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水の天女

霊感を鍛えるために精霊を探すギラ達。

雷と火の精霊はなめられてたまるかと言わんばかりに無理矢理ついてきた。

そもそもギラに精霊の力なんて必要ないのは事実だ。

そのせいなのかリックだけがどんどん凄くなってしまう。


「ここが天水の泉ですか」

「そうらしい、人は滅多に来ないが、来た人間は美しい天女を見たという」

「天女が水の精霊なんですの?」

「アプサラスは意味的には天女で合ってると思いますよ」


とりあえずは天女を見たと言われる奥にある滝へ向かう。

その滝は近くの山から流れる水が天からの恵みのように見えるらしい。


「水辺だからなのか少し冷えるね」

「そうね、でも水が凄く綺麗よ」

「見た目は綺麗でも上流で何が混ざってるか分かりませんけどね」

「だから綺麗だからって迂闊に飲むと腹下すよ」


それは尤もである。

山などに流れる清流も見た目は綺麗だが飲むのはおすすめしない。


どこで何が混ざっているか分からないからである。

水はきちんと濾過されたものを飲むのが一番安全だとソウは言う。


「こんなに綺麗な水なのに」

「そもそも市販されてる水だってきちんと濾過したものですからね」

「天然水を天然のまま飲んで腹壊されても困るからね」

「ソウさんの言う事は尤もですね、見た目が綺麗でも危険はありますから」


そんなわけで水を飲むのは諦めて滝を目指す。

水辺を進んでいくが流れる水の音はいい癒しになっているようだ。


「この清流の音、癒やされますねぇ」

「マイナスイオンとかいう嘘八百は誰が広めたのやら」

「マイナスイオン?」

「なんですのそれ?」


ギラの独り言はともかくそのまま進む。

そうして進んでいくと滝が見えてくる。


「ここがその滝ですか」

「本当に出るんでしょうか」

「我が住処を荒らすのは誰ですか」

「この声…」


その声は滝の方からした。

滝を見上げると美しい女性が下りてきた。


「あなた達はここに何かご用ですか?」

「あんたが水の精霊のアプサラスかい」

「視認出来てますね、とりあえずクリアです」

「えっと、そういうわけで…」


アプサラスもどこか不満げだ。


「私の力を求めて来たのではないと申しますか?」

「いや、力なら足りてますし」

「本当にギラ様はド真ん中に豪速球ですっ」

「ド真ん中だけで見逃し三振取れますよね」


メーヌと翠の言う事はともかくアプサラスもどこか不服なようである。


「この者達はこんな奴らだ、我も不服でな、無理矢理この小僧に力を貸した」

「サラマンドラ…それにフードゥルもいるんですか」

「えっと…」

「力なら結構です」


それにアプサラスもやはり不服のようだ。


「分かりました、ならそこの少年に力を貸します、拒否権なんてないですからね」

「あはは、まあよろしくお願いします」

「本当にギラ様は火の玉ストレート投げるんですから」

「賑やかになるねぇ、それじゃ次行くよ」


そうしてその場をあとにする。

次の精霊は氷の精霊フェンリルである。


目的地はかつて行った最北の国になる。

再び最北の国の地を踏み氷の精霊をその目で拝むために。


ギラは最終的に天人に喧嘩を売る気だとメーヌと翠は思っていた。

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