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鉄を喰らう虫

王都で迎える朝。

ギラ達は西にある研究都市に行ってみる事にした。

一旦王都を発ち街道を進む。

その研究都市では新たな兵器の開発などがされているらしい。


「研究都市、面白そうですね」

「ギラ様ってそういうの好きですよね」

「ガチオタなせいなのか技術とか聞くと目が輝くんですから」

「あはは、そうだったんですね」


そうして駄弁りながら街道を進む。

大地の骨に襲われてもいいように戦える用意はしておく。


そうして歩く事一時間程度。

ギラ達は研究都市リメンズに到着する。

この都市は兵器や新たな技術の開発がされる都市だ。

国策によりオルバインとの合同研究の名目として作られたらしい。

つまり国としてオルバインの機械技術を提供する見返りという事だ。

機械技術の発達しているオルバイン、軍備を強化したいアルセイムの思惑の一致である。


「ふむ、どこを見ても研究者達ですね」

「そうですねぇ、白衣姿の人とか」

「それでどこに行きましょうか」

「見学とか出来るみたいですし、見学してみましょうか」


そんなわけで見学をしてみる事に。

街はまさに技術の結晶という感じだ。

するとここにも冒険者ギルドがあるのを発見する。

ギラ達は中に入り、何か依頼を物色する。

すると面白そうな依頼をギラが発見する。

どうやら研究の手伝いらしい、難易度はシルバーランクなのでそれを受注する。


「研究の手伝いって何するんですかね」

「パシられるんだとは思いますけどね、まあその研究者のとこに行きますよ」

「わくわくっ」

「研究の手伝い…何をするんだろう」


そうして依頼を出した研究者の研究所にやってくる。

そこは小規模な個人のラボという感じだった。


「失礼します、依頼を出した人ってあなたですよね?」

「ん?君達はもしかして私の依頼を受けてくれたのかな」


依頼を受けた事を伝える。

すると早速その依頼について説明してくれる。


「実は個人用の空を飛ぶ乗り物を作っていてね、一応六人ぐらい乗れるものだ」

「それを完成させるのを手伝え、ですか?」


研究者曰くあと少しで完成するが、最後の材料が入手困難だという。

そこで冒険者ギルドに依頼を出したらしい。

そしてそれを受けたのがギラ達というわけだ。


「それで何をするんですか?」

「えっと、ルーンシルバーを手に入れてきて欲しいんだ、近くにある洞窟でね」

「ルーンシルバーって希少な金属ですね、そんな簡単にいくんでしょうか」


リックもその希少性については存じていた。

研究者曰くその洞窟には鉄を喰らう虫が出るらしい。

その虫は希少な金属を主食にする、つまりその洞窟にあるかもしれないという。

それで調査も兼ねての依頼という事だ。


「分かりました、なら行くだけ行ってみます」

「おお、感謝するよ、成功させた暁には素晴らしいお礼を用意しているからね」

「とにかく駄目元ですね、近くなら時間もかかりませんし行ってきます」


そう言ってギラ達は街を出て、その洞窟へ向かう。

その洞窟は歩いて30分もしない場所にあった。

ギラ達はその洞窟に足を踏み入れる。


洞窟に入ったギラ達はその光景に驚いてしまう。

そこには巨大生物の骨など、明らかに異様な光景があったからだ。

目的のルーンシルバーは奥にあるかもしれないとの事。

ギラ達は洞窟の奥へと進む。


巨大生物の骨などを横目に奥へと進む。

そして最深部と思われる開けた場所に到着する。


「これは…本当にルーンシルバーがありますよ」

「ならさっさと回収しちゃいますかね」

「なんか不気味ですね…」

「何か来ます!音の数は…全部で3つです!」


岩陰から気持ち悪い生き物が姿を見せる。

どうやらこれが鉄を喰らう虫のようだ。

この場にあるルーンシルバーを食われるわけにはいかない。

ギラ達はその虫を討伐する事に。


「こいつ、恐らく鉄だけじゃなくなんでも食いますね、近づかずに攻めますよ」

「分かりました、僕は魔法で援護します」

「メーヌも距離を取って戦いますよ」

「近づかなければ怖くないですからねっ!」


そうして適度に距離を保つギラ達。

だがそのときだった。


「へっ?ひゃあぁぁぁぁぁっ!!」

「メーヌ!?」

「凄い吸引力ですよっ!?確かな吸引力の掃除機よりも凄いですっ!」

「このままじゃ消化されちゃいますよ!殴って吐き出させるんです!」


とりあえずギラはメーヌを飲み込んだ奴を思い切りぶん殴る。

殴ったら見事に吐き出した、消化される前に殴れば、実際安心。


「あうぅ~粘液まみれですよぉ~」

「はぁ、なんのエロ漫画ですか、とりあえず数を減らしますかね」

「合点でい!」

「食われたくないですしね!」


そうして的確に処理するギラ達。

確かな吸引力だったが、距離を取ればある程度は安全に攻められた。

またリックの魔法が全体的によく効いていたので倒すのに時間はかからなかった。


「全く、手間を掛けさせるものですね」

「うぅ~、ベタベタしますよぉ」

「帰ったらお風呂ですね、それよりルーンシルバーがたくさんありますよっ」

「依頼だと適当にたくさん…まあたくさん持ち帰ればいいですよね」


そうしてルーンシルバーを大量にゲッツ!&ターン!したギラ達。

そのままその場を引き上げ研究者の下に戻る。


「採ってきましたよ、たくさん」

「本当に採ってきたのか、それもこんなに…」

「これで研究は完成するんですよね?」


その問いに研究者は自信満々に答える。


「もちろんさ、今夜は徹夜だぞ!」

「なら、そのお礼は研究が完成したらいただくとします」


そういえば名前を聞いてなかったという事に気づく。


「ああ、私の名前かい?アーロン・マイエットだ、アーロンでいいよ」

「分かりました、ではアーロン、報酬に期待していますよ」


その言葉にアーロンは自信満々に答えてくれた。

今日はこの街で一泊して明日報酬を受け取る事になる。

冒険者ギルドの依頼で報酬が即時でないのは、特別な依頼という事だろう。

そういうレアケースもあると覚えておく事にした。


「さて、まだ時間はありますし他にも見学でもしますかね」

「ならお伴しますね」


そうしてギラとリックは見学に行ってしまった。

メーヌは魔物の粘液を洗い流すので宿を取りお風呂に直行である。

翠もこの研究都市には興味を示しているようだ。


そうして技術の街を堪能する一行。

明日の報酬に期待しつつ今日は床に就くのであった。


その報酬がギラ達を新たな世界へと連れていってくれるのだから。

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