弾ける光
霊感を鍛えるべく精霊巡りをするギラ達。
シェイドもなんだかんだでついてきてしまい精霊も含めると大所帯だ。
とはいえ普段は姿を消しているので人に見られる事はない。
そんなギラ達は光の精霊のウィスプを探しにきていた。
「ここですね」
「眩しいねぇ、また砂漠かい」
「サラマンドラのときとは違う場所だよね」
「まあ光の精霊なら太陽と関係してても不思議はなさそうよね」
そうして砂漠を進むギラ達。
光の精霊は砂漠のオアシスに出るらしい。
「それにしてもオアシスですか」
「砂漠って地下には水も豊富にあるんですよね」
「地上はこんなカラッカラなのにね」
「でも地下水ってそういうものですよ」
地下水は基本的にどこにでもある。
それを掘り当てる技術があるかどうかの話だ。
地形などにも影響されるので簡単な話ではない。
とりあえず暑さに負ける事もなく砂漠を進む。
「はぁ、暑いのはもう慣れたものですよ」
「その割に涼しそうな顔してるよね」
「ギラさん暑いと言いながらなんでそんな涼しそうなんですの」
「脱がせてみたら分かるかもしれんな」
恋夜もそういう事を言いつつも楽しんでいる。
知的好奇心の塊である彼女には楽しくてたまらないのだろう。
「それよりさっさとオアシスに行きますよ」
「ギラ様も本当は分かってるんですよ」
「残忍さの裏にあるガラスのような儚さ、ですか」
「人の心はガラスのようなものなのです」
そうして砂漠を進むと景色が歪み始める。
どうやら蜃気楼のようだ。
「近いですね」
「蜃気楼が見えるなら近くだろう」
「探してみますか」
「ですねっ」
その近くを探すと水場を見つける。
どうやらオアシスのようだ。
「ここですか、出ますかね」
「ありゃりゃ、人が来るなんて珍しいじゃん」
「この声…」
「む?あそこだ」
そこには空中で弾ける光が。
どうやらこの静電気の塊のようなものがウィスプらしい。
「まさか僕に何かを求めに来たの?力が欲しいのかな?」
「いえ、力なら間に合ってます」
「あはは、ギラ様はもうお約束ですね」
「精霊相手に煽るとか怖いもの知らずにも程がありますわ」
その言葉にウィスプは少しムッとする。
「じゃあなんなのさ、力が欲しくないのに僕に会いにきたの?」
「見えるかどうかですし」
するとウィスプは他の気配を感じ取る。
「なに?他にもいるんだ」
「久しぶりね、この子達になめられっぱなしは癪だからよ」
「それで勝手に力を貸してるのさ」
「というわけで…」
それに対してウィスプは少し驚いてみせる。
「マジ?なら僕も力を貸すよ、力が欲しくないとか言われたから少し腹立つし」
「あなたもなのですね」
「精霊にも誇りというものがあるのでな」
「あはは、僕は別に構わないですよ」
そうしてウィスプも強引にリックを主としてついてくる事に。
とりあえず目的は達したのでソルバードまで戻る事に。
大体はギラが悪いので精霊達はギラをいい目では見ていない。
次の精霊は月の精霊のアルテミスである。
霊感は確実な鍛えられている、精霊が見える事がそれを示していた。