恐怖の黒い影
霊感を鍛えるべく精霊巡りをするギラ達。
基本属性の精霊は見えたのでその上位、光と闇に挑む事に。
今回挑むのは闇の精霊シェイドである。
闇を好む精霊の姿を拝むべくその場所へ向かう。
「ここでしたか」
「あのときの…なんか久しぶりですね」
「ここに闇の精霊がいるのか」
「まあ夜の森っていうだけはありますしね」
久しく訪れた夜の森。
その森の奥地に闇の精霊は住むという。
「それにしても相変わらず暗いですね」
「ここは不思議な力でも働いてるのかね」
「常に夜のように暗いというのは闇の精霊の力なのでしょうか」
「それはありそうね、闇の精霊が暗くしてるっていう」
そんな社より奥、さらなる暗闇を進む。
その道は足元すら見えないほどに闇に染まっている。
もはや感覚と音だけが頼りなぐらいにその暗闇が広がる。
慎重に、そして丁寧に森を進んでいく。
「足元が本当に見えませんね」
「流石に森だから足元が崩れるとも思わないけど」
「でもおっかないねぇ、闇ってのは人の心を恐怖に染めるもんさ」
「シェイドとは闇と同時に恐怖も司ると言われるからな」
恐怖も司る闇の精霊シェイド。
だとしたらそれも納得である。
そんな恐怖も物ともせずギラは森の奥へと進んでいく。
「ギラさんはどんどん進みますね」
「ギラ様ですからねぇ」
「はい、ギラ様ですから」
「もはや語る必要はないって事ですわね」
そのまま森を奥へと進む。
そして闇がもはや極限とも言えるほどに濃くなったそのときだ。
「この闇を恐れずに進むとは面白い奴らね」
「この声…」
「いますよね?」
「だろうね」
そこに現れたのは全身を影のように黒い黒装束で包む魔女のような姿。
恐らくこれが闇の精霊シェイドなのだろう。
「それで?何が欲しいのかしら?力?それとも恐怖かしら?」
「あー、力とか間に合ってます、姿が見えるかどうかですしね」
「ギラ様はもはや怖いものは何もないですね」
「精霊相手でもペースを乱しませんものね」
その返事にシェイドは高らかに笑う。
「ははっ、あははははっ!!面白い小娘ねぇ、相手が誰か分かってんの?」
「当たり前です」
「煽るねぇ」
「ギラ様は煽りスキル高いですからねぇ」
するとシェイドはその気配に気づく。
「ん?そこの小僧、あんた基本六属性の精霊を従えてるのか」
「こいつらに舐められたままでは終われんのだ」
「なので無理矢理力を貸しているんですよ」
「というわけで…」
それに対しシェイドも乗っかってくる。
「面白いじゃないの、なら私も力を貸してあげる、ナメられっぱなしは癪だし」
「はぁ、そういう事ならまあ…」
「やれやれだな、この少年もポテンシャルはあるのだが」
「どうにも納得出来ないんだよな、本当にさ」
そうしてシェイドも強引にリックを主にしてついてくる事に。
精霊を煽ってるギラも大体は悪いのではあるが。
とりあえず目的は達したため森をあとにする。
次の精霊は光の精霊のウィスプである。
光の精霊ウィル・オ・ウィスプ、その姿は見えるのか。
ギラ達は少しずつではあるが霊感が強くなっているのを感じていた。