開かれた世界
精霊巡りを終えたギラ達。
その霊感は確かに強くなったのか。
天人が本当に見えるかを確認すべく適当な街へ移動する。
そこで見えたものは開かれた世界だった。
「それでとりあえずカーミンスに来てみたんですが」
「本当に街の人の数が増えてますよ…」
「姿からして街の人と異なる姿をしているのが天人ですか」
「人に寄生しその力を行使するというものだな」
そこには確かに見えない天人が見えていた。
とはいえ街中で天人の大虐殺を行うわけにはいかないので少し様子を見る。
「でも見た感じそんな厄介そうにも見えませんね」
「とはいえ過去に攻撃されてますし危険だとは認識されているのでは」
「そんでどうするのさ、大地の骨に関係してる天人を探すのかい」
「元々はそれが目的で霊感の修行をしたんですし」
少し考える。
するとクロノスが現れ事情を問う。
「なんじゃ、つまりその大地の骨の素行調査で我輩達に接触したのか」
「ええ、そうですよ」
「天人探しも含めてますから」
「とはいえ流石に近くにいる様子はないですね」
そしてクロノスは言う。
それが知りたいのなら過去に行ってみるか?と。
「過去に飛ばしてやってもよいぞ、歴史さえ変えなければな」
「どうします?大地の骨の事を調べるのならそれもいいと思いますが」
「過去に飛ぶって流石は時の精霊ですね」
「なら頼むとしますか、年数では大体18年前ぐらいでお願いします」
クロノスはそれに了承しその空間を歪める。
そして歪みに身を委ねたその先には今まで見ていた景色とは違う景色があった。
「ここが18年前じゃ、ついでにソルバードも飛ばしてあるぞ」
「感謝します」
「とりあえずこの時代では骨は生まれてないですね」
「だとしたら自警団、あの村に行ってみるとしよう」
そうして18年前のカーミンスを出てソルバードを飛ばす。
行き先は未来では滅びているあの村だ。
この時代ならその村はまだあるはず。
ソルバードでその村の近くへと飛ぶ。
「さて、その村の近くに来たんですが」
「ん?風?」
「ギラ様、あそこを」
「あれは…どうやら天人のようですね」
村の屋根の上には今感じた風を起こしたと思われる天人が確認出来る。
とりあえず見えないふりをして村へ。
「ふむ、今はこの村も平和なものです」
「でも未来にこの村は…」
「分かっててもそれを変えたらいけない、ですわよ」
「そういう運命にある、それを変えるのは未来を消してしまうからよ」
村自体は特になんの変哲もない農村だ。
そんな中自警団が村の見回りをしていた。
あの自警団が未来では大地の骨となり無関係な人間までも殺すようになる。
やはり自警団に暗殺など無理な話なのだろう。
「クロノス、時間を移動してもらえますか」
「何年後じゃ」
「7年後だ、頼む」
「その時代が発端になる直前、お願いします」
クロノスはそれを了承し再び空間を歪める。
そうしてギラ達は骨が結成される直前へと飛ぶ。
そこで見るものは何なのか。
大地の骨が生まれるその直前の時代。
未来は変えてはいけない、その悲劇を止める事は許されないのである。