので、しばらくはワガママに付き合う事にした。